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2024.12.012024年07月08日
医師監修│改善したい!老け見えする目頭から頬の線
ゴルゴ線(ゴルゴライン)とは?できる原因と治療法
ゴルゴ線(ゴルゴライン)とは、目頭あたりから頬の中央部に斜めにできるラインのこと。老けて見える、疲れて見えるなどの原因になるゴルゴ線はどうしてできるの?原因や治療法、予防のためのケア方法などについて医師監修のもと詳しく解説します。
監修者プロフィール:みずほクリニック院長・小松 磨史さん
こまつ・きよし 札幌医科大学卒業、札幌医科大学・形成外科入局。札幌医科大学・大学院卒業、医学博士取得。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)。札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大手美容形成外科入職(院長歴任)、みずほクリニック院長に。
日本形成外科学会・形成外科専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士。私達が目指すのは、一人ひとりのコンプレックスを克服し、自信に満ちあふれた笑顔と晴れやかな気持ちでいて頂けることが何よりもの願いです。そのためには真摯に患者様と寄り添い、これからも美容外科医としての使命を果たしていきたいと考えております。
ゴルゴ線(ゴルゴライン)とは?
ゴルゴ線(ゴルゴライン)は正式名称をミッドチークラインといい、目頭あたりから頬の真ん中に斜めにできる直線的なラインのことを指します。
さいとう・たかを/さいとう・プロダクションによる漫画「ゴルゴ13」の主人公であるスナイパー、デューク東郷の顔にある特徴的なラインに似ていることから、「ゴルゴ線」という名称で呼ばれるようになったといわれています。
顔にはいくつかのリガメント(靭帯)があり、顔をたるまないよう、動かないように支えています。しかし、リガメントがあるところは溝ができやすく、線になりやすい部分です。
ゴルゴ線は、目と頬の境目にある頬骨リガメントによってできます。つまり、ゴルゴ線は誰しもが持っているものです。
しかし、ゴルゴ線が目立つか目立たないかは個人差が大きく、一般的に、ゴルゴ線が目立つ状態を「ゴルゴ線がある」「ゴルゴ線ができる」といいます。
ゴルゴ線はできると目立ち、老けた印象や疲れた印象に見えることがあるため、悩んでいる人も少なくありません。
ゴルゴ線と目の下のクマの違い
目の下にできるクマは主に「黒クマ」「青クマ」「茶クマ」の3つです。人によってできるクマの種類や、場所が異なりますが、ゴルゴ線とクマが重なっているケースもあります。
ゴルゴ線と重なりやすいのが「黒クマ」で、眼窩脂肪の突出などによって目の下に影ができ、黒いクマのように見える状態を指します。
ゴルゴ線(ゴルゴライン)ができる原因
ゴルゴ線ができる原因は、いくつか考えられます。ここからは、ゴルゴ線ができる原因について詳しく見ていきましょう。
表情筋・筋膜の衰え
表情筋や筋膜が衰えると皮膚にたるみが出てくるようになり、ゴルゴ線が目立ちやすくなります。
顔には目のまわりにある「眼輪筋」や頬から口まわりまでの「上唇挙筋」、鼻の横にあり頬を引き上げる「上唇鼻翼挙筋」など、約60種類もの表情筋があり、これらが動くことで表情をつくり出しています。
しかし、あまり使わなかったり、年を重ねると、表情筋は衰えていきます。
中でも、ゴルゴ線に影響しているといわれているのが目のまわりにある「眼輪筋」と頬にある「上唇挙筋・小頬骨筋」です。これらの筋肉に衰えが起こると、頬がたるみ、リガメントとの間の溝が深くなり、ゴルゴ線につながります。
表情筋の衰えにつながる生活習慣
