手足なくとも光あり・中村久子#第2回
中村久子|3歳で手足切断。9歳で失明。闇夜での決意
中村久子|3歳で手足切断。9歳で失明。闇夜での決意
更新日:2025年09月07日
公開日:2023年05月03日
手足が壊死…切断を悩む両親の目の前で
久子さんは明治30年、高山の畳職人の長女として生まれました。2歳の冬、「あんよが痛いよう、痛いよう」と泣き叫び、下された診断は「特発性脱疽(だっそ)」。血流障害で手足が壊死してしまう難病で、「切断手術をしなければならぬ。しかし生命は保証できない」と宣告されます。うろたえた両親が手術を決断できずにいる間も、小さな手足は高熱で黒くただれてゆきました。
ある日、久子さんのけたたましい泣き声に、母が駆け付けると、傍らに...




