アナザーアドレス:憧れのブランドを手軽にレンタル

百貨店初のファッションサブスク、人気の秘密は⁉

公開日:2022.05.31

百貨店初のファッションサブスク「AnotherADdress(アナザーアドレス)」。ハイブランドのアイテムも揃うとあって、利用まで1か月待ちの人気。気軽に購入するのはためらいがちな憧れのブランドを自由に着回せるサービスについて、詳しく紹介!

大丸松坂屋百貨店が展開する月額のファッションレンタルサービス「AnotherADdress(アナザーアドレス)」
大丸松坂屋百貨店が展開する月額のファッションレンタルサービス「AnotherADdress(アナザーアドレス)」

高級アパレルを毎月3着、クリーニングも不要

大丸松坂屋百貨店が展開する「アナザーアドレス」の利用料は、月額1万1880円(税込)。毎月3着好きな洋服をレンタルできてクリーニングは不要、往復の送料もかかりません。

現在、参加しているのは113ブランド。マルニ(MARNI)やWeekendMaxMara(ウィークエンドマックスマーラ)、アドーア(ADORE)、セオリー(Theory)といった名前を聞いただけでときめくようなデザイナーズやコンテンポラリーブランドが揃っています。

AnotherAddress取り扱いブランド

そもそも老舗百貨店がなぜレンタル事業を展開するのかも気になるところ。大丸松坂屋百貨店のDX推進部でアナザーアドレス事業責任者を務める田端竜也さんと同部の窪川有咲さんにお話を伺ってきました。

百貨店ならではのラインナップが好評

2021年3月にサービスを開始した「アナザーアドレス」。当初想定した会員数1000名に対して、2022年5月現在の会員数は8000名にも上り、登録しても利用までに1か月待たなければならないほどの人気です。

「物を売って成長してきた百貨店も、大量廃棄を前提としないサステナブルな仕組みの導入が求められています。また百貨店が取り扱うハイブランドにあまり関心を向けてこられなかった方や、コロナ禍で来店の機会が減ってしまった方に、“洋服との新たな出合い”を創出したいと立ち上げたのが、アナザーアドレスです。これまでの洋服レンタルサブスクでは着ることのできなかった、百貨店ならではのラインナップに大変好評をいただいています」と話す田端さん。
 

AnotherAddress

いつもとは違う着こなしも、レンタルなら気軽

洋服との新たな出合いの楽しさを提案するだけあって、「アナザーアドレス」の利用者は、着回しよりも、冒険する人が多いのだそう。窪川さんによると、「販売では手持ちの服に合わせやすいシンプルな洋服が人気ですが、レンタルでは大胆な柄物だったり、クリエイティブなデザインの服もよく利用されます。いつもとは違う着こなしをして、周囲の反応を楽しむ人も多いようです」。

利用者の中心は40代半ば、子育てが一段落して自分なりのおしゃれが楽しめるようになった世代です。とはいえ大学生の子どもなどを抱えていれば教育費がいちばん重くのしかかってくるのも40代半ば以降。独身時代のような服飾費がかけられるという人は少ないはず。だからこそ、メリハリをつけて服の楽しさを目いっぱい味わおうと考えるのかもしれませんね。

さらにレンタルした洋服が気に入れば、買うこともできるのが「アナザーアドレス」。割引率はレンタル回数に応じて10%から最大70%だそうで、似合うかどうかをしっかり試してから決断できることも考えると、かなりお得です。

AnotherADdress

収納や廃棄の心配も減らせる

「アナザーアドレス」のサイトでは、洋服をシャツやスカートといったカテゴリーやサイズで検索できるだけでなく、活用シーンでも選ぶことができます。例えばパーティやフォーマルといったシーンで絞り込めば、結婚式や卒入学式などに出席する際に必要な服・バッグ・アクセサリーといったアイテムを簡単に探せます。またザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)など人気のアウトドアブランドも取り扱っているので、旅先でちょっとトレッキングに参加、なんていうときの服探しも便利です。

環境への配慮やクローゼットの管理を考えると、特別なときにしか着ない洋服まで所有するのはストレスになりがち……。「アナザーアドレス」はおしゃれを諦めることなく、みんなで洋服をシェアすることで廃棄を減らせるといった点でも重宝なサービスです。

AnotherADdress

大丸松坂屋百貨店 DX推進部の田端竜也さん(左)と窪川有咲さん

 

大丸松坂屋百貨店 DX推進部の田端竜也さん(左)と窪川有咲さん

さらに特集コーナーがあるのも、ファッション好きにはうれしいところ。季節ごとに更新されるコーナーでは、春であれば“SPRING OUTER”、“オトナパステル”といったページが登場。環境への負荷が気になる人に向けた“森と自然とつながる服”と題した天然木材由来の繊維で作られた洋服のページもあります。

用途から選ぶだけではなく、季節や環境に配慮したコンセプトのファッション提案があると、より洋服選びが楽しくなります。

「アナザーアドレスの事業コンセプトは、”FASHION NEW LIFE”。人を元気に楽しくするファッションの力と、環境や社会にとっても持続可能な生活スタイルを融合させた新しい体験を生み出すことです」と田端さん。

高級アパレルをお得に着回せる洋服サブスクは、スタイリッシュなファッションを楽しむことで自信が付いたり、新たな自分を発見したり、さまざまな体験を提供してくれそうですね。

■もっと知りたい■

新たな洋服との出合いが日常に彩りを

時津木春

1971年生まれ。編集プロダクション、出版社勤務を経てフリーランス。ファッション誌の執筆からビジネス書の編集まで、旺盛な好奇心を糧に幅広く活動。男女2児の母で思春期の子育て真っ盛り。東京西部の山育ち、植物好き。

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