【3】サレ妻になんてなりたくない!56歳ルイコ

【サレ妻3】“いいね”の女って誰?SNSから無邪気に崩れた「最強の信頼」

【サレ妻3】“いいね”の女って誰?SNSから無邪気に崩れた「最強の信頼」

公開日:2026年02月23日

【サレ妻3】“いいね”の女って誰?SNSから無邪気に崩れた「最強の信頼」

ルイコ56歳の恋愛ルポ第3話。夫の不倫を疑いスマホのロックを突破したものの、LINEにもロックがかかり、疑念を抱えたままのルイコ。ふと見つけた夫のSNSで、毎回“いいね”する女性の投稿を発見し、彼女の投稿を辿ると……そこにあったものは?

前回までのあらすじ

前回の話はコチラ。誕生日翌日、夫からの“取り消しLINE”に違和感を覚えた。思い返せば、最近は、遅い帰宅や急な出張、新しいネクタイなど「あれ?」と思うことが増えていった。このモヤモヤを更年期のせいにして耐えた末、夜中に夫のスマホを開くことにしたが……。

やっと開いた夫のスマホ。LINEにもロックがかかっていた

aijiro / PIXTA

夫はLINEで女性とやりとりしているに違いないと思ったが、そのLINEにもロックがかかっている。よほど「大事」なやりとりをしているのだろうと愕然とした。

「LINEにロックがかかっているとは思わなかったから、けっこうショックでした。ロック解除の暗証番号はいつくか入れてはみたものの開けません。見当もつかなかった」

その日はあきらめたが、翌日、たまたま自宅で仕事をしているとき、なにげなく夫のSNSを見てみた。登録して何度か投稿しただけでここ数年放置していたはずなのだが、数か月前からたまに投稿していること、にまず驚いたという。

夫のSNSに「いいね」をする女性。一体、誰?

jessie / PIXTA

「しかも夫の投稿にいつも同じ女性が“いいね”をしてる。なんだろうとその人のSNSを見てみて、私、卒倒しそうになりました」

いくつかの男性を膝枕しているような写真、自分と男性の顔を隠してはいるが顔を寄せ合っている写真、そして「今日は私の手料理を食べてくれた。いつもよりおいしいらしいww」という文章。皿に箸を伸ばしている手を、ルイコさんが見間違えるはずはない。写っているのはすべて「夫」だった。

「彼、右手の薬指のところに小さいほくろがあるんです。それも写っていたし、顔はモザイクかけても耳の形でわかります。彼女のSNSを全部さかのぼって見てみたら、やはり私が『あれ?』と思った時期から、自分に彼氏ができたことを匂わせるような投稿が始まっている。

ただ、彼女は自分の写真をほとんど載せてないんですよ。承認欲求が強そうなのに自分の顔はさらしていない。それはおそらく不倫だからでしょう。そんなことを知らない彼女のフォロワーが、『素敵な時間を過ごしてるんですね』なんてコメントしてる。むかっ腹が立ちました」

暗証番号は「彼女の誕生日」。地獄のようなLINE

jessie / PIXTA

彼女はどうやら20代後半のようだ。夫は20歳以上年下の女性と付き合っているのか。SNSを追っているうち、彼女の誕生日がわかった。もしかしたらとルイコさんのアンテナが反応した。

その晩、再度、夫のスマホを開いた。LINEのロックは思った通り、彼女の誕生日を打ち込むと解除された。ルイコさんはそのやりとりを見て吐き気がしてきたという。

「夫は50歳を過ぎている。それなのに20歳以上年下の女性に甘えているわけですよ。彼女を『あーたん』と呼び、『あーたんの胸に顔を埋めたとき、ボクがどんなに幸せな気持ちになるかわかる?』とか『ボクはあーたんによって男にしてもらった気がするよ』とか。

『あなたには奥さんがいるじゃない』と彼女に言われ、『うちは男と女じゃないんだ、それは結婚したときからそうだった』と返している。

私が夫を男として見なかったように、夫も私を女とは見ていなかった。でも私は、夫を誰よりも人として信頼していた。安っぽい恋愛感情ではなく、魂の伴侶だと思っていた。結局、リュウジはどこにでもある男と女のゲスな恋愛に流れていったんです」

ルイコさんの語気がどんどん荒くなっていく。過呼吸になりそうなほど、ぜーぜーと息が激しい。

「しかも彼女はシングルマザーでした。3歳くらいの子がいるみたい。夫と会うときは近所の母親のところに子どもを預けているらしい。子どもを預けて男と会っているなんてどういうことなんだろう。

夫はそれをよしとしているのかと思うと、さらに腹が立ってならなかった。二人のやりとりを読んでいるうちに、私の25年間以上にわたる結婚生活ってなんだったんだろうと虚しくてたまらなくなりました。

私だって夫のことなんて愛してない。そう思った。家族としての愛のほうが男女の恋なんかよりずっと重いはずなのに、夫はあっさり裏切った。こんな男と結婚していたのかとがっかりしたし、私は虚像を愛していたのかと自分を呪ったし、どこに怒りをぶつけたらいいのかわかりませんでした」

怒り、虚しさ、悔しさ、やるせなさ、そしてほんの少しの哀しみ。ありとあらゆる負の感情がルイコさんの中で荒れ狂っていた。それからは仕事がまったく手に着かず、ルイコさんは急な体調不良を理由に、休暇を申請した。

亀山早苗
亀山早苗

東京生まれ。明治大学卒業後、フリーランスのライターとして雑誌記事、書籍の執筆を手がける。おもな著書に『不倫の恋で苦しむ男たち』『復活不倫』『人はなぜ不倫をするのか』など。最新刊は小説『人生の秋に恋に落ちたら』。歌舞伎や落語が大好き、くまモンの熱烈ファンでもある。