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- 大人の社会科見学・茶畑ツアー!茶摘み&お茶作り体験
「お茶活クラブ」はお茶好きが集まるコミュニティです。今回、お茶のパイオニア・伊藤園さんから「ダイナミックお茶体験ツアー」にご招待いただき、ハルトモ倶楽部メンバーでもある夢丸さん・杉崎さんのお二人が参加。その様子を写真とともに紹介します!
お茶作りを五感で学ぶ!日帰りバスツアーへGO!
今回、ハルメク「お茶活クラブ」メンバーが参加したのは、静岡県にある伊藤園の契約茶園がある「大淵笹場」と「伊藤園相良工場」を巡り、お茶作りについて学ぶ、日帰りバスツアー。
お茶好きにはタマらない、お茶づくしのツアーです。1日のツアースケジュールは、以下の通り。
- 8:30 JR静岡駅に集合。バスで茶畑に向けて出発!
- 10:00 お~いお茶CMロケ地でもある「大淵笹場」で記念撮影&茶摘み体験
- 12:00 「日本料理 はせ川」さんでお茶づくしのスペシャルランチ
- 14:30 「伊藤園 静岡相良工場」でお茶体験(抹茶工房・伊藤園ミュージアムの見学、荒茶の手揉み・火入れ体験)
- 17:30 JR静岡駅にて解散。
茶畑での茶摘みやお茶づくしランチ、工場見学など、盛りだくさんな体験の様子を、当日の写真とともにご紹介します!
「お~いお茶」のCMロケ地・大淵笹場で記念撮影
最初の行き先は、静岡県富士市の大淵地区にある「大淵笹場」。ツアーの集合場所・静岡駅からバスで約1時間半。日本が誇るお茶処・静岡県の中でも、一大産地として知られているエリアです。
中でも大淵笹場は、数少ない電線の入らない富士山撮影ポイントとして、多くのメディアやカメラマンが訪れるお茶の聖地。「お~いお茶」のテレビCMのロケ地でもあり、晴れた日には茶畑のバックに雄大な富士山を望むことができます。
この大淵笹場は、伊藤園がお茶の魅力と日本の文化を後世に伝えるため、46年前から茶農家の方と共に、高品質の原料茶葉の安定調達と持続的な茶農業の両立を目的とした「茶産地育成事業」を展開している茶園の一つとのこと。
あいにく6月下旬のツアー当日は梅雨の真っただ中。曇り時々雨という天候で富士山は拝めませんでしたが「5月頃の早朝に来ればこんな風景が楽しめます。次はぜひ晴れの日に来てください」と農家の方に言われ、来年のリベンジを誓った一同でした。
茶畑の中にある歩道を上って、緑の丘の上へ。「有村架純さんと松本穂香さんが撮影したのはちょうどこの辺りです」と言われて、思わず茶畑の中へ!
CMと同じように、みんなで「お~い、しい!」と叫んでみましたがどうでしょうか(笑)。
背景が雲で真っ白ですが、心の目で、富士山を合成していただければ幸いです……。
茶畑を見下ろす「富士山の茶の間」で緑茶の飲み比べ
急な斜面を上り切った先には……絶景の茶畑テラス「富士山の茶の間」がありました!
「大淵笹場で取れた茶葉で入れたお茶です。12時間抽出した冷茶と温かいお茶とを、ぜひ飲み比べてみてください。温かいお茶は、1煎目は低温でじっくり、2煎目は高温で、入れ方を変えてみます」と伊藤園のティーテイスターさん。
実際に飲み比べてみると、冷茶は暑い夏にぴったりなスッキリ爽やかな味、低温で入れたお茶は甘味のあるまろやかな味、高温で入れたお茶は渋みのあるキレのある味と、三者三様、それぞれ違った魅力を感じました。
同じ茶葉でも、入れ方や温度によって、味も香りもまったく違って感じます。お茶の奥深さを感じた瞬間でした。
また、お茶と合わせていただいたフィナンシェやクッキーはすべて、大淵笹場で取れた茶葉を練り込んだ生地で地元の方が手作りしてくれたもの。中でも富士山のアイシングクッキーは、今回のツアーのために特別に焼いていただいたそう!
お菓子を口に入れると、緑茶やほうじ茶の香りがふわっと広がります。目の前に広がる緑一色の丘、遠くから聞こえる小鳥の鳴き声、風のざわめき……全身で自然を感じて「至福の時」を過ごせました。
あまりに幸せ過ぎて「もう日常に戻れないかも」と思うほど。これもお茶のリラックス効果のおかげでしょうか。忙しい日常に疲れた方は、ふらっと訪れてお茶をいただくと、悩みも不安もどこかにいってしまうはずです。
一芯二葉…はじめてのお茶摘み体験に感動!
