【4】サレ妻になんてなりたくない!56歳ルイコ
【サレ妻4】「不倫してるでしょ」嘘をつく夫と追求しきれない妻
【サレ妻4】「不倫してるでしょ」嘘をつく夫と追求しきれない妻
公開日:2026年03月02日
夫の不倫LINEを見て以来、傷つきながらも「相手の誘惑したに違いない。まだ夫を信じたい」と考える自分に気づく。娘には言えないまま数週間悩んだ末、ある日食卓で不意打ちに「不倫してるでしょ?」と追及する事態に……。
前回までのあらすじ
前回の話はコチラ。夫の行動に違和感が増え、夜中に夫のスマホを開こうとしたが、LINEにはロックがかかり、暗証番号は分からない。翌日、夫のSNSを覗くと、毎回“いいね”する同じ女性の匂わせ投稿に夫の姿が……。彼女の誕生日を入力してロックを解除すると、年下女性に甘え家庭を否定する夫の生々しいやりとりが並び、信頼は崩れ落ちた。
あの女が、夫を誘惑したに違いない
「天気のいい日でね、なんとなく昼から外に出て近所を散歩しました。たまたま知り合いに会ったら、いきなり『大丈夫?』と聞かれて。おそらくひどくぼんやりした顔で歩いていたんでしょうね。『あまり顔色がよくないわよ。風邪でもひいた?』って。
とっさに、そうなの、ちょっと風邪気味で、医者に行こうと思ってと答えました。こんなときでも普通に受け答えができるなんて、私も人生経験が豊富になっているんだなと思った。そんなふうになったことがまたなんだか哀しかったですね」
“あーたん”と夫が呼んでいる女性の人生は,先が長い。何があっても立ち直れる年齢なのだ。だが自分はすでに更年期を迎えている。先の人生を「女として」歩めるとは思えない。
そもそも「女であること」に寄りかかって生きてはこなかった。それが私のプライドだとルイコさんは思った。
その一方で、彼女の短めのスカートからのぞいたまっすぐな脚が脳裏に蘇った。あんなふうにスカートをはいて男をたぶらかしながら生きる女の人生は、どんなものなのだろう。
そう考えて、彼女が夫を誘惑したに違いないと思っている自分の理不尽さに驚いた。夫が彼女を誘惑した可能性だってあるのに……。この期に及んで、まだ自分は夫を信じたいと思っているのだろうか?
数週間悩んだ末の「不意打ち」
数週間、彼女は悩んだ。娘は成人したとはいえ、父親を敬愛しているから知らせたくはない。だが本人には、自分がこれほど苦しんでいることを伝えたかった。私は何のために生きてきたのか、夫に考えてほしいとルイコさんは考えた。
ある日、また夫のスマホを盗み見て、彼女と夫がさらに燃え上がっていることを知りいたたまれなくなり、ルイコさんは夫に「不倫してるでしょ」と、不意にいった。
「夫が遅めに帰ってきて食事をしているときでした。『不倫してるでしょ?』と言って夫を見たら、箸が止まった。その後、目が泳いでからうつむきかげんになり、ようやく箸を動かしながら『何言ってんの』と笑おうとしたけど顔が引きつっていた。
わかりやすいですよね。『あーたん、っていう女』と言ったらさらに表情が止まった。シングルマザーなんだね、大変だよね、あなた、貢いでるのと早口で言うと、夫は黙ったまま。『何のことかわからない。オレは不倫なんてしてない』と言い張りました」
もちろん、不倫を肯定するとは思っていなかった。ただ、不意をついたらどんな反応をするか見たかったとルイコさんは言う。もともと嘘がつけるタイプではないのに、必死に嘘をつく夫を見て、「それほど隠したいのか」と感じた。
隠したかったのは、妻への優しさなのか、あるいは彼女への愛なのか。そこがわからず、ルイコさんはさらに苦悩の闇に落ちていく。
「私だけを愛して」なんて言えない…
夫の口から「離婚」という言葉が出るのは怖い。いっそ自分から言い出そうかとも思う。だがやはりそれはできない。離婚したら夫は、その彼女と一緒になるかもしれない。夫だけがいい思いをし、あーたんと呼ばれる女が得するようなことがあってはならない。
「だんだん我慢ができなくなり、とうとうスマホを突きつけました。もう全部知ってるの、リュウジがこんなことをするとは思わなかった。そう言うと『これは違うんだ』って。何が違うかは言わなかった。もう、とにかく会わないで、連絡もとらないでと言いました。夫は『もともと実際には会ってない』と、訳のわからないことばかり言っていました。それでも夫に『わかったから、もう心配しなくていいから』とは言わせたんです。
人のスマホなんか見るなよとも言われた。プライバシーの侵害だよと。口調は強くはなかったが、夫が静かに怒っているのはわかった。もともと自主独立の感覚が強い夫婦だったはずだ。
妻が夫にすがりつくような関係であってはならないとルイコさんは必死で踏ん張っていた。「お願いだから」「私だけを愛して」というような言葉は吐けなかった。
- 第5話「また裏切られた。信じてたのに」に続く…>>
- 【全話読む】サレ妻になんてなりたくない!56歳ルイコの場合




