【5】サレ妻になんてなりたくない!56歳ルイコ
【サレ妻5】「信じてたのに」夫はなんで裏切り続けるの?
【サレ妻5】「信じてたのに」夫はなんで裏切り続けるの?
公開日:2026年03月09日
前回までのあらすじ
前回の話はコチラ。不倫相手“あーたん”への嫉妬と、まだ夫を信じたい気持ちの間で揺れるルイコ。数週間悩んだ末、食卓で「不倫してるでしょ」と不意打ちしてみた。夫は言い訳を重ね、逆にプライバシー侵害だと静かに怒った。離婚の恐怖を抱えつつも、必死に踏ん張ってはみたが……。
もう一度、夫のスマホを見てしまった
それからも夫の様子は特に変わりなかった。忙しいとか出張だとか、時々そんなふうに言うことがあると、ルイコさんは「もしかしたら……まだ不倫している?」と疑ってしまう。だが、もう一度、夫を信じたかった。
けれど、どうしても我慢しきれずにもう一度、夫のスマホを見てしまったとき、彼女は愕然とした。メッセージは消しているものの、どうやら……夫と彼女との関係は続いていたのだ。
夫は開き直ったのか、LINEのパスワードを変えていなかった。妻が見ることを予測しているかのようにさえ思える。「もはや私のことなど、どうでもいいのか」とルイコさんショックをうけた。
娘の様子も、なんだかおかしい…
「そんなとき、就職して1年ほどたった娘の様子がおかしくなったんです。帰宅も連日遅かったからよほど仕事が忙しいのかと思っていたけど、体を壊したら取り返しがつかない。
だから娘に『あんまり大変だったら上司に相談したほうがいいんじゃないの?』と声をかけたんです。すると娘は『大丈夫だから』と……。でもやはりなにか様子が変なんですよ」
人気レストランでの予想外の遭遇
ある日、夫も娘も遅くなるというので、ルイコさんは久しぶりに同僚2人と食事に行った。たまには女3人でおいしいものでも食べたいねと、最近人気だというイタリアンの店を訪れてみた。
「同僚の一人が、その店の店主と友人だとかで急遽キャンセルが出たために予約がとれたんです。活気があって素敵な雰囲気の店でした。
奥のほうの席でたわいないおしゃべりをしながら食べていると、少し離れた席に妙に深刻な感じの男女がいて……。騒がしいわけではないけど、人の話し声がひっきりなしに聞こえるような明るい雰囲気の店で、その席だけがどよーんと暗くてかえって異様な雰囲気でした。
女性の後ろ姿を見て、息が止まりそうになりました。なんと娘だったんです。相手の男性は私のほうから顔が見えた。なんなら夫より年上に見えました」
頭が混乱し、何を食べているのかわからなくなった。声をかけるか同僚たちに言おうかと思ったけれど、2人がどんな関係なのかわからないのにできるはずもない。トイレに立って戻ってくるとき、こっそり娘の顔を確認しました。娘は泣いていたんです。
「娘とはいえ一人の大人ですから、乗り込んでいくわけにもいかない。夫といい、娘といい、いったいどうなってるの?と私も動転してしまった。結局、同僚には申し訳ないけど、急に気分が悪くなったといって店を後にしました」
だからといって、まっすぐ帰宅する気にもなれなかった。乗換駅で外に出ると、ぶらぶら歩きながらショットバーを見つけ入ってみた。
知らない街のバーでの出来事
一人でバーに入るのなんて初めてだったが、できる限り知らない人だけの場所へ行きたかったのだという。「人の気配はほしいが、知り合いとは話したくない」そんな夜は誰にでもあるのかもしれない。
「入ったらカウンターだけの渋いバーで、一人客が数名という感じでした。ここなら落ち着ける。座って軽いカクテルを頼みました。がっつり飲んだら荒れるのがわかっていたので……」
バーテンダーは白髪まじりで、余計なことは言わず、さらりとカクテルを出してくれた。飲みながら夫の不倫、娘の不倫を考えざるを得なかった。考えたくないのに考えるしかないのだ。
しばらく黙って飲んでいると、常連らしい男性客がバーテンダーと一言二言交わした。
「あちらのお客様から1杯いかがですかと……とバーテンダーさんに言われました。見るとカウンターの端にいる男性がこちらを見て微笑んでいた。ちょうど飲み終えたところだったので『ありがとうございます。いただきます』と伝えました」
その男性がすぐにでも席を移ってくるのかと思いきや、彼が来る気配はない。バーテンダーに「ご一緒しませんかと伝えてください」と言って初めて、その男性は隣へやってきた。
こういう酒場の礼儀なのかとルイコさんは感じたが、隣の席にやって来た同世代らしき男性も上品な感じだった。
- 第6話「涙を見抜いた男…サレ妻にならないために」に続く…>>
- 【全話読む】サレ妻になんてなりたくない!56歳ルイコの場合