最近ではスマートフォンやパソコンを長時間使うという人も増えており、このような習慣が引き起こす眼精疲労もゴルゴ線の原因の一つです。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で家で過ごすことが多くなり「人と会話する機会が少なくなった」「笑うことが減った」「無表情でいることが多くなった」など、表情筋を動かす機会が前に比べると少なくなりました。
表情筋を動かさないと筋力が低下するだけでなく、血液やリンパの流れも滞りがちになり肌の新陳代謝が低下するため、むくみやすくなります。
表情のくせ
人はそれぞれ異なる表情のくせを持っていますが、これもゴルゴ線のできやすさに影響します。
鼻のまわりにシワを寄せるようにして笑う人は、表情のくせによってゴルゴ線ができやすくなる可能性があります。
皮下脂肪の萎縮
年を取ると、人によっては皮下脂肪が小さく萎縮することがあります。
皮下脂肪がしっかりしている若い頃は、ゴルゴ線が隠れて見えないものの、年を重ねて皮下脂肪の萎縮が起こると、ゴルゴ線が目立つようになります。
加齢による肌のハリ・弾力の低下
加齢による肌のハリ・弾力の低下も、ゴルゴ線が目立ちやすくなる原因の一つです。肌のハリや弾力は皮膚内部のコラーゲン量が関係しており、コラーゲンの量が多い肌はしっかりした弾力があるものの、コラーゲンの量が少ないと弾力が低下します。
肌の弾力は加齢に伴って変化していき、少しずつハリや弾力は低下していきます。
また、女性は更年期になると女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が大きく減少しますが、エストロゲンはコラーゲン合成を促す働きを持っています。そのため、エストロゲンが減少することでコラーゲンの量はさらに減ることに。
加齢やエストロゲン減少の影響により、皮膚のコラーゲン量は60代になると20代の半分になるともいわれています。
生まれつきの骨格や皮下脂肪の付き方
ほうれい線は程度に違いはあれど、性別関係なく、すべての人にできるものです。子どもでも、ほうれい線がある場合があります。しかし、ゴルゴ線は必ずできるわけではなく個人差があり、できる人もいれば、できない人もいます。
ゴルゴ線ができるかできないか(目立つか目立たないか)に大きく影響しているのが、その人の生まれ持った骨格や皮下脂肪の付き方です。
例えば、頬骨が出ている人・張っている人はゴルゴ線ができにくく、頬骨が平べったい人はゴルゴ線ができやすい傾向にあるといわれています。また、生まれつきのえくぼ(癒着)が原因になり、ゴルゴ線ができている場合も考えられます。
脂肪の付き方も、ゴルゴ線の見え方に影響する要素です。痩せている人や目の下の皮下脂肪が少ない人、目の下の皮膚が薄い人、リガメントが発達している人はゴルゴ線ができやすいといわれています。
年を重ねると目の下の皮膚が薄くなるため、年齢を重ねるとゴルゴ線ができる人の割合が多くなります。
ゴルゴ線(ゴルゴライン)の治療法
ゴルゴ線は、美容医療の施術で治療することが可能です。ここからは、美容クリニックで行えるゴルゴ線治療について解説します。
ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸注入はゴルゴ線の溝に沿ってヒアルロン酸を注入する方法です。ヒアルロン酸製剤によってへこんだ部分にふっくらとボリュームが出るため、ゴルゴ線が目立ちにくくなります。
ヒアルロン酸注入の施術時間は約10分ほどで、注射のみで治療できるためダウンタイムの少ない方法です。ただし、ヒアルロン酸は体内で分解・吸収されるため効果を持続させたい場合は定期的に施術を受ける必要があります。
脂肪注入
脂肪注入は、脂肪吸引によって自分の体から採取した脂肪をゴルゴ線に注入する方法です。
定着した後は効果が長く続くといわれていますが、ヒアルロン酸注入に比べるとダウンタイムが長くなる傾向にあります。
ミッドフェイスリフト(中顔面リフト)手術
ミッドフェイスリフト(中顔面リフト)手術は、下まつ毛のきわ部分を切開して行う手術です。糸によって頬の脂肪を吊り上げて固定し、余分な筋肉や皮膚などを切除して縫合します。
