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2020年07月11日
素朴な疑問
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
天気がいいので散歩をしていたら、道端に紫色のきれいな花を見かけました。小さくてかわいらしい! この花、何という名前なのかしら? スマホで写真を撮ったので、自宅でじっくり調べてみることにしました。
紫色の花は、江戸時代に中国から渡来した帰化植物「ショカツサイ」でした。植物学者の牧野富太郎博士が名付けた、和名の「オオアラセイトウ」でよく知られています。別名「ムラサキハナナ」「シキンソウ(紫金草)」「ハナダイコン(ヒロハハナダイコン)」などとも呼ばれます。呼び名が多い植物なのですね。
ショカツサイは江戸時代、観賞用として栽培されていたそうです。戦後、星薬学専門学校(今の星薬科大学)の初代校長・山口誠太郎が、中国から持ち帰ったショカツサイの種を近隣に植えたり、知人に配ったりしたことから、再び日本にショカツサイの花が咲き始めたといわれています。この逸話は、当時の新聞でも報じられ、ショカツサイという名前で有名になりました。
秋に種をまくと越冬し、3月中旬から5月頃まで花が咲くアブラナ科の植物です。繁殖力が非常に強く、こぼれ種でも十分に育つため、今では日本中で野生化しているのだそう。道端などで地下茎を横に伸ばし、群生しているショカツサイの姿は、みなさんも目にしたことがあるかもしれません。
花は、「エディブルフラワー(食用花)」としてもよく知られており、サラダにして食べるとおいしいそうです(一流レストランの付け合わせにも出てくるんですって!)。また、水にさらして苦みを取れば、若芽も茎も生で食べられますし、若苗のおひたしは、ホウレンソウに似た味がするといいます(少し摘んでくればよかったわ……)。
ショカツサイという名前の由来は、中国の三国時代に出てくる蜀(ショク)の国(四川省成都)の丞相・諸葛孔明(しょかつこうめい)だといわれています。諸葛孔明は兵士たちの野菜不足を補うために、ショカツサイを栽培させたのだそう。たくさんの兵を引き連れ、行く先々に種を植えながら進み、育ったところを食べるなんて、よほど繁殖力の強い植物でないとできませんね。
かわいらしいのに、案外たくましいショカツサイの名前の由来を聞いて、いっそう好きになったワタシです。ショカツサイは、日当たりのよい乾燥した場所に咲くことが多いそうです。ご近所を散歩するついでに、探してみてはいかがでしょう?
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参照:ハルメク YouTube
イラスト:飛田冬子