自分らしさを探しても
答えは見つからない
第1回でお話ししましたが、35年近い公務員生活を経て、57歳で大学という新しい世界に飛び込んだときは、不安と自信のなさでいっぱいでした。今、当時の私と同じように、50代以降の人生後半期をどう生きたらいいかと、不安や迷いを抱えている女性も多いのではないかしら。
この年代に必要なのは「覚悟」ではないかと思うんです。
例えば50歳の女性の場合、平均余命は約40年。余生としてのんびり過ごすには長すぎる後半生が待っています。しかも残念なことに、日本の国力は衰え、経済的にも厳しい時代に入って、長い老後を好きなことだけして過ごすことは、もはや不可能に近い。
だから50代以降も、もちろん定年後だって、働くのは当たり前。少なくとも70代は働き続けるという覚悟が絶対に必要だと思います。私は今77歳ですが、定年退職を意識したことはありません。働ける限り働こう、それが当たり前だと思っています。