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- 年金のわからない点を調べ、自分なりに理解する
自分にとって必要な情報をしっかりと調べるのが得意なひよっこさんが、お金や年金に関することを自身の経験を通してつづります。第4回は、年金に関する情報収集の仕方と自分で調べた情報を基にした年金制度の解釈についてです。
年金に関する情報収集について
これまで、年金の受け取り方などについて書いてきました。今回は、順序が逆になりますが、年金についてわからなかったことや、どのようにして調べたのかなどについて書いてみたいと思います。
年金は、老後に一番頼りになる大切な収入ですが、若い頃は、退職したら必ずもらえるだろうと思ってあまり考えることはありませんでした。それで、年金がもらえる年齢に近づいて、調べていくにつれて知らなかったことが多いと気が付きました。
年金制度については、情報が変わることが多いような気がしていたので、書籍ではなく、インターネットで検索してみました。「年金」というキーワードで検索すると、たくさんの情報がヒットしました。
インターネットで知った情報の中でも一番インパクトがあったのは、「自分たちの世代では、払った保険料が戻ってこない。受け取れる年金額が、払った保険料より少なくて損をする」という話でした。極端なものでは、将来年金財政が破綻してしまうというようなものもありました。
私は年金財政は少子高齢化によって、入ってくる保険料の総額が減少してはいるが、政府が税金をつぎ込んで支えているので、破綻することはないだろうとは思いました。しかし、本当のところはどうなんだろうと思いました。
その次に気になったのは、今の受給者と現役世代では、給付される年金額に大きな差があるというものでした。現在の受給世代と将来の受給世代(今の現役世代と若者層)には世代間格差があるということです。これらの話は、感覚的に納得できるものでした。
私の母は、年金の掛け金が非常に低いときに加入して、「こんなにもらえてありがたい」とよく言っていました。しかし、私は(母がいくらもらっていたのか知りませんが)高齢化社会になり、受給者が多くなっているので自分自身は多くもらえるとは思えませんでした。
現在がこういう状態ですから、現在の若者層が年金に対して懐疑的になるのも無理はないかなと思います。
私が目にした記事の中には、年金が危ないという危機感を増大させて、生命保険など安心できる制度に加入しましょうという誘導的な記事も目立ちました。投資信託や外貨預金などで、財産を増やしましょうというのもありました。これらはいずれもリスクのある商品なのですが、年金が危ないとなると、自分でお金を生み出す他ないという気にもなります。
最終的には、公式情報の厚生労働省が出している年金に関する記事が一番信頼できるのかなと思いました。役所の出している記事は堅くてわかりにくいのではないかと思ったのですが、私のような年金がよくわからないという人のためにわかりやすく説明されていました。
年金制度について自分なりに考える
次に、厚生労働省の記事「いっしょに検証!公的年金」の説明を基に、年金制度について自分なりに考えてみたことをお伝えします。
まず、「受け取れる年金額は支払った保険料より少なくなる可能性がある」という話についてです。これについては、そもそも年金の一番のメリットは、安心して生活できるという保障であり、損か得かの議論には当てはまらないと記事には書いてありました。
個人で加入する年金や保険は、自分が積み立てたお金を運用して将来に備えますが、公的年金はこのような積み立て方式ではなく、「賦課(ふか)方式」であるのだそうです。
「賦課方式」とは耳慣れない言葉ですが、現在の日本の年金制度は、今の現役世代が納付した保険料がその時の公的年金の主な財源となり、受給者に配分されるという仕組みになっています。いわば世代を超えて社会全体で支え合うという仕組みで、これは医療制度と同じ考え方です。
私たちは、国民健康保険や組合健保に保険料を支払っています。こうした公的医療制度では、自分がけがをしたり、病気にならないと、医療費の給付を受けられません。いつ病気やけがをするかわからないので、万が一のことを考えて安心できるというメリットがあります。ですので、病気やケガをしなくても、自分が損をしたとは考えないと思われます。
年金制度もこれと同じで、損得の話ではないということがいえる、という説明でした。確かにこの説明である程度納得はできましたが、やはり引っかかるものがありました。
確かに安心できるのはいいことですが、受け取れる金額が多い方がいいに決まっています。
それと、自分の支払った保険料が自分のために使われないということにも抵抗がありました。ただ、説明によると、積み立て方式の場合、将来の経済情勢によって金利が下落すると、大きな損を被るかもしれない。過去の欧米諸国でも、年金制度は初めは積み立て方式であったのが、次第に賦課方式になっていったということでした。
次の、世代間の格差については、このような説明がありました。
年金の世代間格差について
現在の受給世代が若かった頃は、公的年金も今ほど多くの人が受給していたわけではなく、受給していたとしても金額は少なかったと思われます。また多くの人が自分の収入から親を扶養していました。現在の受給者が保険料として納付している金額は、現在と比べ少ないですが、それに加えて、私的な親の介護の負担がありました。
また保険料の負担も、戦後経済が混乱する中、公的年金は当時の人々の負担能力を考慮し、それに見合う額としていました。
その後、段階的に保険料を引き上げていったわけですが、今ほどは生活水準が高くなく、保険料が低くても、生活費に占める割合で考えるとかなりの負担であったことが考えられます。
一方、今の現役世代は、保険料の水準は高くなったが、同時に生活水準が向上し、保険料の負担能力は高くなっている。現役世代は、保険料を納めることで、親の生活を心配することなく生活することができ、高齢者は公的年金によって自分の子どもに過度の負担をかけずに経済的に自立した暮らしができる。
総合的に勘案すると、世代間の年金格差のある程度の説明がつくとありました。説明を受けて、なるほどなと思った部分もありますが、なかなか難しい問題だと思いました。
昔は、女性が家事労働をして家にいて、高齢者の介護ができる状態でしたが、今は女性の社会進出により、高齢者を自宅では介護できない状況にあります。
また、昔は隣近所で助け合うということも当たり前でしたが、現在ではそのようなことは少なくなっているように思えます。公的年金制度は、時代の変化により、個人や血縁関係で支え合うというのではなく、社会全体で支え合っていくという生活様式に変化しているのかなと思いました。
次回は、私が今もってよくわからない、「マクロ経済スライド」について書いていきたいと思います。
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