老後資金のために!50代から始める資産運用#4

初心者向きの「積立投資」株価下落もチャンスになる!

初心者向きの「積立投資」株価下落もチャンスになる!

公開日:2023年11月04日

50代から始める資産運用の連載

老後資金に備える資産運用について学ぶ連載です。第4回からは、実際にどういったやり方で資産運用をしていくのか解説します。今回は「積立投資」。これを理解すれば世界の株式へ分散投資(資産運用)が誰でも始められますよ。

教えてくれる人は福田猛(ふくだ・たけし)さん

教えてくれる人は福田猛(ふくだ・たけし)さん

ファイナンシャルスタンダード代表。大手証券会社を経て、IFA※(独立系ファイナンシャルアドバイザー)法人であるファイナンシャルスタンダードを設立。アドバイザーやセミナー講師など幅広く活動。一般社団法人ファイナンシャル・アドバイザー協会理事。著書に「考えない投資生活」(飛鳥新社刊)など。楽天証券と業務委託契約。無料の個別相談資産運用について学べるセミナーを好評開催中。

※IFAとは、特定の金融機関に属さず、独立した立場でお客さまに資産運用のアドバイスを行う専門家です。

資産運用の最大のネック「価格変動」にどう備える?

資産運用の最大のネック「価格変動」にどう備える?

 前回「資産運用の魅力は『複利のパワー』10年で資産2倍に」、前々回「『長期的に見れば世界の株価は上がる』その理由とは?」で、世界株式へ長期投資することや複利のパワーについて、50代60代でも資産運用を始めるのに遅くないことをお伝えしました。ただ、「世界株式への分散投資」は期待できるリターンは高いものの、最大のネックになるのは「価格変動」です。

世界の株式に分散しているとはいえ、株式に投資している以上は価格変動します。この価格変動と付き合えないと長期的なリターンも享受できません。では初心者の人がどうすれば価格変動と無理なく付き合っていけるのか。それが「積立投資」です。

積立投資とは、毎月金融商品を購入し続けていく投資方法です。この積立投資の考え方を理解すれば、誰でも簡単に資産運用を始められるのでぜひマスターしてください。 

運用の成績を出す計算方法はシンプル

運用の成績は価格×量で決まる

はじめに、運用の成果について説明します。それは必ずこの公式で決まります。価格と量の掛け算です。

例えば株式投資をしている人の場合。持っていた株を、最後に売却する際、その時の株価(価格)×株数(量)で時価評価が決まりますよね。投資信託の場合も同じ考え方で、解約するときの価格と保有している口数(量)で価値が決まります。

2つの要素の掛け算であることをまず押さえてください。そうなると価格は上昇した方が良いし、量はいっぱい保有した方が良いことになりますね。

価格が下がればたくさんの量を買い込める!

価格が下がればたくさんの量を買い込める!

積立投資とは、毎月、同じ金額分、同じ金融商品(投資信託など)を買い続けることです。

実際に計算してみましょう。Aという投資信託を毎月5万円買い続けるとします。証券会社等の口座で設定すれば自動的に実行できます。積立投資とは毎月量を積み上げていく行為です。量に着目すると、価格(株価)は上がった方が良いのか下がった方が良いのかと聞かれるといかがでしょうか。購入金額は同じですから、価格は下がった方が量はいっぱい買えますよね。

例えば価格が1000円の時より500円に下がった時の方が、5万円で買える量は2倍になります。これが重要なポイントです。

投資する際は価格(株価)が上がらないといけないと考えがちです。「景気もそんなに良いとは思わないし、不安になるようなニュースもあるし……。株価がもっと下がったらどうしよう」と考えると、しんどくなります。しかし、積立投資は量を積み上げていくため、その過程では価格は下がってよい、むしろ下がった方がよいのです。

「価格」の矢印が下を向くと、購入できる「量」の矢印は上を向きます。そのため私はお客様に、スーパーで買い物をするときの感覚と同じですよ、とお伝えしています。普段500円で売っているものが特価で250円だったらうれしいですよね。500円で2個買えます。割引されていたからいっぱい買えちゃった!という感覚です。

価格(株価)は下がっていいんです。株価がどんどん下がると量はどんどん増えます。量は一度買ったら減りません。増えていくだけです。

世界株式全体への投資なら価格が下がり続けることはない

ブルームバーグデータを元にファイナンシャルスタンダード作成

一方、株価はどうか。個別企業の株価なら長期低迷して下がったままのケースもありますが、世界株式全体への投資であればずっとは下がりません。

第2回 でお伝えした通り、世界の上場会社全体では毎年黒字です。投資家は配当を受け取った上、持ち分である会社が保有する純資産も増えていますから、株価が下がると割安になってきて、また上昇に転じていきます。

価格の矢印は下を向いていても、どこかで上を向きます。量は時間とともに「大量」になります。価格、量ともに矢印が上を向いていくことになります。その掛け算だから増えるという考えになります。

上下の変動が大きいほど量を買い込める

上下の変動が大きいほど量を買い込める

上の図の赤色とグレー色2つの投資対象があった場合、どちらに積立投資をした方が増えるかというと赤色の方が増えます。価格はスタート、ゴールともに同じですが、途中、赤色の方が価格は下がっているのでその分、量は多く買えています。

このように積立投資をした場合は、価格が下がったらたくさんの量を購入できるので、また価格が上がるタイミングがあるなら、長期的には良いという考えができるのです。

次回は、具体例として、1年間で毎月1万円の積立投資を10年間続けた場合、どのぐらい価格が上がり下がりしたら、どのぐらいの利益が出るのか計算していきます。

※情報は2023年11月時点のものです。投資に関する決定はご自身のご判断と責任のもとに行っていただきますようお願いいたします。

■もっと知りたい■

福田猛さんの連載は、毎月4日・18日に更新予定です。

福田 猛
福田 猛

ふくだ・たけし ファイナンシャルスタンダード代表。大手証券会社を経てIFA法人を設立。一般社団法人日本金融商品仲介業協会理事。著書に『この世でいちばん臆病な投資生活』(サンマーク出版)など。楽天証券、スマートプラスと業務委託契約。無料の個別相談資産運用について学べるセミナーが好評。