こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
家から出ない日が続いているので、せめておうちで楽しめて家族も喜んでくれるものを! と思い立ち、料理作りに精を出しています。
「今日の夕飯はワタシのおはこを作るわよ〜!」と張り切っていると、娘がキョトンとして「ママ、箱を手作りするの?」とひと言。
「やだ、箱じゃなくて十八番(おはこ)よ、お・は・こ! 一番得意なことっていう意味。漢字で十八番と書くのよ」と説明すると、「えー、一番得意なのに十八番なの?」と、ピンときていない様子の娘。
言われてみれば確かに、十八番と書いて「おはこ」と読むのはなぜかしら? とワタシまでわからなくなってきたので、調べてみることにしました!
『広辞苑』によると、「十八番(おはこ)」と「おはこ(御箱)」は以下の意味を持つとのことでした。
「十八番(おはこ)」は
「おはこ(御箱)」は
とありました。
十八番(おはこ)の語源には諸説あって、どうやら歌舞伎と関係が深いみたい。
詳しく調べてみると「歌舞伎十八番(歌舞妓狂言組十八番ともいう)」というのは、今からおよそ200年前の1832年に、歌舞伎俳優の七代目市川團十郎が発表した18の演目のこと。七代目團十郎は数ある歌舞伎の演目の中から、歴代の團十郎が得意としていた演目を選んで歌舞伎十八番(じゅうはちばん)と呼び、「これが市川家のお家芸ですよ!」と宣言したそうです。
市川家といえば、歌舞伎界を代表する名家中の名家。十二代目市川團十郎さん亡き後、その長男である市川海老蔵さんが十三代目市川團十郎白猿を襲名することを発表しました(2020年予定がコロナ禍で延期、2021年6月現在)。
市川家の歌舞伎十八番は「暫(しばらく)」「勧進帳(かんじんちょう)」「助六(すけろく)」などがあり、現在でも繰り返し上演されています。この歌舞伎十八番を略して「十八番」と呼ぶようになり、いつしか「十八番=得意芸」という意味で使われるようになったんだとか。
また、家の代名詞ともいえる歌舞伎十八番の台本は、市川家にとって家宝のようなもの。代々の当主が立派な箱に入れて大切に保管していたことから、十八番を「御箱(おはこ)」と呼ぶようになり、いつしか十八番を「おはこ」と読むようになったともいわれています。
他にも、書や骨董品などの高級品は、鑑定士が箱に入れて「これは本物ですよ!」と署名したことから「御箱=本物の芸術」という意味になったとか、仏教の教えに由来するとか諸説はあれこれあるようですが、いずれにしても縁起のよい言葉だというのは間違いなさそう。
さて、ナゾが解けたところでワタシの「ニュー十八番」を目指して今日もお料理がんばろうっと!
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参照:好きだまり
イラスト:飛田冬子
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