重曹・セスキ・クエン酸・レモンで頑固な汚れスッキリ

電子レンジの4つの掃除方法丨チンして拭くだけ簡単!

公開日:2021.11.28

更新日:2022.06.01

電子レンジの掃除は悩みや汚れに合わせて、最適な洗剤や掃除アイテムを使うことがポイント。重曹・セスキ炭酸ソーダ・クエン酸・酢・レモンなど身近なもので庫内の食品カスや油汚れ、水垢、焦げ付きはきれいにできます。気になる臭いもスッキリ!

電子レンジが汚れる原因

電子レンジが汚れる原因

気づいたら汚れてしまっている電子レンジ。掃除を始める前に、電子レンジの汚れの正体を知っておくと、掃除で重要なポイントがわかります。ここからは、電子レンジが汚れる原因を見ていきましょう。

食品カス・油汚れ・焦げ付き

電子レンジの汚れの大きな原因は、食品カス・油汚れ・焦げ付きなどの「酸性」の汚れです。

電子レンジは、食品に含まれる水分子を振動させることで熱を作り出して、温めています。温めるとき、食品に含まれる油分やタンパク質、糖分などが電子レンジの庫内に飛び散ることで、庫内は少しずつ汚れていっているのです。

これらの汚れは電子レンジを使うたびに加熱され、焦げ付くことで頑固な汚れとして電子レンジの側面や天井部分、ターンテーブルなどにこびりついてしまいます。

水蒸気による水垢

食品には水分が含まれているため、温めると水蒸気が出ますが、これが水垢になります。水垢は蓄積すると落としにくくなってしまうため、こまめなお手入れが大切です。

食品カス・油汚れ・焦げ付きなど酸性の汚れに対し、水垢は「アルカリ性」の汚れになります。電子レンジは酸性の汚れとアルカリ性の汚れが混ざっているため、放置していると掃除が大変になってしまうことも少なくありません。

カビ

電子レンジで食品を温めたときには水蒸気が出ますが、扉を閉じたままにしておくと庫内が湿った状態になり、食品汚れからカビが発生しやすい状態になります。

食品を温める電子レンジがカビで不衛生な状態にならないよう、定期的な掃除が必要です。

電子レンジを掃除せずに汚れたままにしておくどうなる?

電子レンジを掃除せずに汚れたままにしておくどうなる?

電子レンジの汚れを掃除せずに汚れたままにしておくと、いくつものデメリットがあります。

汚れが焦げ付き掃除がしにくくなる

電子レンジの庫内に食品汚れが飛び散ったまま放置して使い続けると、汚れが焦げ付いて硬くなり、掃除がしにくくなります。

また、電子レンジの故障の原因や、汚れが温まりすぎて発火して火災につながる恐れも。

熱効率が悪くなり電気代が余計にかかる

電子レンジの庫内にこびりついた食品汚れがあると、その部分にも熱が分散します。温めたい食品に熱が集中せず、熱効率が悪くなって電気代が余計にかかってしまうのです。

「最近電子レンジが温まりにくくなったかも……」と感じたときは、もしかしたら庫内の汚れに熱が分散している可能性があるため、掃除をするといいでしょう。

悪臭やカビの発生

電子レンジ庫内の食品汚れから雑菌やカビが発生すると、悪臭の原因に。電子レンジは食品を温めるものなので、きれいな状態を保つことが大切です。

悩み・汚れ別!電子レンジの掃除方法

電子レンジを掃除するときは、気になる悩みや汚れに合わせて最適な掃除アイテムを使うと、汚れが落としやすくなります。

普段、食器洗いなどで使っている中性洗剤は「中性」なので、酸性やアルカリ性の汚れを中和することはできません。

酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤、アルカリ性の汚れには酸性の洗剤と、汚れの成分と真逆の性質を持った洗剤を使い、中和させてきれいにするのがポイントです。