しばしゆるりと茶の間でくつろいでいると、パラパラと小雨が……! 慌ててレインコート&シューズカバーを身に着けて、茶摘み体験へと急ぎます。
「5月に一番茶は摘み取っているので、今日は二番茶を摘み取ります。一番茶は金額も高いし味もいい。一番茶と二番茶の大きな違いは、茶葉の重さ。栄養豊富な一番茶はずっしり重いけど、二番茶になると軽くなります」と茶農家さん。
新茶がおすすめの理由は、記事でも取り上げたので知っているつもりでしたが、茶葉の重さで実感できるほど違うとは驚きです。
「長く伸びた葉の一芯二葉(いっしんによう:芯とその下の2枚の葉)を摘んでください。この時期は葉が柔らかいので、親指と人差し指で茎を挟んで手にスナップを利かせて折るだけで簡単に摘めます。ほら、ね?」
さっそく茶畑に入ってアドバイス通りに、茎を挟んでくいっと押すと……
思っていたよりも簡単に、茎がポキっと折れました!
「うわぁ、茶葉ってこんなに柔らかいんですね!」と、はじめて茶摘みをしたメンバーから驚きの声が上がります。
最初は恐る恐る摘み取っていましたが、コツを覚えた後は黙々と、無心で茶摘みを進めていきます。
気付けば、杉崎さんのザルが早くも茶葉でいっぱいに…!
「どのくらい取って大丈夫ですか?」と茶農家さんに聞くと「気にしないで大丈夫!いつもは機械でダーッと摘み取って、何kgも袋に入れて運んでるんだから(笑)。乾燥させると縮むから、できる茶葉はほんの少しだよ」とのこと(ホッ)。
聞けば100kgの生の茶葉を蒸して乾燥させて作られる製品(仕上げ茶)は、18kg程度なのだとか! 加工の過程で5分の1以下になってしまうんですね。茶摘みは重労働なので、地域の人や伊藤園の社員さんも一緒になって行っているそうです。
「そんなことより、茶葉を一口食べてみてごらん。摘んだばかりの茶葉は、新鮮で柔らかいから、食べられるよ」
笑顔の茶農家さんに促されて生の茶葉を食べてみると……お茶ならではのほのかな苦みを感じます。葉物野菜のような、フレッシュでみずみずしい味わいでした。
畑で摘んだ茶葉をその場で口にするなんて、なかなかできない経験です。茶畑だけでも、目で見て、耳で聞いて、手で感じて、鼻で嗅いで、口で味わって――。まさに五感すべてでお茶を感じることができました。やっぱり、お茶ってスゴイ!
緑茶&抹茶をおいしくいただく「お茶づくしランチ」
お昼ごはんは「日本料理 はせ川」さんで、お茶づくしのスペシャルランチ。お茶餡とカツオだしの茶碗蒸しや、お茶のムースなど、全7品のメニューをいただきました。
「茶畑で茶摘みをして、その後すぐランチで茶葉を食べられるなんて、すごい贅沢ですよね~」
大淵笹場の茶農家さんから「持ち帰った茶葉は柔らかいうちに天ぷらにするのがおすすめ」と言われて、どんな味か気になっていたのですが、ランチメニューにもお茶の天ぷらがありました!
爽やかな緑茶の香りを感じる茶そばと合わせて、お茶の葉と桜エビのかき揚げを、抹茶塩でいただきます。
「おいしいーっ!抹茶塩、いいですね。家でも作って、いろんな食材に試してみたいです」と杉崎さん。
すると「抹茶って紫外線や空気に触れると劣化しやすいので、作ったらすぐホイルに包んで保管してください。抹茶チームが、スーパーで透明な瓶に入って売られている抹茶を見て、いつも悲しがってるんです」と伊藤園の社員さん。
その“お茶愛”にメンバーが驚いていると「みんなお茶や商品が大好き過ぎて。いつも一生懸命で。本当に『お茶バカ』なんです」と照れ臭そうに笑う姿を見て、本当にお茶が好きなんだな、とほっこり。
その後も、さまざまなお茶雑学や開発秘話を教えてもらいました。
「お茶は鮮度が何より重要です。伊藤園では、原料の茶葉からボトルに至るまで、鮮度にとことんこだわっています。この後に行く相良工場には、そんな『こだわり』がいっぱいなので、ぜひチェックしてみてくださいね」
“お茶愛”とこだわり満載の工場見学&伊藤園ミュージアム
牧之原市にある「伊藤園 静岡相良工場」には、「お~いお茶」の緑茶リーフ商品の製造ライン、抹茶工房、品質管理や商品開発、緑茶の健康効果についての研究などを行っている中央研究所などがあります。
今回は「抹茶工房」と、工場に併設している「伊藤園ミュージアム」を見学した後、荒茶の手揉み・火入れを体験してきました。
まずは、抹茶工房の見学からスタート。ここでは、抹茶の原料である「碾茶(てんちゃ)」を粉砕して、計量・包装する様子を見学できます。
「抹茶工房では、2種類の粉砕方法を見学できます。石臼は、1時間に生産できる抹茶は約20gととても少ないです。一方、ハンマーミル粉砕機は、1時間に約40kg(石臼の2000倍!)もの抹茶を作れます」と、伊藤園の社員さん。
石臼で挽いた抹茶は、口当たりがなめらかなので、主に茶道用の高級抹茶として使用されるそう。
実際に石臼を回す体験コーナーがあったので、「お茶活クラブ」メンバーもチャレンジしてみました!
