一つ一つは特別ではなくても
手持ちの得意技を組み合わせると
自分ならではの仕事ができるものです

昭和女子大学の総長であり、ベストセラー『女性の品格』の著者としても知られる坂東眞理子さん。定年を迎える女性社員、セカンドステージを生きる女性たちへ、70代の今も現役で働く坂東さんが自身の経験から贈る真摯なアドバイス。特別インタビュー第4回。

自分らしさを探しても
答えは見つからない

第1回でお話ししましたが、35年近い公務員生活を経て、57歳で大学という新しい世界に飛び込んだときは、不安と自信のなさでいっぱいでした。今、当時の私と同じように、50代以降の人生後半期をどう生きたらいいかと、不安や迷いを抱えている女性も多いのではないかしら。

この年代に必要なのは「覚悟」ではないかと思うんです。

例えば50歳の女性の場合、平均余命は約40年。余生としてのんびり過ごすには長すぎる後半生が待っています。しかも残念なことに、日本の国力は衰え、経済的にも厳しい時代に入って、長い老後を好きなことだけして過ごすことは、もはや不可能に近い。

だから50代以降も、もちろん定年後だって、働くのは当たり前。少なくとも70代は働き続けるという覚悟が絶対に必要だと思います。私は今77歳ですが、定年退職を意識したことはありません。働ける限り働こう、それが当たり前だと思っています。

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