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- 10月1日は日本茶の日!お茶の歴史を学ぼう
10月1日は日本茶の日です。普段、何気なく飲んでいるお茶。でも、その歴史についてはあまり詳しく知らないという人も多いのでは? その伝来から庶民への広まったきっかけ、缶・ペットボトル入り緑茶飲料の誕生まで、お茶の歴史を紹介します。
身分に関係なく一般人にお茶を広めたのは豊臣秀吉だった!
みなさんは、10月1日は日本茶の日だと知っていますか? そして、なぜ「10月1日」なのか、その由来を知っていますか? その疑問に答えるために、まずはお茶の歴史を振り返ってみましょう!
お茶が日本に伝わったのは奈良・平安時代のことだと言われています。この頃、日本は中国の進んだ制度や文化を学ぶために遣唐使や留学僧を派遣していました。お茶もこのような人たちが日本に持ち帰ったものと考えられています。
当時のお茶は大変貴重な物だったため、僧侶や貴族階級など限られた人々だけが口にできるものだったようです。
同時にお茶の栽培法や製茶法についても伝わり、日本最古の茶園と言われている京都栂尾(とがのお)の高山寺をはじめ、伊勢、伊賀、駿河、武蔵などでも栽培されるようになりました。
15世紀後半には、村田珠光が「侘茶(わび茶)」を創出。これを受け継いだ武野紹鴎や千利休らによって「茶の湯」が完成すると、その文化は豪商や武士たちにも浸透していきました。
そして、今から430年以上も前の1587年(天正15年)10月1日。豊臣秀吉は京都府京都市にある全国天満宮総本社・北野天満宮で、身分関係なく多くの方とお茶を楽しむ大茶会を開きました。
この「北野大茶湯(きたのおおちゃのゆ)」と呼ばれる大茶会は、お茶を大衆に広めるきっかけになったと言われています。そして、豊臣秀吉が大茶会を開催した10月1日が、現在では「日本茶の日」として、記念日に制定されています。
お茶が生活に根付いたのは大正末期から昭和初期
江戸時代になると、茶の湯が幕府の儀礼にも取り入れられ、武家社会にとってお茶は欠かせないものとなりました。
また、一般庶民の飲み物としてもお茶が浸透していたことが当時の記録に残っています。この庶民に飲まれていたお茶は、お茶会などで嗜む抹茶ではなく、簡単な製法で加工した茶葉を煮出したものだったと言われています。
1738年「煎茶(せんちゃ)の祖」と呼ばれる永谷宗円によって、より丁寧な煎茶の製法が編み出されます。それが全国の茶園に広がり、煎茶が日本茶の主流となっていきました。
1858年に江戸幕府はアメリカと日米修好通商条約を結び、長崎、横浜、函館を開港しました。その際、生糸と並ぶ重要な輸出品がお茶でした。明治維新後も茶の輸出量はアメリカを中心に増加し、輸出総額の15~20%を占めていたそう。
その後、明治中期まで花形輸出品として発展してきた日本茶ですが、輸出は次第に停滞していきます。代わりに国内の消費が増え、大正末期から昭和初期に、お茶は国内向けの嗜好飲料へと変わっていきました。
缶からペットボトル、そして100%リサイクルPETへ
こうして日常的な飲み物として一般家庭へと普及したお茶ですが、煎茶は急須で入れる手間がかかることや、食の欧米化がますます加速したことから、若い世代を中心に次第に緑茶離れが進み、1975年頃から市場そのものが勢いを失っていきます。
そこで立ち上がったのが、“日本のお茶”のパイオニア・伊藤園。「緑茶をいつでもどこでも、自然のままのおいしさで多くの人たちに味わってほしい」という想いから、緑茶飲料の研究開発を進めていきます。
人気緑茶飲料「お~いお茶」の開発・誕生秘話!
緑茶を缶に詰めて商品化するためには、「変色」と「香りの変質」という、2つの課題をクリアする必要があったそう。これらの課題をクリアするため、緑茶を缶に詰めてフタを付ける直前に缶内部へ窒素ガスを噴射する技術を開発します。
研究には実に10年もの時間を費やしましたが、1985年に世界初の緑茶飲料「缶入り煎茶」を発売。これにより、今まで「家で急須で入れて飲む」ものだった緑茶は「いつでも、どこでも、飲みたい時に飲める」便利で手軽な飲み物に変わりました。
しかし、当時は「お金を出して緑茶を買う」という文化がなく、「煎茶(せんちゃ)」の読み方がわからないという問題もあったそう。親しみのある家庭的な飲料として、当時CMで使用していたキャッチフレーズ「お~いお茶」を商品名にしたと言います。
今では、緑茶飲料販売実績NO.1ギネス世界記録認定(※1)になるほど人気の緑茶飲料「お~いお茶」に、そんな誕生秘話があったなんて、驚きですよね!
2000年代に入り、ホット専用&電子レンジ対応ペットボトルも登場!
さらに、1990年には、これまた世界初のペットボトル入りの緑茶飲料を発売。飲みかけでもキャップができることで、簡単に持ち運んで、より幅広い場所やシーンで緑茶が飲めるようになりました。
ペットボトルは、光の影響を受けやすく酸素を通しやすい特性があるため、緑茶抽出後に発生する「オリ」があると鮮度を損なうという問題があったそう。
「ペットボトル入り緑茶飲料を作るのは不可能」と言われていたそうですが、伊藤園では目の細かいマイクロフィルターを使うことで、この課題を解決したそうです。
さらに、2000年にはホット専用ペットボトルを開発。これまで夏季の消費がメインだった緑茶市場に、大きな変化をもたらしました。2016年には電子レンジ対応ペットボトルも登場しました。
現在はSDGs対策にも積極的に取り組み、ホット専用ボトルはすべてリサイクルPET100%を達成したそう。それ以外の「お~いお茶」ペットボトルもすべて、2030年までにリサイクルペットへ変更予定とのこと。
こうして見ると、伝来から約1200年も飲み続けられてきたお茶ですが、その飲み方は時代にあわせて変化していることがわかります。
10月1日の日本茶の日に、お茶の歴史を改めて振り返るとともに、これからもお茶を楽しみながら日本の伝統文化・お茶を次の世代に繋いでいきましょう!
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