【3】50代で年下男性に恋して!理性が崩れたキス
2023.09.082023年09月08日
【53歳シホの場合】夜のバー。すがる瞳で告白されて
【2】50代で年下男性に恋して!脆い関係が崩れた夜
53歳シホの恋愛ルポ第2話。既婚だから恋愛に縁がないと思っていても、恋に落ちてしまう事がある。シホの場合、仕事の後輩で18歳年下のタカシが相手だった。ある日、2人で行ったバーで、驚きの告白を聞くこととなる。
前回までのあらすじ
シホ(53歳)の恋愛談を紹介しよう。年上の夫と結婚し成人した二人の子がいるワーキングウーマン。恋愛なんて縁がないと思っていても…ふとしたきっかけで恋に落ちることがあるのだ。なんと、恋に落ちた相手は…18歳年下の部下だったのだ。
「気の置けない上司と部下の関係」が崩れた夜
上司であるシホにとって、日に日にタカシが成長していく姿を見るのはうれしかった。入社1年たった頃には、一緒に仕事に向き合うこともあれば、冗談を飛ばし合うこともできる仲となった。チームの業績も上がり、波長の合う部下に巡り会えて、シホさんはラッキーだった。
「ところがある日、珍しく彼から『悩みがあるから相談にのってほしい』と言われました。バーに連れていって話を聞くと、『実は……好きな人がいるんだけど告白できなくて悩んでいる』と」
『遠慮するタイプじゃないでしょ!いつもの積極性でがんばりなさいよー』と茶化したら、彼はとてもつらそうな表情になったんで、これはただごとではないとハッとしました。
そこで、平静を装って『何か特別な事情がある人なの?』と聞きました。すると、しばらく口を閉ざしてた後、彼が三言だけぶっきら棒につぶやいたんです。『年上、職場の先輩、既婚者』と」
すがるような瞳で見つめてくる彼。自分の気持ちはどうなの?
微妙な空気が流れました。そんな人、私しかいないんです。『酔っぱらってるの?冗談やめてよ!』と笑い飛ばしたほうがいいのか迷ったものの、なんだかバツが悪くなり、私もつい黙り込みました。
どれくらい時間が経ったかわかりません。しばらくして彼がボソボソと口を開きました。
「『本当に真剣なんです。毎日その人のことばっかり考えてしまう。でも、そんなの迷惑かもしれないし。俺どうすればいいと思います?』と彼がすがるような目で見つめてきました。
私の出方を聞いて、私に決断を委ねるなんて、ずるいですよね……」
「あなたを男として見たことなんて一度もない」そう言おうとした。けれど、その言葉を口にしたら、自分が嘘をついていることになると彼女は思った。
彼の気持ちを全て断ってしまうことは望んでいない……そんな自分の密かな声に気付いてしまったのだ。
18歳年下の部下を、いつの間にか男性として意識していた
「そんなはずはない」と何度も自分に言い聞かせたのだけど、18歳年下の部下であるタカシを、私はいつの間にか少し男性として意識していました。
上司に対してのおべっかの部分もあったのかもしれませんが……私に人懐っこい好意を示してくれるのが、くずぐったくも嬉しかったんです。
彼と一緒に外出の機会があると、前日からなんだかワクワクしました。道中で二人で話せるのが楽しみで。
また、彼がふと『そのジャケット似合いますね』と言ってくれたら、なんだかお気に入りになって何度も同じ服を着てしまうなんてこともありました。
以前、チームの飲み会で、どんな異性がタイプかという話題になったとき『年上がタイプ。シホさんみたいに、仕事も家庭もがんばる女性と結婚できたら最高なのに』と言ってくれたことがあります。
ただのお世辞かもしれないですけど、何年も男性から褒められていなかったから、うれしくて思わず頬が赤くなりました。
「恋愛市場から落ちこぼれた50代のオバサン」のはずだったのに……
まさか、私とタカシが異性として意識しあっているなんて……正直思っていませんでした。だって彼は部下だし18歳も年下。まして私はもう50代!恋愛という市場からは落ちこぼれたオバサンだと感じていましたから」
だが、気持ちは少しずつ密かに育っていた。薄々意識していながら、彼の告白を聞くまで、自分の気持ちに気付かないフリをしていただけだった。
嬉しと戸惑い。相反する気持ちが渦巻き、なんといっていいか分からずに時間だけが過ぎていった。