冬の道東一人旅(後編)
2018.10.072018年08月03日
地元人がすすめる海鮮居酒屋
ご当地グルメ|小樽で出会った絶品「生ちらし寿司」
運河沿いのレトロな街並みが独特の雰囲気を醸し出す街、小樽。かつて商都として賑わった面影が、そこかしこに残り、街歩きがとても楽しいところです。外国からの旅行者も多く、一番賑わいを見せる堺町通りを歩くと、さまざまな国の言葉が聞こえてきます。
小樽を訪れる目的は
外国人が日本を訪れる大きな目的のひとつがグルメ。彼らに日本料理で何が好き?と聞けば10人中8、9人は「SUSHI!」と答えるでしょう。
そう、小樽は寿司がおいしいことで世界的に有名です。小樽周辺には多くの漁港があり、毎日新鮮な魚が水揚げされます。それに加え、近海で取れたウニやホタテ、カニなど、北海道の海の幸が集まる海鮮もの好きには垂涎の土地なのです。
日本人でも小樽といえば「寿司!」と答える人は多いでしょう。それだけでなく、市内にはいくつもの市場があり、そこでの買い物を楽しみにここを訪れる人も少なくありません。私も何度も小樽を訪れていますが、その都度市内の市場で海産物を買っており(宅配で自宅に送れるのでとても便利です)、今では買い物した店から届くDMで注文をして、毎年のように小樽の味を楽しんでいます。
確かにおいしい小樽の寿司だけど……
当然、小樽を訪れたときは必ず寿司屋に足を運んでいました。前述した観光客でにぎわう堺町通りの近くに「小樽寿司屋通り」という場所があります。文字通り寿司屋が何件も軒を連ねているところで、ガイドブックなどにも必ず掲載されているところです。
当然のように初めて小樽を訪れた時は、そこに足を運びました。その後何度か小樽を訪れましたが、寿司屋通りの店は3軒、小樽運河の目の前にある店1軒の寿司屋に行きました。新鮮なネタ、シャリとネタのバランス、北海道ならでは珍しいメニューなど、味は大いに満足できるものでした。
ただ今一つ釈然としなかったのが値段。正直、都内のすし屋(そんなに高級なところには行ったことはないですが)で、食べるのと変わりがないのです。観光地だし、おいしかったからまあいいか、という感覚でした。
これこそ本場の味に出会った!
地元の人は寿司屋通りに行くのだろうか? 何度目かの小樽訪問の際、乗ったタクシーで「地元の人が行く寿司のおいしい店に行ってください」と頼んでみました。
「じゃあ、聖徳太子がいいね」と運転手さんは即答。
連れていかれたのは、小樽の観光スポットとはちょっと離れた繁華街。花園というエリアで、たくさんの飲食店が軒を連ねる一角にその店はありました。寿司屋ではなく居酒屋です。幸いなことに座敷が空いていてすぐに入ることができましたが、後で聞いてみるとかなり運がよかったようです。
「海鮮居酒屋」の看板通り、魚介のメニューの豊富さはさすが小樽、という感じ。目についたメニューをいくつか注文したのですが、これがどれもうまいうえに、値段もとてもリーズナブル。いやが上にも寿司への期待が高まります。
握りにしようか、ちらしにしようか迷った挙句「特製ちらし」を注文。出てきたちらしは期待に違わず10数種の大きなネタが乗ったもので、「寿司屋通りなら3000円するかも」と思えるくらいの一品。値段は1700円で、味ももちろん申し分のないものでした。この庶民的な居酒屋で、小樽の寿司について、ようやく溜飲が下がる思いをしました。
聖徳太子の場所は
小樽の観光スポットは、小樽運河周辺ですが、聖徳太子がある花園は、そこから歩いて15~20分ほど。運河周辺から行くと、坂を上っていくことになります。小樽駅からも15分ほど。駅を背に国道5号線を右に曲がり、そのまま函館本線の線路の下をくぐり、2つ目の信号のひとつ先の角を左折してすぐ。
《店舗データ》
聖徳太子 飛鳥店
※小樽市花園3-9-1にも店舗あり
住所:小樽市花園1-12-21
電話:(0134)31-4224
営業時間:11:30~23:00 (11:30~14:00はランチメニュー)
定休日:不定休