訳もなく急に涙が出る、涙もろいのはうつ病のサイン?

夜になると涙が出るのはなぜ?病気?原因と対処法

夜になると涙が出るのはなぜ?病気?原因と対処法

更新日:2024年04月01日

公開日:2023年06月21日

夜になると涙が出るのはなぜ?病気?原因と対処法

夜になると涙が出る、訳もなく涙が出る、急に涙が止まらなくなる……こんな症状が起こるのはなぜ?原因や対処法について詳しく解説します。エストロゲン(女性ホルモン)の分泌量が減少する更年期は心が不安定になることも。我慢せず早めの対処が肝心です。

町田奈穂
監修者
町田奈穂
監修者 町田奈穂 大阪カウンセリングセンターBellflower

監修者プロフィール:町田奈穂さん

町田奈穂さん

大阪カウンセリングセンターBellflower 代表 臨床心理士・公認心理師。同志社大学大学院在学時より、滋賀医科大学医学部附属病院などで、不眠症やうつ病等の精神疾患の治療に取り組む。2020年、支援者支援専門のオンラインカウンセリングを行う、大阪カウンセリングセンターBellflowerを開設。

支援者支援の必要性の普及活動に加え、不眠症の研究にも取り組んでおり、教育委員会や児童精神科にて発達障害等、様々な育児や教育の相談および情報発信を行っている。

夜になると涙が出る・急に涙が止まらなくなる原因

夜になると涙が出る・急に涙が止まらなくなる原因

夜になると涙が出る、訳もなく勝手に涙が出る、急に涙が止まらなくなる、イライラすると涙が出るなど、涙で困っている場合、いくつかの原因が考えられます。 

原因1:更年期などホルモンバランスの乱れ

更年期や生理前・生理中はホルモンバランスが乱れやすく、心が不安定になりやすくなります。そのため、特に思い当たる理由がなくてもなんとなく憂鬱さを感じたり、悲しくなったり、イライラしたりして夜になると涙が出ることがあります。

更年期になると、これまで順調に分泌されていた女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が激減しますが、これが「ちょっとしたことでイライラする」「ふとした時に涙が出る」「涙もろくなる」などの症状につながることもあります。

月経前に起こる月経前症候群(PMS)の原因には、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロンという黄体ホルモンと2つのホルモンが影響しているとも言われています。月経前症候群(PMS)では、イライラや情緒不安定などが起こります。

原因2:セロトニン不足

脳内の神経伝達物質のひとつに、「セロトニン」があります。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、ドーパミン(喜びや快楽など)やノルアドレナリン(恐怖や驚きなど)をコントロールすることで、精神を安定させる作用を持った物質です。

セロトニンが不足すると、ドーパミンとノルアドレナリンを上手くコントロールできなくなり、バランスが崩れて、気分の落ち込みやうつ症状、イライラ、意欲低下、協調性の欠如、不眠などの症状につながることがあります。

セロトニンが低下する原因として、排卵直後に女性ホルモンであるプロゲステロンの分泌量が増え、その後低下することによってセロトニンの働きが低下し上記の症状につながると考えられています。

体内の鉄分ビタミンBアミノ酸など栄養バランスが崩れると、セロトニンをうまく働かせることができなくなってしまうため、栄養不足に注意しましょう。

また、セロトニンは太陽の光を浴びると分泌されますが、日照時間が短くなる冬に起こる「冬季うつ病(季節性情動障害/SAD)」という疾患もあります。

セロトニンが不足しないよう、日光に当たることを意識するといいでしょう。起床直後〜30分までがおすすめのタイミングです。

原因3:うつなど心の不調

夜になると涙が出る、訳もなく勝手に涙が出る、急に涙が出るといった症状は、うつ病など心の不調のサインの可能性もあります。

嫌なことがあったときやつらい記憶を思い出したときなどに、腹立たしさ、悲しさ、寂しさ、不安などを感じるのは人の脳の正常な反応です。

しかし、重度のストレスがかかり続けると、脳の働きがおかしくなってしまい、気分の落ち込みがずっと続く、ちょっとしたことで涙が出る、食欲がなくなる、今まで楽しめていたことが楽しめなくなるなどの症状が現れることがあります。

