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- 読書の秋にこの6冊(前編)
長年の謎が解けることもある本との出会い。
『1421―中国が新大陸を発見した年』
ギャヴィン メンジーズ 著 ヴィレッジブックス 刊
小学生の時に「コロンブスは未知の海に乗り出し、アメリカ大陸を発見。そこがインドだと思い、現地の人をインディアンと呼びました」という一文を読んでモヤモヤしたものです。
その頃ヨーロッパ人は天動説を信じ、世界は平らで海の端は滝のようになっていると信じていました。そんな危ないところに漕ぎ出すなんて勇者かバカですし、「そこがインドだと思い」ということはインドがあることは知ってたんじゃ未知でもないよな……と。
そして50年後、その謎が解けたのです。
コロンブスは地図を持っていて、航海日記にも「そろそろ陸地が見えるはず」と書いていた事。不安になる乗組員に見せた「コロンブスの卵」のエピソードなどなど。
では、その世界地図を作ったのは誰か?
これ「世界ふしぎ発見」で放送されました。ずいぶん前ですけど。それですぐ本を買って、なるほどと謎が解けた次第。
でも残念ながら、ウィキペディアによると今ではこの本が偽史扱いだそうです。
『一万年の旅路 ネイティヴ・アメリカンの口承史』
ポーラ アンダーウッド 著 翔泳社 刊
もう一つは人類がベーリング海を渡ってアメリカに渡った時、海の向こうに何があるのかどうやって知りえたのかという謎。
ネタバレですが、部族の中に「巫女」がいて、透視でビジョンを観ていたらしいです。
学校で習った「稗田 阿礼」はこういう人。決して記憶力が良い人ではなく、一種の催眠状態で記憶していたことなどがわかりました。
そういえば昔アレックス・ヘイリーの『ルーツ』がベストセラーになりドラマで見た時に、同じようなシーンがありました。作者が自分のルーツを探してアフリカに行き、部族の語り部に質問するのだけど、彼の記憶は一つの長い文のようなもので、切り取って答えることができませんでした。
そこで部族の口承史を朝から聞くのだけど、夜になってやっと「クンタ・キンテが誘拐された」という部分が出てくるところ。稗田 阿礼は世界中にいたってこと?
『人間臨終図巻』
山田風太郎 著 徳間書店 刊
図書館の棚で見つけた時には、まだ「死」など無関心だった年頃。しかし今は近い現実として、先人たちの死にざまを学ぶ一冊(2巻あるけど)。
古今東西の有名人たちの臨終のさまざまな形がわかって興味深いです。
自分ならどう死ぬのが理想的かと考えながら読むと、違う見方ができます。私は死に際に和尚が枕元で読経して、終わったところで命果てた例が心に残りました。
メメント・モリ(死を忘れるな、いつか自分も死ぬことを忘れるな)
だから今日を大切に。
(後編へ続く)
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