人生の先輩に学ぶ、生き方と暮らし方の流儀3
樹木希林さん名言集“物にも人にも潔く”という生き方
樹木希林さん名言集“物にも人にも潔く”という生き方
公開日:2020年02月25日
工夫して、今ある物を使い切る
取材時に着ていたこのガウンもそう
生前、雑誌「ハルメク(旧いきいき)」で、物を少なくした身軽な暮らしや、人との付き合い方、病気や老いを受け入れる心の持ち方などを話してくださった樹木希林さん。その考え方一つ一つが、すべて潔く、読者からもたくさんの反響が寄せられました。
今回は樹木さんが遺した言葉の中から、「すがすがしい!」の一言に尽きる暮らし方についての言葉を紹介します。家の中の物一つとっても、樹木さんならではの美学があったことがわかります。
「何かと何かを兼用できるとか一生懸命考えて、思いついたときはもう最高に幸せ(笑)」
物を減らすことで不自由はないですか? と聞くと、樹木さんはこう答えました。そして「不自由なものを受け入れその枠の中に自分を入れる。年をとるというのは、そういうことです」と、物との向き合い方を通して、老いへの覚悟も語っていました。
「いきいき(現ハルメク)」2015年6月号より
「一度使い始めたら、それをできるかぎり生かして、最後まで使い切って終了させたいんです。『始末』ですね」
「ちょっと直せば十分使える」と、家具や衣類はリメイクして使っていた樹木さん。物は買わないし、増やさないという生活は、気持ちもせいせいしていられると話していました。
「PHPスペシャル」2015年7月号より
本当に必要なものを一つ、見極める

「例えば石けんは、お風呂場にある一つだけ。台所にも置かないです。旅先にもそれを持っていきます」
物がなければ、部屋がスッキリして掃除も楽と、樹木さんは物を増やさず、無駄を出さない暮らしを徹底していました。石けんはその一例。顔も体もすべて一つで洗っていました。
「いきいき(現ハルメク)」2015年6月号より
「いただくといっても何でもいいわけじゃなくて、ほんとに欲しいものだけ」
取材などで手土産をいただく機会が多かった樹木さんですが、ほとんど断っていました。「お気持ちだけ、いただきます」と、きっぱりとお返しするのが樹木さん流。一方、ご自宅では俳優の故・平幹二朗さんからいただいたテーブルや評論家の故・草柳大蔵さんから譲り受けたソファを大切に使っていました。
「いきいき(現ハルメク)」2015年6月号より
人も物も「役目」を果たせたか、考える
「“物の冥利(みょうり)”があると思うから、そのまま箪笥に仕舞ったらかわいそう」
物がその役目をきちんと果たせたのか、いつも考えてしまう――と、樹木さんはよく、家族が着なくなった服を自分でスタイリングして着ていました。「見てもらえれば、洋服も喜ぶでしょう?」と。
「いきいき(現ハルメク)」2008年7月号より
「ものたちが、充分に役目を果たし終わったと思えるように。そして、人間も充分生きて、自分を使い切ったと思えるように。それが私の目標ね」
70代に入り、「自分の身を始末していく感覚で毎日を過ごしている」と話していた樹木さん。今ある物を使い、新たに物を買うことはほとんどありませんでした。
「暮らしのおへそ」2017年Vol.23より
取材・文=長倉志乃、田渕あゆみ(ともにハルメク編集部) 写真=小倉啓芳
※この記事は、雑誌「ハルメク」2019年2月号を再掲載しています。雑誌「ハルメク」は定期購読誌です。
※書店ではお買い求めいただけません。詳しくは雑誌ハルメクのサイトをご確認ください。




