横山タカ子の「信州・四季の手遊び」・4

ガラスの中に残る「水辺の思い出」

ガラスの中に残る「水辺の思い出」

公開日:2021年04月27日

8月:ガラスの中に残る「水辺の思い出」
横山タカ子の「信州・四季の手遊び」・4

料理研究家・横山タカ子さんの季節のしつらいをお届けする連載企画。今回のテーマは「水辺の思い出」。北アルプスが一望できる場所で育った横山タカ子さんが過ごした楽しい夏の思い出。「思い出に」と、決まって河原で小石を拾って持ち帰ったそうです。

水辺の思い出を閉じ込めて

日本アルプスなど名山が連なる信州。夏山シーズンを迎え、駅や街は大きなザックを背負った登山客でにぎわっています。私は常念岳(じょうねんだけ)や蝶ヶ岳(ちょうがたけ)など、北アルプスが一望できる安曇野で育ちました。

近所の川は、北アルプスの雪解け水を源流とする冷たく澄んだ美しい流ればかり。夏になると、この河原で私のきょうだいとその家族、総勢33名が集い、バーベキューをするのが毎年の楽しみです。

私は決まって「思い出に」と、 河原で小石を拾って持ち帰ります。小石は文鎮や、茄子の砂利漬け(塩と砂利で漬けた漬物)に。水を張ったガラスの花器に入れれば、涼やかな飾りになります。

遠い昔にお土産にいただいた貝や珊瑚も、海のない県ゆえの憧れからか捨てられず、小石と一緒にガラスの中へ。川のせせらぎや子どもたちのはしゃぐ声――。ガラスの中を見つめていると、水辺の思い出が耳によみがえります。

今月のお茶うけ:あん玉のゼリーごろも

あん玉のゼリーごろも

暑い日は、寒天を使った涼やかなお茶うけがおすすめです。長野県・茅野(ちの)市は、日本一の天然寒天の生産地。

原料になる海藻が採れない山国・信州ですが、冬の間関西の寒天の産地に働きに出る人が技術を持ち帰ったことで製造業が広がったのだそう。

食物繊維たっぷりの寒天は、健康長寿を支える食材として、南信地方を中心にサラダや和え物にもよく使われます。

今月は、そんな寒天とあんこを使った、さっぱりといただく甘味をご紹介します。

【作り方・レシピ】

  1. 棒寒天(4g)を水に浸してから400mLの水で煮溶かし、大さじ1の水で溶いた葛粉(7g)を加え、バットに薄く流します。
  2. 固まったら小さくカットして、市販のあんこを小さく丸めた上にそっと優しく載せましょう。

執筆者プロフィール:横山タカ子さん

横山タカ子さん

よこやま・たかこ 1948(昭和23)年、長野県大町市生まれ。長野の郷土食の知恵を生かした家庭料理や保存食を提案。NHK「きょうの料理」などテレビ・ラジオで活躍。年に300日は着物で暮らし、古きよき生活の知恵を取り入れたライフスタイルも人気を集めている。著書に『四季に寄り添い 暮らしかさねて』(信濃毎日新聞社刊)など。

撮影=小林キユウ 構成=小林美香(ハルメク編集部)

※この記事は雑誌「ハルメク」2018年8月号に掲載したものを再編集しています。

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横山タカ子
横山タカ子

1948(昭和23)年長野県大町市生まれ。長野の郷土食の知恵を生かした家庭料理や保存食を提案。NHK「きょうの料理」などテレビ・ラジオで活躍。年に300日は着物で暮らし、古きよき生活の知恵を取り入れたライフスタイルも人気を集めている。著書に『四季に寄り添い 暮らしかさねて』(信濃毎日新聞社刊)など。