食品による汚れに「重曹」「セスキ炭酸ソーダ」

食品による汚れに「重曹」「セスキ炭酸ソーダ」

食品汚れ・油汚れ・焦げ付きという酸性の汚れには、アルカリ性の「重曹」もしくは「セスキ炭酸ソーダ」を使いましょう。

【準備するもの】

  • 重曹水またはセスキ炭酸ソーダ:大さじ1
  • 水:1カップ
  • 布巾、キッチンペーパーなど
  • 耐熱容器

重曹とセスキ炭酸ソーダ、どちらを選んでもいいですが、以下のような違いがあります。

  • セスキ炭酸ソーダ
    重曹よりもアルカリ度が強い(重曹はpH8.2ほど、セスキ炭酸ソーダはpH9.8ほど)ことが特徴。洗浄力が高いため、しっかり汚れを落としたいならセスキ炭酸ソーダがおすすめ
  • 重曹
    研磨効果もほしいなら、重曹がおすすめ。セスキ炭酸ソーダは水に溶けやすいため研磨剤としては使いにくい。なお、重曹は加熱するとpH10ほどに上がるため、加熱の手間を惜しまないのであれば重曹の方が多くの汚れに対応しやすい

パンやクッキーなどのお菓子の材料として使われる「ベーキングパウダー」にも重曹が含まれていますが、粒子がとても細かいため、研磨作用は弱くなります。また、ベーキングパウダーにはコーンスターチなども入っており、洗浄効果は重曹に劣るでしょう。重曹は100均などでも手に入るので、掃除用の重曹を使うのがおすすめですよ。

1:重曹水もしくはセスキ炭酸ソーダ水を作る

耐熱容器に分量通りの重曹もしくはセスキ炭酸ソーダ、水を入れて、電子レンジ600Wで5分チンしましょう。

2:加熱後は扉を閉めたまま15分前後放置

電子レンジ掃除のときは、加熱後に扉を閉めたままにしておくことがポイント。そうすることで重曹水やセスキ炭酸ソーダ水が庫内に引き渡り、焦げ付いて硬くなった汚れを浮き上がらせる効果があります。

3:布巾などで汚れを拭き取る

汚れが十分に浮き上がったのを確認したら、やけどに注意しながら耐熱容器の中に入っている重曹水・セスキ炭酸ソーダ水に布巾を浸して軽く絞りましょう。このとき、絞り過ぎずに水分を残しておきましょう。

電子レンジの側面や天井、ターンテーブルの汚れをきれいに拭き取っていきます。水分によって汚れが柔らかくなっているため、ゴシゴシこすらずに汚れを落とせますよ。

ターンテーブルが取り外し可能なタイプであれば、取り外してキッチンのシンクで中性洗剤などを使って洗いましょう。

4:水拭きと乾拭き

汚れがきれいに落ちたら、電子レンジの庫内を水拭きして、仕上げに乾拭きで水分を拭き取って完了です。

水垢汚れに「クエン酸」「酢」

水垢汚れに「クエン酸」「酢」

スチーム機能があるレンジは、水垢が発生しやすいです。水垢はアルカリ性の汚れのため、「クエン酸」「酢」が活躍します。酢のツンとした臭いが苦手という人は、クエン酸を使うといいでしょう。

【準備するもの】

  • クエン酸または酢:大さじ1
  • 水:1カップ
  • 布巾、キッチンペーパーなど
  • 耐熱容器

1:クエン酸水もしくは酢水を作る

耐熱容器に分量通りのクエン酸もしくは酢、水を入れて、電子レンジ600Wで5分チンしましょう。

2:加熱後は扉を閉めたまま15分前後放置

電子レンジの扉を閉めて水蒸気を庫内に充満させることで、硬くなった汚れを浮き上がらせましょう。

3:布巾などで汚れを拭き取る

やけどに注意しながら、布巾やキッチンペーパーを使って電子レンジの庫内を拭き、水垢をきれいにしていきます。水垢は蓄積すると簡単には落ちなくなってしまうので、一度で落としきれなかった場合は数回繰り返しましょう。

4:水拭き

仕上げに電子レンジの庫内を水拭きして完了です。クエン酸の場合は軽く拭き取るだけでOKですが、酢には糖分が含まれているため、ベタつきが残ることがあります。酢を使った場合は、しっかり仕上げの水拭きをしましょう。

臭いが気になるときは「レモン」「オレンジ」

臭いが気になるときは「レモン」「オレンジ」

電子レンジから嫌な臭いがする、臭い取りをしたい、というときはレモンやオレンジを使いましょう。レモンに含まれている「リモネン」には消臭効果があり、電子レンジの嫌な臭いを消臭できます。

リモネンは柑橘類に含まれているので、レモン、オレンジの他にもみかん、グレープフルーツ、ゆず、ライムなどでもOK。傷んだものや賞味期限切れで食べられないものを掃除に活用しましょう。