また、近年は「プチうつ」も増えているといわれています。

うつ病の場合は1日中うつ状態が続きますが、プチ鬱の場合は週に3〜4日、主に夕方〜夜にかけてうつ状態になることが特徴です。自分も周囲も、病気になっていることに気づきにくいといわれています。

プチうつになる人に多く見られるのが「訳もなく涙が出る」という症状です。

【プチうつになりやすい性格の特徴】

  • 自分の感情を抑え込む傾向がある
  • 人からどう見られているかが気になる
  • マイナス思考

プチうつのなりやすさは、上記のように性格も影響しますが、それがすべてではありません。強いストレスや転職、引っ越し、環境の変化などがきっかけとなっている可能性もあります。

うつ病は男性よりも女性に多く、特に40代になると発症する人が多くなります。ストレスが限界に達している可能性もあるため、2週間以上つらい症状が続く場合は我慢せず、早めに病院を受診しましょう。

原因4:ドライアイ

気分の落ち込みやイライラなど、メンタル面での症状は見られないものの、夜になると涙が出るという場合、ドライアイの可能性が考えられます。

人間は夜行性ではないため、神経やホルモンの調節といった生理機能は昼間に活動し、夜は休息するようになっています。

目の機能も同様で、夜になると涙液の分泌が休息モードになり、目の乾燥を防ぐための涙の基礎的な分泌が少なくなって、目が乾燥気味になります。

人工の光のもとでものを見ることになる夜は、目が疲れやすい環境です。そんな夜に乾燥気味の目を酷使すると、ドライアイにつながります。

夜遅くまで仕事をしたり、夜勤の人は「まばたきの回数を増やす」「休憩を取って目を休める」「目薬を使う」などで対策するといいでしょう。

原因5:脳の異常

脳梗塞や脳出血など、脳にダメージがあると「感情失禁」が起こることがあります。

感情失禁とは、脳疾患の症状の一つで、些細なことでも泣いたり笑ったり、突然怒り出したりなど、感情の調節がうまくいかない状態になることです。

感情失禁の場合は症状が激しく、周囲が気づきやすいという特徴があります。脳卒中や脳梗塞、認知症などが疑われるため早めにMRIやCTで検査をしましょう。

訳もなく急に涙が出るときの対処法

訳もなく急に涙が出るときの対処法

夜になると涙が出たり、訳もなく涙が出るなどの症状は、病気が原因ではない場合、ストレスやホルモンの影響が考えられます。ここからは、いくつかの対処法をご紹介します。

女性ホルモンのせいと割り切って気にし過ぎない

女性ホルモンのエストロゲンは、体にも心にも、さまざまな影響を及ぼします。

更年期に見られる「夜になると涙が出る」「急に気分が落ち込む」など感情の起伏が激しくなる症状は、加齢に伴う女性ホルモンバランスの乱れのせいです。

「女性ホルモンのせいだから仕方ない」と割り切って、気にし過ぎないようにしましょう。自分を責めたりネガティブにとらえ過ぎると、逆に症状が悪化してしまう可能性もあります。

