1日1か所「断捨離」のススメ#1
50代、断捨離できない人必見!「引き出し1つ・1日1か所」なら続く理由
50代、断捨離できない人必見!「引き出し1つ・1日1か所」なら続く理由
公開日:2025年12月26日
教えてくれるのは、やましたひでこさん
断捨離(R)の提唱者。クラターコンサルタントとして、モノ・空間・時間への執着を手放し、快適な人生を取り戻す方法を提案。片付けを単なる整理整頓にとどめず、思考や生き方を見直す実践的なメソッドとして広め、世界各国で多くの支持を集めている。著書に『引き出し1つから始める 1日1か所 断捨離』(大和書房刊)など多数。
断捨離ができないのは、あなただけじゃない
断捨離をお伝えし始めて20年。おかげさまでテレビや雑誌でも取り上げていただき、巷に「断捨離のノウハウ」は溢れているものの、私が出会う方々から以下のような言葉が飛び出します。
「できない」「わからない」「動けない」
「まずは目の前のモノ1つからですよ」と繰り返しお伝えしてはいるのですが、どれが「目の前のモノ」なのかもわからない。
「今日こそは」と思っているのに動けない。先送りして、見て見ぬふりをして、やり過ごす。それによってイライラ、モヤモヤ、ウツウツ……という状況に陥っている方が少なくありません。
そこで、この記事でご紹介するのは「引き出し1つから始める1日1か所 断捨離」。これは、「空間(トコロ)」と「時間」を味方につけることで自分自身を動かしていく断
捨離です。
引き出し1つ。「空間」で自分のキャパが見えてくる
まず引き出しという「空間」 。ここはパッと俯瞰(ふかん)できる限定空間であり、ごく身近な収納場所です。引き出しは閉じてしまえば、中は見えません。ゆえに、開けたらびっくりの混沌空間になりがちです。
誰しも物事に対して自分が扱えるキャパシティがあります。引き出しは、それをわかりやすく可視化してくれます。
キッチンの引き出しがこんな「景色」だったら、前向きなエネルギーが湧いてきませんか?
自分はどのくらいキャパがあるのか、それを見極める手段としても引き出しを活用していただくことは有効です。
また「引き出しの断捨離」は、手をつけやすく、比較的短時間でできるわりに、断捨離後のカタルシス効果が大きいのも特徴です。
1か所を断捨離することで、1つ新たな視点を得ることができます。
それはあなたのステージが1つ上がったということ。大げさだと思うかもしれませんが、行動すると「やったらできた」「やったらわかった」を実感することができますよ。
バタバタなのに「出掛ける前」が断捨離に向いている理由
ここからは「この時間に、この空間の断捨離をしましょう」という提案をしていきます。
ところで、なぜ出掛ける前というバタバタ慌ただしい時間をあえて提案するのでしょうか。これには理由があります。
多くの人が「断捨離したいけどできない」と悩んでいる理由として、「時間がない」が挙げられます。
そもそも断捨離は「大量のモノをまとめてするもの」というイメージを持ちがち。ゆえに、ただでさえ忙しい日々の中で「まとまった時間」がとれるはずもなく、先延ばしにしている現実があります。
そこで私は声を大にして言いたい。断捨離は日常の中で行うお手入れですよ、と。
小さく区切ったこの1か所でいい、ごく短時間で「ついでに」できるものです。わざわざ時間を作る必要はなく、今日からカンタンにできることを知ってほしいのです。
出掛ける前は時間がないため必死になります。朝、歯磨きをしたら、ついでに洗面台の鏡も磨く。靴を履くついでに靴箱一段を眺め、もう履かない靴を取り出す。このように、出掛ける準備をしながら「ついでに」始末をしていきましょう。
短時間なので、グダグダと言い訳している暇はありません。とにかく準備して出掛けなければならないのですから、先延ばしできない。「お尻を決める」と、やるしかないのです。
