春のガーデニングに!おすすめの花9選と育て方
2023.03.222023年04月10日
育てて縫って愛おしむ ガーデンダイアリー
春を彩る、秋植えの球根の植え方・育て方・飾り方
バラ栽培のコツや花に囲まれた暮らしを発信するブログが人気のバラ愛好家・奥野多佳子さん。春の庭は色とりどりの花でいっぱい! 今回は秋植えの球根の植え方、育て方、寄せ植えや飾り方について。特にチューリップの種類の多さと美しさにご注目!
春を告げる、秋植えの球根たち
優しい風が冬の終わりを伝える頃、凍える冬を土の中で過ごした球根たちが目覚め始めます。色のなかった庭にポツポツ色彩が戻ってくると春の訪れを感じ、冬ごもりしていたガーデナーのギアが入ります。今年も始まる……そんなうれしい瞬間です。
今回は我が家で早春から咲き始める、秋植えの球根をご紹介します。
※画像は複数あります。Yahooで閲覧している方は、画像をスライドして確認ください
庭で一番に咲き出すのはクロッカス
クロッカスは高さ10cmほどの小さな花で、黄色や白、紫など色や種類が豊富で育てやすい球根です。私はこのスジが入った「ピックウイック」という品種がお気に入り! 細い緑の葉に、明るい花びらと花芯の鮮やかな黄色が映えて春を感じます。でも、しおれるのが早いのがちょっと残念!
スノードロップとスノーフレーク
スノードロップは『雪のしずく』という名前の通り、始めはしずくのような形のつぼみがうつむいて、そこから3枚の花びらが開いて中の黄緑色が見えてきます。
スノードロップの後に咲くのが、スノーフレークです。この2つは間違いやすくて……?
スノーフレークは、ポコッとした花がつり下がってとても可憐な花です。白に緑のドットが本当に面白くて、初めて見たときはびっくりしました。芸術的な色、そして形……。
スイセン
スイセンもいろんな種類があって、特に最近はダブル(八重咲き)の個性的なものも多くて楽しみです。早めに植えて、寒さが来る前に根を張らせた方がよく咲いてくれます。日陰でも咲いてとても丈夫で、花も長く楽しめる球根です。
ムスカリ
ムスカリは高さ15cmほどで、小さな粒のような丸い花が集まってとても愛らしい。紫、ブルー、白、黄、ピンク……いろんな色があって、パンジーなど春の花との相性抜群! 寄せ植えで重宝する球根です。
そして 手間いらずの球根としては一番かもしれません。数年植えっ放しでも、蒸し暑い夏も越して分球して増えてくれます。ただ、植えっ放しだと、細長い葉っぱがだらんと伸びてだらしない感じに……。そんなときは、一度掘り上げて秋に植えなおすと、きれいな姿で咲いてくれます。
アネモネ
細い茎にフワ~ッとした花びらが風に揺れて。とても優しい雰囲気の花です。チューリップと同じ頃に満開になるので、寄せ植えにもぴったりです。
アネモネの球根は、売られているものは乾燥しているので、一週間ほどかけてゆっくりと冷蔵庫で湿らせてから植えつけています。寒さに強いですが夏の蒸し暑さに弱いからか、植えっ放しだと我が家では2年ほどで消えてしまうことが多くてとっても残念。日当たりのいい場所に植えます。
チューリップは種類を織り交ぜて鉢で楽しむ
チューリップといえば、春を代表する、みんなに愛される花ですが、その種類の多さにはびっくりします。高さ15~60cmと種類によって高さも、咲く時期も、咲き方も、本当にいろいろあります。なので、組み合わせを工夫するとバリエーション豊かに楽しめます。私は花後のことも考えてチューリップはほとんど鉢で育て、咲いてから移動して組み合わせて楽しんでいます。
お気に入りのチューリップをご紹介します。
レンブラントチューリップ 「プリティプリンセス」
「フィンセント・ファン・ゴッホ」
「ウィローザ」
「レムズフェイバリット」
「ガボタ」と「ブラックヒーロー」
秋植え球根の植え方・育て方
春に咲く球根はほとんどが秋、11月の紅葉が見頃の時期を目安に植えつけています。植えるときは、根が出る球根の下に肥料を(元肥)を必ず入れて……。肥料はこれだけで十分です。
