終活するよりも、やりたいことがたくさんある!
大竹しのぶ!座右の銘は「まあいいか」。先のことは悩まずに自然体に生きる
大竹しのぶ!座右の銘は「まあいいか」。先のことは悩まずに自然体に生きる
公開日:2026年02月17日
大竹しのぶさんのプロフィール
おおたけ・しのぶ。1957(昭和32)年生まれ、東京都出身。75年、映画「青春の門 筑豊篇」ヒロイン役で本格的デビュー。その圧倒的な存在感は常に注目を集め、映画、舞台、ドラマ、音楽等ジャンルにとらわれず才能を発揮し、話題作に相次いで出演。2011年、紫綬褒章を受章。21年、東京2020オリンピック閉会式に出演。著書に『ヒビノカテ まあいいか4』(幻冬舎刊)がある。
女たちの強さ、怖さ、悲しさを表現したい

2025年の舞台「華岡青洲の妻」は、昭和を代表する女流作家・有吉佐和子の不朽の名作を舞台化した作品でした。
江戸時代後期、世界で初めて全身麻酔を使った乳がん摘出手術を成功させた医師・華岡青洲の妻と母の、愛情と葛藤の物語。主役である青洲の妻、加恵(かえ)を大竹さんが、加恵と熾烈な嫁姑争いを繰り広げる青洲の母、於継(おつぎ)を波乃久里子(なみの・くりこ)さんが演じたそう。
「最初、私は当然お姑さんの役だろうと思っていたのに、なんとお嫁さんの方だったから、びっくりしました。若いときだけ演じるのは無理があるんですけど、20代から50代まで加恵が年を重ねていく過程を描くので、勘弁してくださいみたいな感じです」と笑う大竹さん。心の機微を巧みに描く有吉佐和子の名作に挑戦できたのがうれしかったと語ります。
「麻酔薬を完成させ、青洲というお医者さまの名を後世に残すために、加恵と姑は競って人体実験に身をささげると言って、命を懸けることまでやる。そんな女たちの強さ、怖さ、悲しさ、そしてちょっとばかげた傲慢な愛みたいなものを表現できたていたらいいなと思っています」
舞台に立ち続けるために、体力づくりはどうしているのか尋ねると、「もうちょっと歩いたり、走ったりとか、体力を上げる運動をしなくちゃいけないと思いつつ、何もやっていないです」と大竹さん。
「これは母に感謝なんですけど、もともと持っている肉体が強いのかなと思います。腰やひざが痛いということもないし、風邪もひかない。舞台のお稽古で体力づくりをしている感じですね。あと私はほんとによく寝て、よく食べる。食べることが大好き。それが健康の基本かな」
食べることが大好き!自分で作ったごはんを食べる幸せ

舞台や撮影で忙しい日も、「家に帰って自分で作ったごはんを食べるのがおいしいなと思う」と大竹さん。
「夜ギリギリの時間に帰ったりすることも多いので、簡単なものしか作れないんですけど、お料理は気分転換にもなりますね。先日も、華岡青洲ゆかりの地、和歌山県紀の川市を訪れて、いただいたワラビを家に帰って煮たら、ほんとにおいしかった! 道の駅で買ったズッキーニとかお野菜もおいしくて、さっとお料理していただきました。そういう小さなことに喜びを感じます」
大竹さんは「外出先でも、すぐ“おうちに帰りたい”と思っちゃうくらい、家が好き」と話します。
「そんなに片付いている家じゃないんですけど、リビングとダイニングテーブルだけはきれいにして、すぐにごはんが食べられるようにしています。夕食後、亡くなった母がいつもしていたように『今日も一日、終わりました!』とキッチンを片付けて、お茶を淹れ、Netflixで映画やドラマを見たりする時間がすごくリラックスしますね」
座右の銘は「まあいいか」。先のことは悩まずに“なんとかなるさ”
イヤーカフ1万4300円(VENDOME BOUTIQUE/ヴァンドームブティック三越日本橋本店 03-3270-0165)
リング12万6500円、25万3000円、17万8200円(VENDOME AOYAMA/ヴァンドーム青山本店 03-3409-2355)
舞台やドラマに出演する他、週1回のラジオ番組でパーソナリティを務め、新聞の連載エッセーも執筆している大竹さん。「いつも目の前のことに追われて、1週間先くらいのことしか考えられない」と言います。
「だから終活と言われても全然ピンとこないですね。一緒に暮らしている息子は心配していて、口座は整理した方がいいんじゃないかとか、どこに何があるかわかるようにしておいてねとか結構言われます。私は『そうなんだぁ』とか返事をして、やらなくちゃと思いながら、やっていない(笑)
そもそも20代で最初に結婚したときに、旦那さんと座右の銘は何かっていう話になって、紙に書きっこして“せーの”で見せ合ったら、二人とも『まあいいか』だったんです。先のことはあんまり悩んだりせず、“なんとかなるさ”と思っているところがありますね」
終活するよりも、やりたいことがたくさんある!
96歳で亡くなった大竹さんの母も終活はしていなかったそう。
「母がまだ元気なときに、娘(タレントのIMALUさん)が誕生日プレゼントにエンディングノートを買ってきたんです。『これなあに?』って聞く母に、娘が『家族のこととか、貯金のこととか書く欄があるんだよ』と説明すると、『いやだわ、こんなもの』って(笑)。私からも、母しか知らない祖父母のことやレシピなどを書き残してほしいとお願いしたけど、結局ほとんど書かなかったですね」
大竹さんも今は、終活よりやりたいことがたくさんあると言います。
「海外もですけど、日本にはきれいなところがいっぱいあるだろうから、旅をしたいですね。まずは今をちゃんと楽しみたいです」
取材・文=五十嵐香奈(ハルメク編集部)、撮影=中西裕人、ヘアメイク=新井克英、スタイリング=申谷弘美
※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年7月号を再編集しています。