ミッドフェイスリフト手術で、皮膚を切開するため、ダウンタイムが長くなります。
その他
その他にも、ボタニカルフィラー(天然素材を使った注入剤)や、レディエッセ(歯や骨を形成するカルシウムハイドロキシアパタイトを主成分に作られた注入剤)などの薬剤を使った治療法があります。
美容クリニックによってメニューが異なるため、カウンセリングで相談してみるといいでしょう。
ゴルゴ線(ゴルゴライン)の予防のためのケア方法
ここからは、ゴルゴ線予防のためのケア方法をご紹介します。
栄養バランスのいい食事
肌の状態を健康に保つためにも、皮膚や粘膜をサポートするビタミンA、細胞内のコラーゲンの合成に必要なビタミンC、抗酸化作用や血行を促進する作用のあるビタミンEなどを積極的に摂取しましょう。
また、女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きをするイソフラボンを摂取するのもおすすめです。
タバコを控える、禁煙する
喫煙は、体の血流を悪くする原因の一つです。血流が悪くなると皮膚の新陳代謝が低下し、皮膚のハリや弾力の低下、シミやくすみ、肌の老化、肌の乾燥を引き起こします。
タバコにはニコチンやタールなど多くの有害物質が含まれていますが、これらは女性ホルモンの働きを妨げ、細胞を傷つけ、老化を加速させます。また、タバコに含まれる有害物質は活性酸素の大量発生にも影響しています。
活性酸素を除去しようと働くのが、ビタミンCやビタミンEです。タバコを吸うと、美肌にとって大切なビタミン類が大量消費されてしまい、その結果、肌をつくるコラーゲンなども減少し、肌の状態が悪くなります。
喫煙は肌の状態を悪くしてゴルゴ線の悪化につながる可能性が考えられる他、口臭や歯の黄ばみの原因にもなります。
睡眠不足を避ける
ゴルゴ線に限らず、肌の状態を健やかに保つためには睡眠が非常に大切です。人が眠っている時間は肌の細胞分裂を促す「成長ホルモン」が分泌されます。睡眠不足になると、成長ホルモンがしっかり分泌されなくなり、肌が生まれ変わるターンオーバーが滞ってしまうことに。
肌のターンオーバーが乱れると、肌にあるコラーゲンやエラスチンの減少につながり、たるみや乾燥などが生じやすくなり、これがゴルゴ線につながる可能性があります。
朝起きたら太陽の光を浴びて体内時計をリセットする、寝る時間の1時間前からはスマートフォンやパソコンを見ないようにするなどの工夫をすると、睡眠の質を高めることにつながるでしょう。
スキンケアや紫外線対策
肌が乾燥すると、シワやたるみを招き、ゴルゴ線の原因になります。しっかり保湿できるスキンケア化粧品を選んで、朝晩十分に肌を保湿しましょう。
また、健康的な肌を守るためには、紫外線対策をしっかり行うことも大切です。紫外線はコラーゲンやエラスチンを減少させてしまうため、日焼け止めや帽子、日傘、サングラスなどを使って紫外線対策を徹底しましょう。
紫外線は室内にも降り注ぐため、外出時だけではなく室内で過ごす日も紫外線対策が必要です。
顔のマッサージ・ストレッチ・トレーニング
顔のマッサージ・ストレッチ・トレーニングは、ゴルゴ線に対してはあまり意味がないことが多いといわれています。自己流の表情筋トレーニングは他の部位にシワができてしまう可能性もあるため、注意しましょう。
ただし、マッサージはリンパの流れをスムーズにするため、肌への摩擦に注意しながらマッサージを行うのはOKです。
気になるゴルゴ線は日常生活で予防を!
ゴルゴ線は表情筋・筋膜の衰えや、加齢による肌のハリ・弾力の低下、皮下脂肪の萎縮などの原因が影響しています。ただし、生まれつきの骨格や皮下脂肪の付き方による影響も大きいです。
ゴルゴ線はマッサージやトレーニング、ストレッチなどでは改善が難しく、過度にやり過ぎると新しいシワができてしまうこともあるため、注意しましょう。適度なマッサージであれば、血行促進などの効果が期待できます。
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