【準備するもの】

  • レモン半分
  • 水:1カップ弱
  • 布巾、キッチンペーパーなど
  • 耐熱容器

1:レモン水・オレンジ水を作る

耐熱容器に水1カップ弱を入れ、レモン半分の果汁を絞ります。絞った後のレモンの皮も入れ、電子レンジ600Wで5分チンしましょう。

オレンジなど糖分の多い柑橘類を使用する場合は、ベタつかないように皮のみを使用するのがおすすめです。

2:加熱後は扉を閉めたまま15分前後放置

電子レンジの扉を閉めて水蒸気を庫内に充満させることで、硬くなった汚れを浮き上がらせましょう。

3:布巾などで汚れを拭き取る

汚れがなく消臭のみであれば、拭き取らずに終了でもOK。汚れがある場合は、火傷に注意しながら布巾にレモン水を浸し、電子レンジの庫内を拭き掃除します。ひどい汚れは、レモンの皮でこするとさらに効果的です。

掃除も消臭もできるので、レンジの臭いが気になるときにおすすめの方法です。

頑固な焦げ付きは「歯磨き粉」

頑固な焦げ付きは「歯磨き粉」

拭き掃除や重曹による研磨だけでは落ちない頑固な食品カスの焦げ付きには、歯磨き粉といらなくなった歯ブラシを使います。

【準備するもの】

  • 歯磨き粉(研磨剤入りのもの)
  • いらなくなった歯ブラシ
  • 布巾、キッチンペーパーなど

1:歯ブラシに歯磨き粉をつけて、汚れをこする

部分的な焦げ付き部分を歯ブラシでこすっていきます。強くこすると傷がついてしまう可能性があるため、優しい力でこすりましょう。

2:汚れを拭き取って、水拭き&乾拭きで仕上げ

きれいになったらキッチンペーパーなどで歯磨き粉で研磨した部分を拭き取って、仕上げの水拭きと乾拭きで仕上げて完了です。

電子レンジの理想の掃除頻度は?

電子レンジは、可能であれば使って汚れたらそのときに掃除をするのが一番です。しかし、それが難しい場合は1週間に一度を目安に掃除すると、きれいな状態を保ちやすいでしょう。

電子レンジをきれいに保つコツ

電子レンジをきれいに保つコツ

電子レンジをせっかくきれいに掃除したら、なるべくそのままの状態を保ちたいものですよね。ここからは、電子レンジをきれいに保つコツをご紹介します。

汚れたらすぐに拭き取る

電子レンジの汚れは、使う度に蓄積して硬くなったり、焦げ付きになったりします。汚れが硬くなると掃除がしにくくなるため、食品が飛び散ったらそのときに拭き取るようにしましょう。焦げくさい臭いが発生するのも防げます。

ラップを使って食品の飛び散りを防ぐ

食品によっては、破裂や突沸(瞬間的に沸騰すること)によって電子レンジ内に飛び散ることがあります。ラップを掛けて、食品の飛び散りを防ぎましょう。

また、一度に長時間温めすぎないことも飛び散りを防ぐ対策の一つです。

電子レンジ掃除の注意点

電子レンジの掃除は、加熱してから行うことで汚れが取れやすくなりますが、やけどには十分注意する必要があります。庫内が冷めないうちに掃除をするとやけどの危険もあるため、冷めたことを確認してから掃除を始めましょう。

また、電子レンジの掃除に使用できない洗剤や掃除アイテムもあります。

  • メラミンスポンジ
    傷がついてしまう可能性がある
  • シンナーやベンジン、スプレー式洗剤、住宅・家具用合成洗剤
    色が剥げる、傷がつくなどの可能性がある

上記のようなものは、電子レンジ掃除のときには使用を避けてください。

電子レンジは悩みに合わせた方法できれいにお掃除!

電子レンジの汚れは酸性とアルカリ性の汚れが混ざった複合的なものであり、食器洗い用の中性洗剤ではなかなか落とすことができません。

そんなときは、重曹、セスキ炭酸ソーダ、クエン酸、酢、レモン、歯磨き粉などを使って掃除をすると、電子レンジをきれいにできますよ。どれも体に害を与えない素材なので、電子レンジという食品を温める調理家電のお掃除にも安心。ご紹介した方法を参考に、電子レンジのお掃除をしてみてください。

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