ふんわり春色&黒メインの大人色どちらが好み?

ビオラで!おしゃれな春の寄せ植え2パターン

公開日:2023.03.20

いよいよ春!ビオラを使った〈ふんわり優しい春色の寄せ植え〉と〈黒がメインのシックな大人色の寄せ植え〉の2パターンの作り方をご紹介します。教えてくれるのは、自庭の創作に抜群のセンスを発揮するバラ愛好家の奥野多佳子さん。どちらがお好みですか?

長く楽しませてくれるビオラ

長く楽しませてくれるビオラ

春の日差しに包まれる3月、冬の寒さが厳しかっただけに今年の春は例年になく暖かく穏やかに感じられます。庭の子たちもそれを感じてか、のんびりと顔をのぞかせて……。新しい命が萌えたつこの季節は、庭のあちこちで春の息吹が感じられて、毎年のことなのに新鮮でワクワクしてしまいます。

庭が動き始める瞬間です。

そんなとき、庭に春色の寄せ植えがあるといっそう華やかになるので、毎年冬の間に作るようにしています。

今回はビオラを使って〈春色のふんわりした雰囲気の寄せ植え〉と〈個性的な黒いビオラでおとな色の寄せ植え〉の2種類を作ってみました。

ビオラ

秋になるといろんな種類のパンジーやビオラが園芸店に並びます。パンジーとビオラは花のサイズの違いで分けられていて、ビオラは3cm程度、それ以上大きくなるとパンジーになります。

10月頃から春までおよそ半年ほど花を咲かせるパンジーやビオラは、本当に優秀だな~といつも感心します。そんなに長く咲いてくれる花はそうそうないですから……。ちょっとしたお手入れで次々と長く咲いてくれるので、地植えにしても寄せ植えしても春には欠かせない花です。

 

【1】春色ビオラのふんわり寄せ植え

春色ビオラのふんわり寄せ植え

まず、明るくかわいらしい春色のビオラを使った、やさしい雰囲気の寄せ植えです。

〈春色〉準備する道具など

鉢

直径35cm、高さ22cmの高台の鉢を使います。丸みがあってビオラのかわいい色合いが映える白い鉢を選びました。

 

土や道具類

土や道具類

  • 市販の培養土に通気性や保水性をよくするためにパーライトとバーグ堆肥を少し混ぜています。
  • 殺虫剤の「オルトラン」粒状と緩効性肥料の「マグアンプK」も土に混ぜておきます。
  • 鉢底ネットと鉢底石
  • スコップや土入れ、ハサミなど

〈春色〉用意する苗

春色ビオラ 5苗

春色の苗

春色の苗

園芸店には、かわいい色合いのビオラがいろいろあって迷いますが、今回はふんわりとした雰囲気にしたかったので、主にピンク+黄色+薄紫を選びました。

ネメシア 濃い紫 1苗

ネメシア
ネメシア

濃い紫色の花びらに、濃いローズ色のシベがとってもキュートで一目ぼれ……淡いビオラの引き締め役で使います。

ミニコニファー ゴールドクレスト 1苗

ミニコニファー ゴールドクレスト
ミニコニファー ゴールドクレスト

黄緑の葉がきれいで、寄せ植えに使うと明るい雰囲気になります。しっかりお日さまに当てないと、ひょろひょろ上にばかり伸びるので要注意です。

ロータス クレティクス

ロータス クレティクス
ロータス クレティクス

シルバー葉の細くやわらかな枝が伸びて、寄せ植えに使うと動きが出ていい仕事をしてくれます。よく伸びるので、春にチョンと切って挿し芽すると増やすことができます。5~6月に咲く小さな黄色い花がかわいい。

ロータス クレティクス

苗を3つに分けておきます。

〈春色〉作り方

1.鉢底ネットを敷き鉢底石を入れた上に、培養土を鉢の高さの8分目まで入れ、中央にコニファーを植える。

コニファーを植える

2.ビオラを色合いを考えながら、コニファーを中心に3方向に植える。

ビオラを3方向に植える

ビオラは根が張っていたら底の白い部分を少し取り除いてほぐして植えます。少し根をほぐすと活性化されて、そのまま植えるより根の張りが良くなります。

3.3つの間に他のビオラと紫のネメシアを植える。

3つの間に他のビオラと紫のネメシアを植える

違う色合いが隣にくるように配置します。


4.6つの苗を植えたら、その間にしっかり土を入れます。

土を入れる

5.コニファーとビオラの間に、3つに分けたロータスクレティクスを等分に植えます。

ロータスクレティクスを植える

ロータス クレティクスはいろんな方向に伸びていくので、ビオラやネメシアの上や下の方に誘引しておけば奥行き感が出ます。

6.完成です!