土は、球根の高さの3倍の量をかぶせます。量はそれほど気にしなくても大丈夫で、球根の下に十分な土があることの方が重要です。根が張ってよく成長します。そして花芽を作るために十分寒さにあてます。
球根を植えるときは間隔を空けて植えた方がいいようですが、私はギュウギュウ詰めで植えることが多いんです。写真は直径40cmほどの大きなテラコッタの鉢ですが、深さ10cmほどのところに30~40球ほど詰めて置いてみました。こんなふうに一種類だけをたっぷりと咲かせるのもいい感じです。
このチューリップは私の大好きな「マリリン」。つぼみのときはスリムで、キュッと締まってスタイル抜群! ユリ咲きのチューリップです。
チューリップは、球根を同じ向きに植えた方が葉の出方がそろってきれいに見えます。
他の球根と混植するときは、大きな球根から植えて、土をかぶせながら層にして植えつけていきます。植えてしまえば、後は土が乾けばお水をあげるくらいで、ノーメンテナンス。
花を摘んだ後は、肥料をあげて葉っぱが黄色く枯れたら球根を掘り上げますが、我が家のように気温が高い地域では球根が大きくなれないので、翌年も咲かせるのは難しい……。なので、チューリップはその年だけと考えています。
一年草や宿根草と、球根の寄せ植え。奥野流に色合わせ
一年草や宿根草とも植えて楽しみます。チューリップはどんな花とも相性がいいですが、やはりパンジーはマストアイテムです。フリンジ咲きの「ハウステンボス」にはパンジーのタキシードを合わせてコントラストをはっきり。後ろにはピンクのストック、手前の黄色はガイラルディア。
鉢で寄せ植えするときは、まず球根を植えて少し土をかぶせ花の苗を植ていきます。黄色とローズ色ってあまり合わせたことなかったんですが、いいかも……。
白いクリスマスローズの後ろに黒い「カフェノワール」を植えるとシックな雰囲気に。
濃いピンクの「リリーローザ」と合わせると可愛い雰囲気に。
球根を、部屋でも楽しむ方法
フリージア、チューリップ、アネモネ、ムスカリ、スイセン、ラナンキュラス……。庭に咲いている球根花を切って生けました。これだけで部屋にいっぺんに春がやってきます。
球根は、土を使わなくても育てられるので、毎年部屋でも楽しんでいます。
ヒヤシンスは、コップに球根が置けるように細いワイヤを工夫して作りました。
好きな紅茶缶や器に球根を忍ばせます。上にはココヤシを置いて……。寒い日でも、暖かい部屋の中でツンツン芽が伸びてくるのを楽しめます。
スイセンは、シマシマの小さな植木鉢に。庭で咲くのとは違った雰囲気!
ガラス器を使ってヒヤシンスやムスカリを。
ムスカリは動かないように、ガラス器の中に小さなガラスボールを置いています。
白い器はサラダボール。底穴がないので、中ほどに網を置いてその上にココヤシを敷き土を入れ、球根を並べています。
切って生けることも。一番黒に近いチューリップの「クイーンオブナイト」
冬が来る前に植えた球根は 長い眠りの後、一番に春を感じて目覚めます。庭が動き出す瞬間……とても新鮮な景色です。毎年毎年、秋に球根を植えるのは、そんな春の知らせを感じたいから……。
今年はお気に入りの球根を見つけて、春の知らせを受け取ってみてはいかがでしょう。
新型コロナウイルスの感染で大変ですが、庭はいつもと変わらない春を迎え、植物たちの芽生えにあふれています。初めてのことで戸惑いますが、私はいつもと変わらず毎日お庭仕事ができることがうれしくて、気持ちも落ち着きます。
そして家に長く居ることで、家のお掃除に精を出したり、読めなかった本を読んだり、マスクを作ったり……。マスクは少しでも楽しくなるようにハートやお花のワンポイントを付けて子どもたちや家族に、そして友人に送ってプレゼントしています。
Stay At Homeで今できることを見つけながら、少し我慢して、みんなで明るく乗り越えましょう!
次回は5月に、庭のバラの様子をお伝えします。
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