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- ホスタ大好き!緑が美しい春のカラーリーフを楽しむ♪
ホスタをご存じですか?ギボウシとも呼ばれるカラーリーフです。15種類ものホスタを庭で育てるガーデナー・奥野多佳子さんが、多種多様な魅力や楽しみ方を紹介します。
美しいカラーリーフ「ホスタ」
春、庭の芽吹きが始まると、冬に地上部が枯れる宿根草たちもそれぞれのタイミングで顔を出してきます。それを見ると、今年も無事に寒い季節を越したんだと、ほっと安心します。
宿根草は、眠っていた冬にため込んだエネルギーでどんどん大きくなりますが、中でも私が見ていてうれしくなるのは、カラーリーフたちです。
花だけでなく葉色や葉の形が美しいカラーリーフは、庭のアクセントになってくれる優秀なプランツ。中でも一番のお気に入りが、ホスタです。
土を押しのけて出てくるホスタの芽吹きは力強く、春の葉の色合いの美しさ格別です。今月は我が家のホスタの春の様子をご紹介します。
ホスタは、ギボウシともいわれていますが、日本に昔から自生していたので日本の気候に合った植物です。それをシーボルトがオランダに持ち帰ったことで人気が出て欧米に伝えられ、品種改良が進み、のちにたくさんの新しい品種が逆に日本に入ってきました。
緑の色合い、斑の入り方、形など微妙に違って種類の多い植物です。冬は地上部が枯れますが、春に芽吹き、葉を繁らせ、初夏に花を咲かせ、晩秋に葉が枯れていく……という一年のサイクル。
ほとんど手入れしなくても丈夫に育ってくれるので、私のような手抜きガーデナーにとっては、なくてはならない存在です。
ホスタ大好き!探すならおぎはら植物園
庭にホスタがいくつあるでしょう……。数えてみたら、15種類、46株もありました。
始めは「手がかからなくて日陰でも育つ宿根草」というのが魅力で植えていましたが、いえいえ……その葉色の美しさに魅了されてしまいました。これほど緑の色合いが微妙で質感の面白い植物は、他にあまり知りません。
15年ほど前にホスタに魅せられてからは、毎年長野県軽井沢に行く途中、上田市にある取り扱い品種の多いことで有名な老舗「おぎはら植物園」に寄っては、お気に入りのホスタを探すようになりました。見渡すほど広いハウスの中に並ぶホスタを見るだけでワクワク!関西では販売されていないものや珍しい品種など、どんどん増えていきました。
実際にいろんな種類のホスタを見たり、スタッフの方にお話を聞いたりすることで、庭に合う品種を選ぶようになってきました。そんなホスタたち、もう20年近く元気で育っています。バラのように庭を華やかにしてくれるわけではありませんが、決して脇役ではない植物です。
私はバラを中心にした庭づくりをしていますが、いつかホスタやグラス類……カラーリーフを中心に、葉の色彩を生かしたローメンテナンスの庭にしたいと思うほどです。
ホスタの魅力(葉、色、質感、姿、花)
1.葉の色合い
「緑」といってもいろんな緑色があることに最初はびっくりしました。緑の濃淡だけではなく、ブルーがかった緑色のブルー系やグレーっぽい緑色などとても変化に富んでいます。
そして葉の中心やフチに白やクリーム色の斑が入る……斑入りのコントラストも素敵で庭のアクセントになってくれます。
まるで筆で描いたみたい! よく見ると一枚一枚色が違います。美しい造形……自然からの贈り物です。
2.葉の質感
薄くてふんわりした葉や、厚い葉、葉にシボのような凹凸がある葉、細いスジがある葉、つややかな葉など品種によって違います。私は特にこのボコボコした質感が面白くて大好きです。
3.ダイナミックな姿
ホスタは、大きな葉や小さな葉、細長い葉やくるんとカールしたものなど、葉っぱの形もさまざまです。そして大きな葉が広がって直径1m以上にもなる大型種もあれば、小さな鉢で育てる小型種もあります。大型種の大きな葉がたっぷり広がる姿は、とてもダイナミックで存在感があります。
4.可憐な花
6~7月頃に咲く花も魅力的です。薄い紫や白、淡いピンクなど涼し気な色合いの花が花茎を伸ばして咲きます。小型種のひっそりと咲く姿は可憐で、ラッパ型の小さな花から黄色のシベが見えると、とってもかわいい。
それに比べ大きな株からは、数え切れないほどの花茎が立ち上がってダイナミックに咲きます。花は長持ちしませんが、次々に咲きます。
春のホスタたち
3月中旬、庭ではホスタの芽がツンツン出てきます。
上の写真は大型種のホスタ、サガエ。たくましい芽からは、眠りから覚めた植物の力強さを感じます。地上に顔を出した葉は鮮やかで無垢……柔らかな雰囲気です。
小さくツンツンと出てくるのは、小型種のゴールデンティアラです。土を押しのけて出てくる様子は、小さくても、たのもしい。
そして……クルクル♪ 葉を巻きながら広がります。このクルクルが庭のあちこちで見られると、春が来たって感じるほどです。
大型種のホスタは、グ~~ンと伸びをするように、芽吹きのとき茎が高く立ち上がります。手前がサガエ、後ろがジューン。
ホスタの近くにチラチラと芽が出てきたのが、アマドコロです。これもかわいい宿根草で、地下茎で増えていきます。
大型種のフランシスウイリアムズからは、大きな葉がほどけるように開いていきます。
4月初め、サガエは少し葉が広がります。この時期が一年で一番ホスタの色が鮮やかで美しい季節です。手前の小さな鉢は左からヤブラン、ホスタ メディオパリエガータ、ホスタ プラチナムティアラ、右の白い穂は種まきで育てたラグラス。
チューリップが咲く頃、ホスタの成長は品種によってさまざまです。右端のサガエは少し開きかけ、中央のキングサイズはもう大きく開き、でも左端の青い鉢のフランシスウイリアムズはまだ立ち上がったばっかりです。
でも5月になるとみんな大きく広がり、右のサガエは直径1m50cmを超えるほどになります。サガエは葉のふちがウエーブするように波打って、より存在感が増してきます。手前の小さな鉢のホスタたちの日傘にもなっています。
ホスタは5月初め頃まではお日さまを浴びても大丈夫ですが、日差しが強くなってくると葉焼けしてしまいます。特にブルー系のホスタは日差しには要注意です。
我が家のフランシスウイリアムズやサガエは耐性ができたのか、真夏の日差しでも元気に育つようになりました。でも、もちろん日陰の方が葉の色合いがきれいに保てるのは確かです。
夏を過ぎ秋になると、ホスタの色合いも変わってきます。晩秋の黄変するホスタも本当に美しい……。ホスタは1年を通して楽しめる植物です。
また、種類や育て方、庭での様子などホスタ情報、お知らせしますね。
「おぎはら植物園」
長野県上田市芳田1193
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