完成

白い鉢に優しい色のビオラが春を呼びますね。ライムグリーンのコニファーも明るい雰囲気にしてくれます。

【2】黒をメインに大人色ビオラの寄せ植え

黒メイン大人色のビオラの寄せ植え

やさしい色合いの花を黒いビオラで引き締めて、大人っぽい寄せ植えを作りました。

〈大人色〉準備する道具など

鉢

鉢は、縦・横30cm、高さ28cmのグラスファイバー製です。テラコッタの鉢よりずっと軽く、通気性もいいので使いやすい鉢です。

ブルーグレーの色と 縁にクルクル丸いボールがくっついてるみたいで、かわいいデザインです。

〈大人色〉準備する苗

ビート ブルズブラッド 1苗

ビート ブルズブラッド
ビート ブルズブラッド

昨年ブルーの寄せ植えに使った苗で、解体した後に鉢で育てていたものです。今年の冬は厳しい寒さでしたが、葉が傷むことなく元気に冬越ししています。

これほどの黒い葉を寄せ植えに使うとき、見える分量が大きいと重たくなるので、少し低く植えたりして工夫しています。でも、いい雰囲気を出してくれます。

ネメシア ピンク 2苗 

ネメシア ピンク
ネメシア

小さな可憐な花をたくさん咲かせる寒さに強い花苗です。宿根ネメシアとありますが、夏の蒸し暑さには弱いので、私は一年草と思って育てます。早めに切り戻すと次々に咲いてきます。

プリムラ ゼブラブルー 1苗

プリムラ ゼブラブルー
プリムラ ジュリアン(ゼブラブルー)

白い花びらにブルーの筋が入って中心部分が黄色く、とても個性的なプリムラジュリアンです。寒さに強くて暑さに弱い一年草ですが、花柄をこまめに摘むと次々よく咲いてくれます。

プラチーナ 1苗

プラチーナ
プラチーナ

細い枝のようなシルバーの葉が密集して、これもとても個性的な植物です。寒さに強いですが、夏の蒸れには弱いので、我が家のような蒸し暑い地域では消えてしまうことが多いです。 

プラチーナ

鉢から出して2つに分けておきます。

ビオラ ブラックオパール 2苗

ビオラ ブラックオパール
ビオラ ブラックオパール

ビオラは本当にいろんな色がありますが、ほぼ黒に近い濃い紫のビオラは個性的で、単体で植えても寄せ植えにしてもとても雰囲気を作れるビオラです。こっくりした黒い色合いが好きでよく使います。

ロータス ブリムストーン 1苗

ロータス ブリムストーン
ロータス ブリムストーン

濃い緑色の葉の新芽が黄色でとてもきれいなので、よく寄せ植えに使います。寒さに強く、暑さも平気で、伸びて姿が乱れがち。

今回はジュリアンの中心の色と、この黄色をアクセントにしたかったので使いました。いい仕事してくれます。

バコパ ピンク 1苗

バコパ
バコパ

小さなピンクの花が枝垂れてよく咲きます。

〈大人色〉作り方

1.ビート ブルズブラッドを鉢の一番後ろに配置します。

ビート ブルズブラッドを植える

2.一番後ろの左右にネメシアのピンクを置き培養土をかぶせます。

ネメシアを植える

3.ネメシアの間にプリムラ ゼブラブルーを配置して、少しこんもりと高くなるように植えます。

ゼブラブルーを植える

4.プリムラの左右に、2つに分けたプラチーナを植えます。

プラチーナを植える

5.一番手前の左右にビオラ ブラックオパールを配置してやや外側に傾けるようにして植えます。

ビオラブラックオパールを植える

6.中央のプリムラのすぐ前にロータス ブリムストーンを植えます。

ロータス ブリムストーン

7.一番手前中央にバコパを配置して、手前に傾けるようにして植えます。

バコパを植える

完成です!

完成

ここではプラチーナやロータス ブリムストーンで動きを出すように、ビオラやプリムラの間に伸ばしておきます。背の高い花苗がないので、ジュリアンを少し高めに植えてこんもりした感じにして高低差をつけました。

春の寄せ植え

春の寄せ植えに使うビオラは、晩秋に作っておくと根がしっかり張って、5月頃まで次々と咲いてくれます。

植えた後は……

  • こまめに花柄を摘んで 次の花芽を出させることが一番大事です。
  • お日さまがしっかり当たる場所に置くのも大事です。ビオラは太陽が大好きです。
  • ビオラは冬はゆっくりしたぺースで咲くので、植えこむときに緩効性肥料を土に混ぜておきますが、3月を過ぎて暖かくなってきたら花がどんどん咲くので、液体肥料を週に1回ほどあげています。

暖かい春、かわいいビオラの寄せ植えは、芽吹き始めた庭のフォーカルポイントになってくれますよ。

■もっと知りたい■

奥野多佳子

1952(昭和27)年、兵庫県生まれ、大阪府在住のバラ愛好家。82年にタペストリー制作を始め、2000年に陶芸、04年に庭づくりを始める。豊中市美術協会会員。兵庫県立美術館で解説ボランティアに参加。ブログ「Soleilの庭あそび…布あそび♪」は人気です。

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