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- 愛とは?恋とは?「ラストラブ」を見て
幼少の頃から読書が大好きな久田さん。今回は本の紹介ではなく、思い出に残っている映画の紹介をしてくれました。主演の田村正和がカッコいいそうです。
田村正和のいぶし銀の演技が光る
2007年、「ラストラブ」(藤田明二監督)で田村正和が14年ぶりに映画に復帰した。
「もう一度未来を信じたい。ニューヨークーこれが最後の恋」というキャッチコピーに乗せられて、久しぶりに奈良の東向町にある映画館へ出掛けた。トイレがきれいになっているのに驚いた。ふたも流れる水も自動になっていた。小さな映画館だけれど、がんばっているのでたまには足を運んであげなくてはと思った。
映画はニューヨークーでサックスプレイヤーとして活躍していた阿川明(田村正和)が、妻・友美(高島礼子)の突然の死をきっかけに、自分のための人生に終止符を打ち、帰国して一人娘の佐和(森伯永依)とひっそりと暮らしているところから始まる。
ある朝、明は、環境局に勤める若い女性、上原結(伊東美咲)に偶然出合う。最悪の出会いをした二人でしたが、ニューヨークで再会した。
結は明の優しさに触れ、同世代の男性とは違った生き方や考え方の明にひかれ始めていた。明は結の気持ちに気付きながらも、これからの人生を生きる彼女に自分は必要ないと考えていた。何よりも亡くなった妻を愛していた。
「もう夢を見ることはない」と決めていた明だったが、結の前向きな明るさと健気さに触れ、次第に明は元気を取り戻し、ジャズへの情熱を思い出していく。
明と佐和の生活に、結も加わり、静かな幸せを感じていたある日、明は「あと3か月の命です」と医者に告げられる。
明は決心した。ステージに立つために単独でニューヨークへ向かった。落ち葉がいっぱいのセントラルパークで明と結は再会する。
究極の愛の形とは
原作はYoshi。原作を書くときから映画化を想定していたとあり、「究極の愛の形」を描いている。映画では恋の素晴らしさや恋の力を感じて欲しいとあった。「究極の愛の形」ってどんな形なのだろうか……。愛と恋、同じようだけれど少し違うのかなぁ。愛は相手への無償の行為であり、恋は相手からも応えが欲しいのかなぁ、などと考えた。
田村正和はカッコよかった。亡き妻への愛を意識してのことなのか、映画の中ではほとんど黒づくめの姿だった。サックス奏者という役どころを見事にこなしていた。あれだけの演奏するには、相当練習を積んだことだろうなぁと思った。
彼は次のように語っている。「愛に年齢は関係ない、むしろ価値観やものの考え方、感じ方が大事だということが伝わればと思います。
つらい運命に翻弄されて死んでいく団塊の世代の男の話でもありますから。生を燃焼し尽くす男の美学を感じていただければ、と思います。でも、あくまでも妻とのラブストーリです。そういったところを多くの方に劇場で感じていただければ役者冥利につきます」と。
彼のこの言葉で作品のすべてが言い尽くされていると思う。
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