作家・高見澤たか子さんの終活片付け
生前整理実践編4|片付けは人に任せてもいい
生前整理実践編4|片付けは人に任せてもいい
公開日:2020年06月15日
物が多くてもいい。今生きている時間を楽しみたい

約20年前、パーキンソン病になった夫のためにバリアフリーにリフォームした都内の一軒家に住む高見澤たか子こさん。その後、夫を亡くし、自らも乳がんや膠原病(こうげんびょう)などで闘病しながら、今も元気に仕事に取り組んでいます。
高見澤さんは、家具や食器などは「好きで選んだ物だから」とほとんど捨てていません。「買い物が好きで、物が多いのですが、今生きている時間を楽しみたいのです」
一方、
「飾っている写真を取り替えるついでに、お茶を飲みながら憂さ晴らし程度に」写真整理をしています。箱から写真を取り出し、懐かしい記憶と結びつくものは残し、集合写真など思い入れの少ないものは手放しています。
月に一度、静岡から様子を見に来る長女の眞紀さんは、「私から見たら物が多いですが、母が楽しく、けがもせずに暮らしているならよいと思っています」と言います。
「片付け方の好みは人それぞれ。母は、他人に引き出しを見られても大丈夫な性分。そういう人は、無理に物を捨てなくてもいいのかもしれません。私は他人にプライベートな部分を見せたくないので、自分で片付けたい。それぞれの性分によって納得がいく準備ができればいいのでしょうね」
高見澤さんは、夫や友人を見送った経験から理想の葬儀などの希望を持っています。眞紀さんに「希望がわかるよう、“注文書”に書いておいてね」と言われ、書き残すことに。希望を伝えるには、こんな気軽な形でもいいのです。
片付ける上での心得、後悔しないようゆっくり考える

「いる・いらない」の判断は急ぎ過ぎないことが大切。昔使っていた火鉢をテーブルにするなど、他に使い道が見つかる場合も。捨てるか判断に迷う物は、後悔のないようゆっくり考えて。
人に片付けをお願いする場合の希望の伝え方
“伝えない”ことが迷惑につながります。希望は遠慮せず“注文書”に書く。親子では考え方が違うこともあるので、希望があるなら日頃から話し合ったり、書き残したりすることが肝心。希望を伝えるだけなら、「注文書」といった気軽な形でも。
片付けづらい物、大切な物の手放し方
着物ははさみを入れて少し残し、後は潔く捨てる

数年前、買い取り業者に高価なきもの数枚をわずか1万円で売ったことが。「業者に二束三文で売るくらいなら、自分でリメイクした方がよかった」と、今ははぎれを額縁に入れて飾ったり、帯は敷物にしたりと工夫しています。
不要になった家具を処分するときは、自治体のサポートを活用
大型の家具は処分。粗大ごみを集積所まで持ち出すことが困難な一人暮らしの高齢者(65歳以上)や障害がある方のみの世帯は、自治体によっては玄関先に収集に来てくれるサービスを利用できる場合があります。詳しくは、各清掃事務所にご相談を。
靴やバッグは信頼できる業者先を決めて、定期的に送る
もう履かない靴やバッグ、洋服は、買い取り業者に定期的に送付。「段ボールが送られてきて、詰めて送るだけ。金額は期待しちゃダメです(笑)」
写真は、撮った“場面”を思い出せる物だけに厳選していく

親しい友人と仕事をしていたときのこと、夫との旅行の思い出など撮った場面を懐かしく思い出せる物のみを残し、集合写真など思い入れの少ない物は処分。
来客用だった食器は普段使いにしてしまい込まない

引き出しにしまっていた来客用の湯飲みやカップなどは、普段使いに。「しまい込むのはもったいないと娘に言われて、それはそうだなと思って」
高見澤たか子さんのプロフィール

高見澤たか子さん
たかみざわ・たかこ 1936(昭和11)年東京生まれ。ノンフィクション作家。伝記作品の他、自らの体験を通して家族や生活、高齢社会をテーマにした著書も多い。『自立する老後のために』(晶文社刊)、『「終の住みか」のつくり方』(集英社文庫)など著書多数。
取材・文=大門恵子、野田有香(ともにハルメク編集部)、撮影=中川まり子
※この記事は「ハルメク」2019年9月号に掲載した記事を再編集しています。
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