あまりにも更年期症状がつらい場合は「更年期障害」の場合もあるため、病院を受診しましょう。

ストレスの原因に気づく

ストレスが原因で、夜になると涙が出るといった症状につながっている可能性があります。ストレスを受けると、涙の他にも人の体にはさまざまな変化が起こります。

自分にとって何が負担になっているのか、探ってみるといいでしょう。悪い出来事だけでなく、昇進や引っ越しといった良い出来事もストレスとなることがあります。

今の不安を書き出す

夜になると涙が出たり、漠然とした不安感がある場合は、セルフモニタリングの一つとして今の不安を書き出すという方法もおすすめです。

書き出すことで自分の悩みを見える化できると、どんなことが問題になっているのかがわかり、頭の中を整理できます。

不安や悩みを書き出したら、自分でどうにもできないことは「どうにもできない」と割り切って無視し、できることに目を向けましょう。

負担になっているものを手放す

負担になっている原因が手放せそうであれば、思い切って手放すのも一つの方法です。任せられそうな人が入れば、誰かに任せるのもOK。すぐには難しくても、徐々にストレスの原因を取り除いていきましょう。

焦らずに心と体を休める

感情をコントロールできず急に涙が出てくるほど疲れ切った状態では、焦らずに心や体を休めることが大切です。

中でも、心身の疲労を回復させる「睡眠」はストレス解消のために欠かせません。睡眠の質を高めると成長ホルモンがしっかりと分泌され、自律神経が整い、疲労回復が促進されます。

休むのが苦手な人は、心や体に負担がかかり過ぎない範囲で自分の好きなことをしてストレス解消をしてみるといいでしょう。

食事の内容や食習慣を見直す

食事は、メンタルヘルスにも大きな影響を与えます。ビタミン不足はうつ病の発症リスクを上げるといわれており、その他にも鉄不足、亜鉛不足、タンパク質不足、ビタミンB群不足も精神の不調につながることがあります。

メンタルヘルスの不調の予防・改善のためには栄養バランスのいい食事を心掛けることが大切です。

国立研究開発法人国立長寿医療研究センターによれば、国内での研究成果は少ないものの、魚介類から摂取できるDHAやEPAが抑うつの予防に有効である可能性があるといいます。

DHAやEPAは脳や神経の機能維持、抗血栓作用、抗炎症作用、神経保護作用、血中脂質低下作用などもあるため、おすすめの食材です。

手軽に続けられる運動を行う

ストレス解消やメンタルヘルスの不調の改善には、運動も効果的です。激しい運動ではなく、ウォーキングや散歩、サイクリングなど手軽にできる軽い運動を継続するといいでしょう。

外に出るのが難しい場合は、動画などを見ながら体を動かすだけでもOK。ヨガピラティスには精神の安定効果や更年期症状の改善効果もあり、自分のペースでできるためおすすめのエクササイズです。ストレッチや階段を使っての踏み台昇降などもおすすめです。

リラックス・不安軽減が期待できる漢方薬も

紫胡加竜骨牡蠣湯や加味逍遥散、抑肝散加陳皮半夏、半夏厚朴湯など、イライラや不安を和らげる漢方薬がドラッグストアなどで市販されているため、これらの漢方薬を試してみるのも一つの方法です。

ドラックストアで自ら購入する市販の漢方は含有量も少なく、補助的になりやすいですが、医療用漢方であれば、体質を見極めしっかりと処方されることが多いです。

改善しない場合は早めに病院を受診

ストレス解消や食生活・生活習慣を改善することで症状が改善する場合は問題がないケースが多いですが、心や体の症状が長く続く場合は、病気のサインの可能性があります。

具体的には、「1日中ずっとつらい状態が2週間以上続く」場合はうつ病のサインかもしれません。我慢を続けると症状が悪化する可能性があるため、早めに病院を受診しましょう。

つらい症状が続く場合は我慢は禁物!

夜は日中と比較すると一人で考え事をする時間が増える時間帯、加えて、夜は脳が疲労しておりネガティブ思考に自然となってしまう時間帯ということもあり、夜になると涙が出たり、涙が止まらなくなったりすることがあります。

一時的なもので改善が見られるようなら様子を見るのも一つの選択肢ですが、改善されずつらい症状が続く場合は我慢し過ぎず、早めに病院を受診することが大切です。

※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。

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HALMEK up編集部
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