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2020年07月25日
素朴な疑問
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
スーパーへ買い物に行った帰り道、ふと足元を見ると、アスファルトに入ったひびの隙間から咲くスミレを見つけました。過酷な環境でたくましく根を張る健気なその姿がいじらしくて、思わずスマホで写真を撮っちゃいました。
同じようにアスファルトの隙間から生えている野菜が「ど根性~」なんて呼ばれてメディアで紹介されているけれど、そもそもどうしてあんな場所で植物は生きられるのかしら? 苦しくないの? ちゃんと水は吸えているの? すぐ枯れちゃわないの? この機会に調べてみることにしました!
アスファルトの隙間から生えている植物は、タンポポの綿毛のように風に乗って種が隙間に着地したというものや、種が雨に流されてきたり、アリが種を運んで隙間にポトンと落としたりしたものなどさまざま。アスファルトの下のもともとの土壌にあった種が隙間から芽吹いてくるというケースもあるみたい。
それにしても「あんな過酷な環境で生きることになるなんて、なんて運の悪い子なんでしょう……」と同情してしまいますが、実はアスファルトの隙間ってむしろ植物が育つためにとても適した場所なんですって!
そもそも植物は、光合成をして生きていくために必要なデンプンなどの栄養を作っています。この光合成に欠かせないのが日光。葉などにある葉緑体が日光を浴びると、根から吸い上げた水と、空気中の二酸化炭素を原料に栄養を作ります。つまり、「日光」「水」「二酸化炭素」が植物の生育にはとても大事で、アスファルトの隙間は特に「日光」と「水」が整った環境なのです。
草むらのような場所では、他の植物の葉っぱで陰になって日当たりが悪くなるということがよくありますが、アスファルトの隙間なら邪魔をする植物はいないから、目いっぱい日光が浴びられます。
雨が降ってもアスファルト自体には水は染み込みません。でもその分、アスファルト上にたまっていった雨水が、隙間へと集中的に流れ込んでくるので、たとえわずかな隙間でも意外とたっぷり水分補給できているそうです。
水分同様、土の中の養分も周りに必要とするライバルの植物がいないので、ほとんど独り占め状態です。
隙間があるのはだいたい道の端っこ。人や乗り物に踏まれにくいというのも植物が生き抜くためには好条件ですよね。
「アスファルトに咲く花のように」って歌の歌詞にもあるように、困難に耐えるたくましさの象徴のように表現されていたけれど、実態は、幸運をつかんでのびのびと自分らしく生きる場所を見つけた花だったのね。
ただ、アスファルトは熱がたまりやすいので、日照りが続くと乾燥や暑さに弱い植物はさすがに枯れてしまうそう。隙間で育つ植物は、水を節約するためにタンポポのように背が低くて小さいものが多いんですって。そういえば、私が見掛けたスミレも小さくてかわいかったなぁ。
アスファルトの隙間から生える植物の実態は、「ど根性」というよりむしろ「幸運の持ち主」ということがわかったけれど、でもやっぱり他の植物がなくてぽつんと咲く姿はとっても健気。これからも見掛けたら心の中で「がんばって」って応援しちゃうわ。
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参照:NHK
イラスト:飛田冬子