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- 猫と暮らす日々の始まり
愛犬を看取った後ぼんやりした日々をすごしていたのですが、思いがけず猫と暮らす日々が始まりました。
愛犬を看取ったその後
16年も生きた愛犬を看取った後、すべてをやりつくしたという気持ちが強かったためか、悲しみは感じませんでした。けれど、心にぽっかりと開いた大きな穴の輪郭をなぞるような、ぼんやりとした日々をすごしていました。
自分はペットロスにはかかっていないと思っていましたが、今振り返ると、紛れもなくペットロスだったのだと思います。
猫を飼ってみたらとすすめられて
そんな私を心配して、家族が猫をもらって来てくれました。
私は子どもの時からずっと犬好きで、猫にはまったく興味がなかったのに。「ありがたいけど、ありがた迷惑!」と思っていました。
もう犬は飼えないという気持ちでした。あの愛しいわんこたちに代わる犬などいるとは思えなかったのです。
そんな私の目の前に現れたのは、あまりに儚く弱々しくて、思わず抱きしめずにはいられない子猫でした。
猫って、不思議な生き物でした
飼ってみると、猫は、犬とはまったく違う生き物でした。
叱っても効き目がなく、言うことを聞きません。しつけなんてとんでもない(ちゃんとしつけをしている猫飼いの人なんているのかな?)。
平気で食卓テーブルの上に上がるし、狭い空間にどこへでも入って行ってしまう。抱っこされるのが嫌いなのか、抱きしめようとしても逃げてしまう。尻尾を振って飛びついて来てくれる犬たちとは、勝手が違うのでした。
ガブリエルと名付けました
その小さな猫に、私は「ガブリエル」という名前を付けて、良くわからないままに猫と暮らす日々が始まりました。
少しずつ、お互いに理解を積み重ねて行き、ガビーという呼び名が定着する頃になると、彼女はいつの間にか私の座っているソファーの端っこに座ってくれるようになり、じっと見つめると、目を閉じて両目でウインクをしてくれるようになりました。
これは猫が親愛を示すサインなのだそうです。
夜はそっと私の布団の中に入って来るようになりました。何度も入ろうとしてはやめて、の繰り返しの末に入って来てくれるのですけれど。
知らないうちに、ガビーと私の距離は縮まり、彼女が静かに寄り添ってくれることの心地よさに安らぎを感じるようになりました。
ガビーは体の小さな美少女猫で、とっても臆病で、エキセントリックなところもあり、矛盾しているようだけれど、大胆でおおらかな性格も併せ持つ猫です。
どちらかというと、賢いというよりは、プリミティブなタイプの猫だと思います。ガビー自身も本心はもっと私に甘えたいはずなのに、素直に甘えてくれないところが、逆にとてもいじらしくてたまらないのです。
猫好き人間のできあがりです
猫のかわいらしさを、私は知らずに死んでしまうところだった、と、ほっとするまでに長い時間はかかりませんでした。
犬派だった私はあっさりと宗旨替えをして、「猫が大好きでね~」と語るようになり、猫柄の洋服を買ったり、猫柄の食器を買ったり、猫に関する本をたくさん読むように。
ガビーは相変らずマイペースのツンデレというよりはツンツン猫ちゃんで、そこがまたかわいくてたまらない。ただ、私も同居の次女も会社勤めをしているため、日中の一人のお留守番がかわいそうなのではないかと思うようになりました。
そこで、知り合いのつてをたどって、東京から大阪まで2匹目の猫さんをもらいに、出かけて行くことになりました。続きは次回に!
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