「想像以上に固いです……あ、少しだけ緑色の粉が出てきました! でも、すごい手間がかかりますね」と、夢丸さん。
「そうなんです。抹茶飲料などの場合、すでに粉砕されたものを仕入れることが多いと思うのですが、抹茶は日本が世界に誇る食文化の一つ。伊藤園では、原料の茶葉作りから、荒茶加工、仕上げ加工まで、品質にこだわって製造しています」
抹茶工房に搬入される前の荒茶加工でも、茶葉が重なって傷つき品質が劣化するのを防ぐために、風圧で吹き上げて一枚一枚バラバラにしてから、乾燥しているそう。
「煎茶以上に抹茶は手をかけて作られる『箱入り娘』なんです。過保護すぎるくらいに、大事に大事に作られているんです」
まさに“お茶愛”の賜物!
続く「伊藤園ミュージアム」の見学でも「どうしたらお茶を広く愛してもらえるのか、よりおいしいお茶・社会に役立つ製品を作る方法は?」という、現場スタッフの方の長年にわたる、お茶作りの歴史とアツい想いに触れることができました。
伊藤園では、ペットボトル飲料などを作った後に残る茶殻も捨てずに、茶殻リサイクル製品として活用しているそう。社員さんの名刺や封筒、畳やベンチ(!)まで、さまざまな形で茶殻がリサイクルされていると知り驚きました。
見学の最後は、茶殻リサイクルベンチに座って、「新・鮮度茶葉2022」の紹介ビデオを鑑賞。
ペットボトルの形状やパッケージデザイン、茶葉の作り方や抽出方法など、時代・消費者のニーズの変化に合わせて、改良を重ねている姿勢に強く心打たれた一同でした。
茶畑ツアーの締めは、茶葉の手揉み・火入れ体験!
茶畑ツアーのラストは、緑茶の製造工程の一部、仕上げ加工について学びます。通常は工場の機械で仕上げていきますが、今回は手揉みでチャレンジ……もとい「茶レンジ」させてもらえることに!
お茶の製造工程は、蒸熱→冷却→乾燥&手揉み→乾燥という順番で進み、工程が進むたびに茶葉が乾燥して、細く伸びた形状になっていきます。
「生の茶葉から手揉みで仕上げるとそれだけで何時間もかかってしまうので、今回はある程度乾燥した茶葉を使って体験いただきます。『ほうろ』という保温機付きの台の上で茶葉を温めながら、手の平に茶葉を押し込むようなイメージで、水分を飛ばしていきます」
水分で少しねっとりとした感触の茶葉を、手の平の上で一方向にギュッギュと揉み込みます。じんわりと、手の平が湿った感触になれば、うまく水分が抜けている証拠です。
できあがった茶葉は、IHヒーター&フライパンで火入れしていきます。火入れすることで、まろやかな味と緑の水色がを保ちながら、香り立ちを高めることができます。
「火入れは好みもあるので、自分がOKというところでIHヒーターから下ろしてください。私が作った荒茶もよければ一緒にジッパー付き袋で持ち帰って、飲み比べてみてくださいね。ちなみに、茶葉がきつね色になるまで熱し続けると、ほうじ茶になります。ご自宅にある茶葉が古くなってしまったときは、緑茶で自家製ほうじ茶作りをするのもおすすめです」
朝・自分で摘んだ生の茶葉と、夕方・手揉み&火入れで仕上げた仕上げ茶は、茶畑ツアーならではのおみやげになりました。
抹茶をいただきながら茶畑ツアーの感想を聞いてみました
最後に、抹茶工房で挽いたお抹茶と和三盆のお茶菓子、そして、工場見学者だけが食べられる非売品の抹茶アイスをいただきながら、「お茶活クラブ」メンバー、夢丸さん・杉崎さんに茶畑ツアーの感想を聞いてみました。
▼夢丸さん
「今日は楽しい一日をありがとうございました。OL時代に毎日淹れていた『お茶』の向こうに、いろんなドラマがあったことを初めて知りました。久しぶりに、本気で働く人たちを見た気がします」
▼杉崎さん
「お茶の素晴らしさに、そして伊藤園の素晴らしさに、たくさんたくさん触れることができました。こんなにも貴重な体験をさせていただき、感謝の思いでいっぱいです。今後もぜひこうしたイベントに参加したいです!」
お茶の産地・茶畑から始まり、加工工場の見学、そして仕上げ茶を自分で作る体験まで、お茶づくしの1日。学び多き「大人の社会科見学」な1日でした。
文・写真:竹下沙弥香(ハルメク365編集部)
夢丸さん・杉崎さんのレポート、今後のイベント情報も
お二人にも体験レポートを書いていただいたので、ぜひあわせてチェックしてみてくださいね。
- 夢丸さんのレポート:行ってきました!「お茶活クラブ」茶畑ツアー
- 杉崎さんのレポート:ハルメク版プロフェッショナル仕事の流儀~伊藤園編~
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