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- 草笛光子さん「しない」3か条と認知症の母への後悔
87歳の今も俳優として第一線で活躍する・草笛光子(くさぶえ・みつこ)さん。草笛さんのハツラツとした姿と言葉から、きれいにを生きるヒントを学ぶ特集です。第4回は老いの気付きや、亡き母への後悔について伺った等身大のインタビューをお届けします。
※このインタビューは「ハルメク」2016年10月号の記事を再編集しています
草笛光子さんが骨折してわかった「やっぱりがたつく」
毎週2時間、きつい筋肉トレーニングを続ける精神力。脚が肩の高さまで上がる柔軟性。80代とは思えない若々しい肉体と精神をお持ちの草笛光子さん。「年齢なんて気にしたりしないわ」と公言してきたけれど、このところ、ちょっと変化があったのだそうです。
「あんまり大きな声では言えないんですけれど、春先に背中の骨を折ったんです。胸椎第11番の圧迫骨折。何だか痛いなと思ってハリやマッサージに行ったもののよくならないので病院で診てもらったら、『折れています』と。
すぐにコルセットを着け、3か月は安静にするよう、言われました。実はそのとき主演の舞台中でしたので、もうだめかな……と頭をかすめたのですが、結局、痛みを我慢して、共演者やスタッフには黙って舞台に出ました。公演の終盤には、さすがに白状しましたが」
ここ数年、何度かけがをしたり、体の調子を崩したことがあって、草笛さんはその都度、お医者さまから念を押されてきたことがあります。
「『草笛さんはどうしても外見が元気そうに見えるから、みなさんから元気ですねと言われるでしょうけれど、それをいい気になって聞いてちゃいけない』と。
体は80年以上生きてきて、しかも舞台でいろんな無理をして、以前と同じように丈夫であるはずがないんですよね。『だから体が悲鳴を上げたのだ。それをよく頭に入れて、激しく動くときは気をつけなさい!』と、きつく注意されちゃいました。
それに、舞台の上では孤独だから、自分と、この体一つが頼り。常に一生懸命です。身をていして演じ切ります。俳優とはそういうものだと思うし、これから先もそうしていきたい。
そんな自分のために、舞台が終わったら食べるものに気を付けたり、体を大事にしたり、お付き合いの仕方を見直したり、普段の過ごし方に少しブレーキをかけることを覚えました。
最近、草笛光子といえばトレーニング、というくらい、芸のことより筋トレや体のことを聞かれるのですが(笑)、今は骨折中に落ちた筋力を取り戻すのに、少々焦っています。
特に体幹(体の軸)ね。この年齢で一番怖いのは転ぶこと。転ばないためにも体幹はしっかり鍛え直さないと」
筋肉がつくと体が軽くなるし、食欲も湧くし、頭もさえるし、いいことずくめ、と草笛さん。何年も変わらず、毎日の一人ストレッチと、週に1回、腰に8kgの重りを巻いてスクワットをするなどの2時間筋トレは続けています。
「負荷を減らすどころか、トレーナーからは『もうちょっと重くしましょうか』と言われます。トレーニングは限界ぎりぎりのところまでやっておくと、いざ舞台に立つとき、余裕を持って臨めます。アスリートみたいでしょ。というかアスリートなの。
でも、自分を痛めつける前にちょっとブレーキをかけるのが、今の私流です」
草笛光子さんの無理をしないためのブレーキ3か条
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