テレビの仕事は仮の姿、
いつか結婚して主婦になると
27歳のとき、朝の情報番組にレポーターとして初めて出演し、その後、「情報デスクToday」という情報番組でアシスタントを6年務め、続いて今は亡き筑紫哲也(ちくし・てつや)さんがキャスターをされていたTBS「NEWS23」のサブキャスターを2年間務めました。
自分の悩みなんて
“どれほどのもんじゃ”と思っている方が
結局、自分もラクになれるんです。
30年続く対談連載や小説をはじめテレビなどで活躍している阿川佐和子さん。第2回は、思わぬ形で仕事に役立った”鈍感力”について。そして、どうにもできない不安やストレスを軽やかに乗り越えるための自分の感情への向き合い方ついてお聞きしました。
27歳のとき、朝の情報番組にレポーターとして初めて出演し、その後、「情報デスクToday」という情報番組でアシスタントを6年務め、続いて今は亡き筑紫哲也(ちくし・てつや)さんがキャスターをされていたTBS「NEWS23」のサブキャスターを2年間務めました。
たまたま単発でテレビの仕事が舞い込んできて、たまたまこの世界に足を踏み入れたという感覚だったので、30代までは「これは仮の姿で、そのうち結婚して辞める。専業主婦になって子育てするんだ」という気持ちが常にありましたし、生涯、テレビの仕事で生きていきたいなんて思ってもいませんでした。
だから、あの頃は本当によく怒鳴られました。
なにしろ、会社勤めをしたこともない、世間のことを何も知らない、現場を踏んだこともない人間が、「次は気になるアゼルバイジャン情報をお伝えします」なんて言ってね。アゼルバイジャンってどこにあるの?と、本番の1時間ほど前にあわてて勉強していたようなレベルだったんです。それで、なんでクビにならなかったのか、今でも不思議です。