「老い」を実感―慌てず騒がず受け止めて―

2回にわたる「体外衝撃波砕石術」へのチャレンジ

公開日:2023.10.20

2023年8月17日、退院から1週間後に泌尿器科の診察を受けました。「腎盂腎炎は綺麗に治っています。白血球も血小板も元の数値に戻りました」「レントゲンにハッキリと2個石が見えているので体外衝撃波で十分狙えるでしょう」―入院・手術は免れた!

2回にわたる衝撃波砕石術へのチャレンジ
腎臓結石と闘っている間に季節は移ろい、秋の木の実が友人から届く頃となっていた

9月1日、「体外衝撃波砕石術」が始まる!

私の左腎臓に居座っている結石はおよそ1cm。「体外衝撃波砕石術」が適用されるギリギリの大きさです。それより大きい場合は、入院の上麻酔をしての「経尿道的結石摘出術」適応となるようです。

それは、尿道から石のある所まで内視鏡を挿入し、水を流して石を見ながらレーザーで石を割り、体外に取り出すというもの。もう入院はこりごりなので、「体外衝撃波砕石術でいけそうだ」と聞いたときには芯からホッとしました。

とは言え、「衝撃波砕石術」とは何と物々しい治療名でしょう。体にどんなタイプの衝撃を与えるのか? 体の不自由な私が1時間真っ直ぐ上を向いてじっと寝てられるか? 私のたっぷりある皮下脂肪も通して腎臓にある石を割るなんて余程強い衝撃に違いない!

1回目の治療に病院へ向かいながら緊張感が高まります。「急性腎盂腎炎」の退院から20日間経ってはいたものの、未だ体力が戻っていなかった私は車椅子に乗り、夫に全ての手続きをしてもらって「放射線治療棟」へと向かいました。

9月1日、「体外衝撃波砕石術」が始まる!

「体外衝撃波砕石術」ーそれは…

薄暗い1階の廊下。程なくして私の番号が呼ばれ「放射線治療室」に招き入れられました。「あのベッドの上に寝て治療を受けてもらいます。病衣に着替えてください」

見ると、上から機械が下がっている幅の狭い高いベッドがあります。横にある急なステップを使って上るようですがとても自力では上れそうにありません。担当の技師の方もすぐに私の不安げな様子に気づき、「ご主人、手伝ってあげてください」と、一旦は部屋を出るように指示されていた夫を呼び戻してくれました。

「体外衝撃波砕石術」―それは…。

病衣に着替えて、靴を脱いでステップに上がろうとすると私には段が大き過ぎて上れません。「ご主人、お尻を支えて上らせてあげください」「ベッドにお尻をついて座ってから横になってください」と技師さん。

横になるとそれは見た印象よりももっと狭く、ここに1時間も寝ていたらきっと転げ落ちてしまうと夫にすがりつきたい気持ちになりました。

すると奥から主治医の先生が出て来られて、「ベッドの左側に穴があるでしょう。この下から衝撃波を当てるのでグッと左へ寄って! 左端にはクッションが付いているのでそれに左脇腹を押しつけて!」と細かく指示をして下さいました。

夫が再び室外に出ると、さあいよいよ開始です。電気が消され優しい音楽が流れ、続いて「カン・カン・カン」と硬い土に鉄の杭を打ち込むような音がし始めました。

痛み止めの座薬を入れてから治療をする人も多いと聞いていたので、いつ、どんなふうに痛くなってくるのだろうと思っていると突然音がやみ「ハイ終わりです」と治療後の注意事項が書かれた用紙を渡されました。1回目の「衝撃波砕石術」はこうして終わったのでした。

2回目のチャレンジ「割れました!!」

注意書きに「1日に水を1.5L飲むように」と書かれていたので、水を大量に買い込んで帰りました。毎日がんばって1.5Lの水を飲み、トイレに行く度にチェックしても、出るのが普通だと聞いている血尿も、砂のような物も出ている気配がありません。

(何の変化もないなあ)と2週間を過ごし、治療後の診察を受けに行きました。「変わったことはありませんか?」と先生。「血尿も出ないし、砂のような物が出てくる気配もないのですが」と私。

すると、2枚のレントゲン写真を並べ、「そうでしょうね。割れてなかったんです」と先生。「でも形は少し崩れているのでもう1回チャレンジしましょう」「今度は割れますか?」「分かりません。祈りましょう」

こうして1回目の治療から25日後、2回目の治療を受けました。私にとっては何の苦痛もない治療法だったので安心して臨むことができました。体力も回復していて自力でベッドに上ることもできました。

2回目のチャレンジ「割れました!!」

「カン・カン・カン」という音が止んだと思うと、笑顔で先生が登場。「割れました!!」と。

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harumati

45歳~66歳までC型肝炎と共生。2016年奇蹟とも思える完治から、今度は脳出血に襲われ右半身麻痺の大きな後遺症が残り身体障害者に。同居する息子と夫に家事を任せての暮らしにピリオドを打ち、2021年11月「介護付き有料老人ホーム」に夫と入居。「小さな暮らし」で「豊かな生活」を創り出そうと模索中です。

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