大竹しのぶ!いつもハッピーいられる大竹流マインド
2024.08.172024年08月09日
泣き虫だけどチャーミング…喜怒哀楽の感情を演じ
大竹しのぶ!「誰かを思って悲しむ」それは素敵な事
ディズニー&ピクサー映画「インサイド・ヘッド2」で前作に続いてカナシミの声で出演した大竹しのぶさんにインタビュー。大人から子供まで楽しめる「インサイド・ヘッド2」の魅力と大竹さん流のコミュニケーション術や人生を楽しむヒントを伺いました。
内気で泣き虫だけどチャーミングな役を演じ
「インサイド・ヘッド2」で大竹さんが演じるカナシミは、主人公の少女ライリーの心にいる感情のひとつ。人はみんなヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカなどの感情を持っています。
前作で11歳だったライリーが、高校入学を控えたティーンエイジャーに。彼女の感情の中にシンパイ、ハズカシなどの新しい感情が生まれるとヨロコビやカナシミは追いやられてしまい、ライリーの感情は掻き乱されていく……という物語。内気で泣き虫だけど、とても優しいカナシミを大竹さんはチャーミングに演じています。
誰かを思って悲しむという優しい気持ち
―「インサイド・ヘッド2」で再びカナシミを演じることになりましたが、どのような準備をされましたか?
大竹しのぶさん(以下、大竹しのぶ)
前作の「インサイド・ヘッド」を見直したりはしましたけど、特別な準備をすることなくすんなりと声の収録に入りました。
私が演じたのは、ライリーのカナシミの感情なのでよく泣きますが、彼女はライリーのことや彼女の周囲の人々を思って悲しみます。「誰かのことを思って悲しむ」なんて、とてもやさしい世界。だからカナシミを演じるのは楽しかったです。
喜怒哀楽の感情が抑制されてしまうのは残念
―ライリーは成長とともに感情の幅も広がって新しい感情が生まれますが、ライリーの変化を大竹さんはどのように感じましたか?
大竹しのぶ
大人になると、子どもの時のように楽しくてはしゃいだり、怒ってワーワー言ったりするだけでなく、恥ずかしいという気持ちや、やる気がない……というような感情も生まれますよね。それは周囲の目や相手にどう思われているのかを気にしたりするようになるからだと思います。
でも個人的には、喜怒哀楽をノビノビ表現していたのに、それが抑制されてしまうのは寂しいことだなと思いますね。
―完成した映画を観た感想は?
大竹しのぶ
「インサイド・ヘッド」も大好きな映画でしたが、「2」はより感情移入ができました。やはりライリーが成長して感情が複雑になった分、ドラマ要素も増えて、観ているこちらの感情も揺さぶられることが多く、ドキドキしながら観ることができましたね」
ライリーとは違った!自分の息子の思春期
―ティーンエイジャー特有の複雑な感情を抑えきれなくて、親を困らせてしまうこともあるライリーですが、大竹さんも子育てのとき、苦労したことはありますか?
大竹しのぶ
反抗期はなかったんですが、息子は学校に対して心の中で反抗心があったようで「学校へ行きたくない」という時期がありました。そのときは「なぜ行きたくないのか」と徹底して話したり、何度も学校に行って先生とお話をしたりしましたね。
原因を探ったり、一緒に悩んだり、闘ったり……闘うという言い方が適切かわからないのですが。やはり親なので子どもの味方をするじゃないですか。理不尽だと感じることがあったら、学校側に直談判しに行ったりもしました。今では「そんなこともあったね」と、思い出話になっています。
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大竹しのぶ(おおたけ・しのぶ)
1957年東京都出身。75年、映画「青春の門―筑豊編―」のヒロイン役で本格デビュー。NHK連続テレビ小説「水色の時」で全国区の人気俳優に。以降、映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍している。近作は劇場アニメ「君たちはどう生きるか」(2023年)ドラマ「海のはじまり」(24/フジテレビ)。最新作は舞台「太鼓たたいて笛ふいて」(24年11月より紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA ほか)
「インサイド・ヘッド2」
監督:ケルシー・マン
制作:マーク・ニールセン
日本版声優:大竹しのぶ (カナシミ), 多部未華子 (シンパイ),横溝菜帆(ライリー),村上(マヂカルラブリ―/ハズカシ)
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン ©2024 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
取材・文=斎藤香 写真=泉三郎 編集=鳥居史(ハルメク365)