いま話題のファッションレンタルがファッション迷子を救う?

2023年10月05日

女性のライフスタイルを豊かに、ワクワクを増やしたい

お似合いの洋服をプロがお見立て!エアークローゼット

年齢を重ねると迷いがちになる洋服選び。あなたにお似合いの洋服をプロスタイリストが選んでくれる話題のファッションレンタル「エアークローゼット」。代表の天沼さんに、サービスを思い立ったきっかけや今の利用シーンについてお話を伺いました!

プロのスタイリストが見立てた「自分に似合う服」が届く!

「50代に入ると、加齢とともに、体型が変化したりトレンドがわからなくなったりして、ファッションが楽しめない」。そんなとき頼りになるのが、プロのスタイリストが見立てた自分に似合う服が届くというファッションの月額制レンタルサービス「airCloset(エアークローゼット) 」。

服をシェアすることで自分のファッション悩みを解決し、無駄な廃棄も減らすことができて地球にも優しい、一挙両得なサービスとは一体どんなものなのでしょうか?

「airCloset」では、約50項目の質問に答えてファッション診断を受けると、プロのスタイリストが好みや体型にピッタリな服をスタイリングしてくれます。

1回に届くのは例えばブラウス2点とスカート1点など、トップスとボトムスの組み合わせとプラス1着。月額制でレギュラープランなら1万800円(税込)、回数の制限はなく返却するたびに新しい洋服3点と交換できます。

取り扱うブランドは300以上、「23区」や「Mila Owen」といった大手百貨店やファッションビルで取り扱いのある洋服ばかりなので、お値打ち感はかなりあります。

「女性のライフスタイルを豊かに、ワクワクを増やしたい」がビジネスの原点

2014年に創業、今では会員登録者数が70万人を超えた「airCloset」。エアークローゼットの創業者で、代表取締役社長兼CEOの天沼 聰さんはITコンサルティング会社出身で、もともとファッション業界に直接的なつながりはなかったのだそう。

ではなぜ日本初となるファッションのレンタルサービスを立ち上げたのかというと、「多忙な女性たちのライフスタイルを豊かに、ワクワクする時間を増やしたかったから」とのこと。天沼さんの奥様も育児に追われるようになると洋服探しに時間をかけられず、おしゃれを楽しむ余裕がないとぼやくことがあったのだとか。

プロに任せられるアウトソースの仕組みがあれば時短にもなる、さらに自分では選ばないような洋服との出合いも生まれ、慌ただしい日常でもファッションというトキメキが増える」と考えたのだそうです。

顧客とスタイリストのコミュニケーションを大切に

「airCloset」の大きな強みの一つは「スタイリスト」の存在。
技術が日々発展している現代ですから、AIなどで代替できれば手間を省けてより安くサービスを提供できるのでは?と想像もしますが、コストや手間の削減よりも、お客さまにいかにワクワクする体験をしてもらうかを大切にしているからこそ、と天沼さん。スタイリストのプロフィールはキャリアだけでなく趣味なども記載し、その人柄がよく伝わるようになっています。

さらに好評なのが、洋服と一緒に届くスタイリストからのメッセージ。今回の洋服を選んだ理由や着回し方など、これまでお客様から届いたリクエストや感想を踏まえて書かれており、丁寧できめ細やかなアドバイスが人気です。

こうした一人一人に合わせたサービスはスタイリストには負担が多いようにも思えますが、そこは日本の代表的なファッションテック。スタイリストが利用する洋服を選ぶシステムは可能な限り効率化されていて、「お客様が一度借りた服や気に入らなかったタイプの服はシステム側で弾いたり、お住まいの地域による気温差を考えて洋服が表示されるようになっています」(天沼さん)というから驚きですね。

「airCloset」のファッションレンタルでは返却期限を設けていないのも特徴の一つ。手元にある服を返したら次の服が届くので、新しい服が着たいと思ったときに自分なりのペースで利用することができます。

日常を豊かにするためのサービスなので、返却期限がストレスになるのは避けたかった」と天沼さん。洋服のクリーニングを基本サービスとし、洗濯せずに返せるようにしたのも同じ理由だと言います。

所有しないから、捨てることに悩まなくて済む

物の片付け・断捨離を、衣服の整理から始める人は多いでしょう。とはいえ洋服は、またいつか着られるかもしれないと思いがちで、思い切って処分するのは難しいですよね。会員全員で洋服をシェアするファッションのレンタルサービスは、所有しないからこそ、捨てるという行為に悩まされることがないのもメリット。

さらに「airCloset」は、衣服廃棄ゼロの仕組みを確立させています。天沼さんによると「レンタル提供が終了した洋服は会員向けのセールなどで販売。破損など着られなくなった洋服は、2022年2月から家具やディスプレイなどに使われるリサイクルボードの原料にしており、廃棄ゼロを実現した」のだそうです。

洋服を廃棄することによる環境負荷は大きく、環境省の調査によると、ゴミとして焼却・埋め立て処分される洋服は一日あたり大型トラック約130台分にも上っています(出典:環境省「サステナブルファッション」)。資源回収に出したとしても古着として海外へまた輸出されたりすることも考えれば、輸送に使われるエネルギーも気になります。

持続可能な未来へとつなげることを考えれば最初からゴミは減らしたいもの。自分に似合う人気の洋服が楽しめる上、環境負荷を減らすエシカルな選択にもなるファッションのレンタルサービスが、広い世代に受け入れられつつあるというのは、確かに納得できますよね。

50代以降向けのブランド洋服やサービスも強化

さて、気になる今後の展開ですが、天沼さんによると「50代以上の方が好まれるブランドの品揃えの充実は力を入れているところですし、ジュエリーやファッション小物などのアクセサリーのレンタルも視野に入れています」とのこと。矢継ぎ早に新しい取り組みやサービスを展開してきた「airCloset」だけに、今後の動きからも目が離せません。


※この記事は、2022年4月公開の記事を再編集して配信しています。記事中のサービス料金は2024年3月現在のものです

時津木春
時津木春

1971年生まれ。編集プロダクション、出版社勤務を経てフリーランス。ファッション誌の執筆からビジネス書の編集まで、旺盛な好奇心を糧に幅広く活動。男女2児の母で思春期の子育て真っ盛り。東京西部の山育ち、植物好き。

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