- ハルメク365トップ
- 美と健康
- 更年期
- 更年期障害を市販薬で乗り切りたい。薬の選び方と注意
最近イライラやのぼせが気になる……これって更年期の症状? 病院に行くのがベストですが、忙しくて症状が軽い、そんな時は「市販薬」を試してみるのも一つの手。自分に合った市販薬の種類や効果、選び方、病院を受診する目安について解説します。
監修者プロフィール:横倉恒雄さん(横倉クリニック)
よこくら・つねお 医学博士。医師。横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。故・日野原重明先生に師事。婦人科、心療内科、内科などが専門。病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。著書『病気が治る脳の健康法』『脳疲労に克つ』他。日本産婦人科学会認定医 /日本医師会健康スポーツ医/日本女性医学学会 /更年期と加齢のヘルスケア学会ほか。
軽い症状は婦人薬や更年期対応市販薬で緩和も
「これって更年期障害かしら?」と感じるような症状があらわれたときや、病院に行くほどではない軽い症状のとき、まずは市販薬を試してみたい人もいるでしょう。
本来なら婦人科にかかって診てもらうのがベストですが、それができないときには市販薬で様子を見るのもひとつの方法です。更年期障害の症状緩和をうたった市販薬は、婦人薬や更年期対応市販薬などと呼ばれ、種類が豊富です。
中でも漢方薬はさまざまな生薬の組み合わせで作られており、全体的な心と体のバランスの乱れを回復させる働きを持ちます。更年期のさまざまな症状には「婦人科三大処方」と呼ばれる当帰芍薬散・加味逍遥散・桂枝茯苓丸などが用いられています。
ただ、漢方薬の効果を最大限に発揮させるためには、体質に合ったものを選ぶことが重要なポイント。病院で漢方薬を処方する際にはその人の体質に合ったものを選びますが、市販薬では体質に合わせて選ぶことはできません。もしも市販薬が体質に合わない場合には、効果がでないばかりか副作用がでる可能性もあるため注意が必要です。
市販の治療薬は、病院でもらう処方薬よりも成分含有量が少ない場合が多く、処方薬ほどの高い効果は期待できません。しかし、どの体質の人でも使えるように成分を調整してあるため、比較的症状が軽い人などは試してみてもよいでしょう。
購入の際は、自分の体質や症状に適しているか、どんな成分が含まれているのか、店頭でパッケージをよく確認し、薬剤師がいれば説明してもらうことをおすすめします。事前にスマホやパソコンで製薬会社のホームページを検索し、商品の情報を確認しておくと安心です。
市販薬も用法・用量は守ること!複数の薬の使用は注意
婦人薬や更年期対応市販薬を服用するときは、必ず決められた用法・用量を守ることが大切です。処方薬よりも成分量が少ないから多めに飲んでも大丈夫などと、勝手に量を増やすのは厳禁です。思わぬ副作用があらわれたり、症状が悪化したりする危険があります。
また、複数の婦人薬や更年期対応市販薬を同時に服用するのもいけません。1種類ごとの用量を守っていても、複数合わさることで用量オーバーになり副作用が生じる恐れがあります。
あれこれ試したい気持ちはわかりますが、こうした服用のしかたは非常に危険なため注意しましょう。他の薬を試したいときは、今服用している薬を中止してから別の薬を試してください。
市販薬で効果がないとき、症状が悪化したときは病院へ
市販薬の場合、病院で処方される薬のような即効性はないため、少なくとも1か月ほどは服用して様子を見ます。とくに異常がなく、症状も悪化していないときは、さらに2〜3か月は服用を続け、様子を見てもよいでしょう。
しかし、1か月ほど服用しても効果が実感できないとき、あるいは症状が悪化してきたときには医師や薬剤師などの専門家に相談しましょう。効果がなかったり、逆に不快な症状があわわれたりする場合は、市販薬が体質に合っていない可能性があります。
特に、動悸や息切れ、めまい、不正出血などの症状が悪化した場合は、病気を見逃す危険があるので、放置せず婦人科を受診してください。
もし、かかりつけの婦人科がない場合は、よい機会なので探すことをおすすめします。更年期障害の症状はしばらく続けてあらわれるパターンが多く、長いつき合いになるのは確か。それなら、信頼できるかかりつけの婦人科がいたほうがずっと安心です。
婦人科にかかる際には、どんな症状があるかだけでなく、服用している市販薬やサプリメントなどの名称も診察の際に必要になります。事前にメモなどを用意しておき、必ず医師に伝えるようにしましょう。
また、「忙しくてなかなか病院に行けない」「婦人科や漢方薬局は敷居が高い」という方からは、スマホで薬剤師への相談ができる「あんしん漢方」のようなサービスも選ばれています。
漢方のプロが、AIを活用して症状と体質にあった漢方薬を見極めてくれます。隙間時間に手軽に相談でき、自宅で受け取れるので、忙しい人にもおすすめです。
※この記事は2018年7月の記事を再編集して掲載しています。
■もっと知りたい■
-
更年期障害について
更年期障害というのは何歳ぐらいから、どのような症状が出るのでしょうか。また、病院などに行かずとも、ある程度の期間で勝手に治ったりするのですか?
締切済み ベストアンサー2023.02.21 -
更年期障害で仕事がはかどらない
57歳事務員です。 昨年からホットフラッシュで悩んでいます。 仕事中、まるでサウナに居るかのようにのぼせて汗が止まらなくなりデータ入力の作業に集中できません。同じ更年期障害で悩む方はどのように対策されていますか?
締切済み2022.09.26 -
更年期は何歳から?
今年40歳になります。 最近、いわゆる「更年期障害」と言われる症状が沢山身に起きています。 妊娠の可能性はないのに月経がしばらくなくもしかして閉経かな?とも思います。 早くて40代前半から更年期が始まることはあるのでしょうか?
締切済み2022.09.26 -
水のようなおりものがたくさん出ました
48歳女性です。出産経験はありません。 2ヶ月前なのですが、水のようなおりものが 大量に出て、それが1週間ほど続きました。 今はおりものは無くなりました。 更年期時期なのですが、気になります 詳しいかた、同じような症状があったかた おりましたら助言等宜しくお願い致します。
締切済み ベストアンサー2022.01.30
-
親の医療・介護費が不足?
住宅ローンや子の教育費などお金がかかる50~60代。一方で親は高齢となり、その金銭面の援助も不安。解決策を探ります。 -
プロが教える珈琲の淹れ方
家や職場で手軽に楽しめるドリップコーヒーが、ちょっとしたコツで本格的な味わいに。その極意をプロにこっそり聞きました。 -
質のいい睡眠できてる?
質のいい睡眠は健康の基本。ハルメク読者が専門家に、睡眠の質を向上させる秘訣を聞きました! -
野菜毎日摂れていますか?
毎日の食事で野菜はきちんと摂らないと、と思っているけど……という方に、上手に野菜を補うヒミツをご紹介します。 -
お出掛け後「ひざが楽に」
春はお出掛けや旅行の気分が高まります。「でもひざが痛い・こわばる」というお悩みに、筋肉をほぐすマッサージャーをご紹介。 -
巻き爪から足を守る方法
巻き爪は放っておくと身体の不調やさらなる悪化を招くことも!放置は厳禁の巻き爪の、原因や治療法などを専門家に聞きました。