枝元なほみさん 病気を受け入れて見つけた新たな使命
2024.11.262023年11月28日
「老い」を実感―慌てず騒がず受け止めて―
「ステントを取るのは11月30日にしましょう」
2023年10月11日「体外衝撃波粉砕術」3回目の治療を受けました。2回目の治療で腎臓に居座っていた2個の結石が割れていたのでスムーズに排出するようあくまで追加の治療だったはず。それなのに、10月26日治療後の診察で言われたのは……。
親友・息子・夫と私、外気に触れ鋭気を養う
尿意のコントロールの難しさと、「砕けた砂のような物が出ているか?」と便器をのぞき込む毎日のストレスに耐えかねて、親友と息子にSOSを出して10月18日に終の棲家に来てもらいました。
夫手作りの「栗の渋皮煮」とお茶を頂きながらお互いの近況報告をし合い、混雑を避けて遅掛けにお目当てのランチを食べに出掛けました。
目的地までおよそ1時間、琵琶湖東岸をドライブしながらとりとめもないおしゃべりが弾みます。暑い秋に、車の窓を開けて渡る風が心地良い日でした。
「自然から学ぶ」をコンセプトに、自然をそのまま残したり、自然と調和するように屋根に植物を生やして水を流し、オープンエアーの廊下から雨だれが見られるようにしたり、メダカが泳ぐ小川があったりと、私のお気に入りのラコリーナに到着です。
お目当てのランチは、トマトをたっぷり付け合わせて鰹だしを掛けた「オムライス」。平日なのにすごい人出で……オムライスは既に完売。仕方なく屋外のフードコートで「細長いバゲットのピザトースト」と「小豆茶」のランチにしました。
実は、何を食べるかは大した問題ではなく、久し振りに外の空気を吸いながら4人で過ごせたことで、次の診察までの鋭気を養えた事が何よりもうれしかったのでした。
本気の気分転換しないと1か月持たない!
10月26日診察に行きました。ステントを取る計画を立てると信じて。先生はまじまじとレントゲン写真を見ながら「順調に小さくなった石が降りてきていますね。尿管に傷が付くリスクを避けるためステントを取るのは11月30日にしましょう」と仰るではありませんか!!
後1か月以上もこの状態が続く……耐えられません。「先生、11月下旬には2時間以上席を立てない行事があるんです。もう少し早くできないでしょうか?」と私。「それでは、尿意をコントロールする薬を出しましょう」と、いとも簡単に先生。
(エーッ! 早く言って下さいよ)私は心の中で叫びました。「ただし、尿管の蠕動運動を抑える薬なので排出はその分遅くなります」と先生。なるほど、これまで出してくれなかった訳です。
本気の気分転換で1か月分のエネルギーを!
これから1か月以上ステントを留置したまま砕けた石が排出されるのを待つ日々が続くのだと分かって、私はその日の内に心を決めました(そうだ!ログハウスへ行こう!!)。
私の通院、気まぐれな尿意、弾まない心のために夫を巻き添えにしてどこにも出掛けなかった初秋。夏に次女家族が泊まった夏仕様のままになっている事が気になっていました。庭も草ボウボウに違いありません。
民宿を営むお義姉さんが作る新鮮な魚料理も食べたいし、私にとっても「故郷の訛り」のようになっているお義姉さん達と夫の昔ながらのおしゃべりも聞きたい。
2日後に昔通っていた鈴鹿峠越えでログハウスに行き、大急ぎで庭の草を刈るとバーベキューの炉に火をおこし、野菜と豚肉をぎっしり詰めたタジン鍋を掛けてお義姉さんたちを夕飯に招待しました。
翌日は、民宿で「鯛の刺身」「アオリイカの唐揚げ」「メバルの煮付け」をご馳走になり、夫はたちまち漁師町の人となり、気分転換。
次の土曜日には自宅がある山あいの町の友人から「柿屋を建てに来て」と呼ばれています。10年前に夫が作った柿屋の組み立てを引き継ぐべく、息子も呼んで農家の庭で作業。他所の庭ながら、ここも私のヒーリングスポットです。
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