もちろんやり残してしまうこともありますが、そんなときは「今回はここまでできた!」と切り替えて、元気に出発しましょう。
朝の短時間、ちょっとがんばって断捨離したことで、帰ってきたときの気分が全く違います。気持ちよく帰路につくことができ、出掛けた先での気分も軽やかでいられます。
「出掛ける前」断捨離トレーニング!簡単6ステップ
(1)外出準備の時間をちょっと前倒しにする
(2)床にあるものを断捨離する
(3)床のスッキリを味わう
(4)気持ちよく出掛けられる
(5)外出先で気持ちよく過ごせる
(6)「出掛ける前断捨離」がクセになる
なぜ「寝る前」に整えると、気持ちよく眠れて目覚められるのか
もう一つが、「寝る前」です。「寝る前」という限られた時間を使うことで、そこにエネルギーを集中させるのです。寝るための準備を少しだけ早く始めてみる。この「寝る前の断捨離」によって、気持ちよい眠りと気持ちよい目覚めという、大きなリターンを得ることができます。
夜、清潔なシーツにくるまれて眠ったら気持ちいいですよね。朝、起きたときにシンクがピカピカになっていたら気持ちいいですよね。逆に、シンクに器が山盛りになっていたら悲しいですよね。
この五感で「うれしい」「楽しい」「気持ちいい」と感じることは、「じゃあ次も断捨離しよう」という原動力になります。
小さいところを1か所でいいのです。引き出しの一部、冷蔵庫の一段でもいいのです。そこを放置しているから大変なあり様になっていくのであって、そこに1つでも手をつけることが肝心です。
「寝る前」断捨離トレーニング!簡単6ステップ
(1)想像してみよう。朝起きたとき、スッキリ美しい部屋を
(2)寝る前にちょっと時間をとる
(3)1か所ものを断捨離する
(4)スッキリを味わう
(5)気持ちよく寝られる
(6)「寝る前断捨離」がクセになる
断捨離は、効率を上げるためのものではない
そして誤解してほしくないのですが、「出掛ける前」「寝る前」という限られた時間を効率よく使いましょうと推奨しているのではありません。
コスパ、タイパという言葉があります。と思ったら、スぺパ(スペースパフォーマンス)なんて言葉も聞くようになりました。
常に「効率的なこと」がもてはやされています。確かに早いことに価値はありますが、早さばかりを求めているとおかしなことになります。
早く終わったところで、余った時間にまた何かを詰める。つまり収納と同じです。空間に隙間を作っては詰め込んでいます。余白と余韻と余力がないのです。
子育てをしながら仕事をし、ごはんを作ってとやっていたら……。それをタイパ、スぺパなどと効率で解決しようとすると、余計に追い立てられた気持ちになるでしょう。
だから私は伝えたいのです。
モノが減ったら時間、空間、エネルギーは必ず戻ってきますよ、と。モノがここからなくなれば、空間がリセットされて、すると同時に、自分の頭も気持ちもリセットされる。断捨離はその繰り返しです。
そうしてこそ「今、ここ」を楽しめるようになるのです。
次回の記事では、「出掛ける前5分の断捨離。必要なのは紙袋だけ!「美しいゴミ捨て」実践法 」を紹介していきます。
※本記事は、書籍『引き出し1つから始める 1日1か所 断捨離』より一部抜粋して構成しています。
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#1: 断捨離が「引き出し1つ・1日1か所」なら続く理由
#2:出掛ける前5分の断捨離!「美しいゴミ捨て」実践法
#3: 寝る前の「キッチン」断捨離。引き出しに入れるアイテム数は?
もっと詳しく知りたい人は、やましたさんの書籍をチェック!
断捨離は一度したら終わりでなく、日々のお手入れ。「どこから手をつければいいかわからない」という人に向けて、“引き出し1つ・1日1か所”という小さな区切りで進める断捨離の方法を紹介。片付け下手でもすぐに実践できる一冊です。




