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公開日:2025年03月06日
ようこそ読書の森へ(18)
今回は道尾秀介さんの代表作『カラスの親指』です。映画を観てから原作を読みましたが、どちらも素晴らしくて、映画は2回、本は3回も読んでしまいました。
主人公のタケは、ギャンブル好きの同僚の誘いで賭博場に同行し、負けが込んだ男の借金の保証人となってしまいます。やがて同僚は行方不明となり、その借金がそっくりタケにのしかかり、闇金から逃れるために、詐欺を生業として生きるようになります。
その後、人生に敗れたもう一人の男テツと出会い、コンビを組んでさまざまな詐欺を繰り返します。そこに少女が舞い込み、やがて少女の姉とその恋人が転がり込み、奇妙な暮らしが始まるのです。
五人はそれぞれの思いを胸に、大がかりな詐欺を企てます。途中何度もミスリードされ、その度に息をのみますが、伏線を見事に回収、果ては感動の結末にじゎっと涙、あっ、裏表紙に「結末はけっして口外しないでください!」とありましたので、ここまでにしておきます。ぜひ、読んでみてください。
なお、作品のタイトル『カラスの親指』のカラスとは、色が黒いので、プロの犯罪者を指す隠語で、親指は父親の象徴、作中登場する五人の同居人のまとめ役を意味します。
『カラスの親指』の十年後を描いた『カエルの小指』もお勧めです。道尾さんは、いつもこれ以外のエンディングは有り得ないという気持ちで物語を終わらせるので、続編は書かない主義だそうですが『カラスの親指』の登場人物にまた会いたくなったため、書いたそうです。
1975年5月生まれ、兵庫県芦屋市出身
1999年『どうして犬は』が「小説現代」のショートショートコンテストに入選
2002年『手首から先』で第9回日本ホラー小説大賞短編賞最終候補作となる
2004年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞
商社を退職し、専業作家に転身
2007年『シャドウ』で第7回本格ミステリー大賞受賞
2008年『ラットマン』『カラスの親指』が共に評価され、このミステリーがすごい!2009年版で作家別投票第1位に選ばれる
『カラスの親指』で第140回直木賞候補、第30回吉川英治文学新人賞候補
第62回日本推理作家協会賞受賞
2012年『カラスの親指』が阿部寛主演で映画化
2009年『向日葵の咲かない夏』の新潮文庫版が年間83万部売上、オリコン年間本ランキングの文庫部門1位となる
2010年『球体の蛇』で第142回直木賞候補『龍神の雨』で第12回大藪晴彦賞受賞
『光媒の花』で第23回山本周五郎賞受賞 第143回直木賞候補
2011年『月と蟹』で第144回直木賞受賞 賞金は東日本大震災の被災者に全額寄付
2019年『カエルの小指』
その他著書多数
こんなに何度も、直木賞の候補になった作家は、戦後最多記録だそうです。
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