歯科医・宝田恭子さんに学ぶ!歯のセルフケア・2

50代からのオーラルケア!歯科医おすすめの歯磨き剤

宝田恭子
監修者
宝田歯科医院院長
宝田恭子

公開日:2022.07.29

歯周病、虫歯、歯の黄ばみ……年を重ねるほどに増える歯の悩み。セルフケアで何とかできたら理想ですよね。そんなときに気になるのが“歯磨き剤”。そこで、50代からの歯磨き剤選びについて、歯科医・宝田恭子さんに聞きました。

【医学監修】歯科医・宝田恭子さんのプロフィール

歯科医・宝田恭子さんのプロフィール

たからだ・きょうこ 1956(昭和31)年生まれ。宝田歯科医院院長。日本アンチエイジング歯科学会監事。口元の筋肉を中心に表情筋・咀嚼筋を鍛えるエクササイズを考案。歯科医師の視点から「要支援」にならない体づくりを提唱する。著書に『たるみが消える顔筋リフト宝田流表情筋トレーニング』(講談社刊)、『「顔面地滑り」をくい止める! 顔筋リフトアップ』(PHP社)。

年を重ねると歯のトラブルが多くなる理由

まずは、50代から歯のトラブルが多くなる理由について聞きました。

「年を重ねるほどに少しずつ骨密度は低下していき、歯を支える土台の部分(歯槽骨)も弱くなっていきます。そうすると歯間の広がりや歯周病など、歯のトラブルが多くなってきます」と宝田恭子 (たからだ・きょうこ) さん。

年を重ねると歯のトラブルが多くなる理由

「50代・60代になると、歯の表面のエナメル質が削られて薄くなり、その下にある象牙質の色が透けて見えるため、歯の黄ばみが気になる人も増えます。長年蓄積した、歯の表面についたステイン(着色汚れ)も歯の黄ばみの原因となります」

こうした歯のトラブルを予防するために大切なのは、毎日の歯磨きです。

「私はよく、口を“自分の部屋”と考える意識が大事ですよ、とお伝えしているんです。人から見えないということは、生かすも殺すも自分次第ですよね。そうなると、心地よく清潔に過ごすためには、自分の手できれいにしなければいけません」

確かに、歯磨きを部屋の掃除に例えるとわかりやすいですね!

「部屋が汚れても、毎日のように、プロのホームクリーニングを依頼することはできません。歯も同様で、歯が汚れるたびに歯医者には行きませんよね? そうなると、セルフケアがすごく重要。毎日のお掃除、つまり歯磨きがとても大切です」

でも、掃除道具を場所に合わせて変えるように、歯を磨くのも「歯磨き剤なら何でもいい」というわけではありません。

「例えば、歯を白くしたいならホワイトニング効果のある歯磨き剤が必要です。一方で、汚れを取ろうと研磨剤入りの歯磨き剤で毎日ゴシゴシ磨いていると、エナメル質が削られて、そこに色素や汚れが入り込んで黄ばみの原因となります。歯をていねいに磨くことは大前提として、歯の状態に合った歯磨き剤を選ぶことがとても重要です」

まずは自分の歯の状態を把握しましょう

お口の悩み・歯のトラブル(虫歯・歯周病・黄ばみ)

「実は、すべての人におすすめの歯磨き剤はありません。その理由は、年齢や生活習慣などによって歯の状態や悩みが違うからです。歯の状態に合ったもの、特に弱点を克服できるような成分が入っているものを選びましょう」と宝田さん。

「3か月に1回は歯医者へ行き、自分の歯の状態を確認しておきましょう。その際、歯磨き剤が合っているか不安な人は、かかりつけの歯科医に確認するといいですね」

よくあるのが家族で共通の歯磨き剤を使っているパターン。歯の状態はそれぞれ違うので、“今使っている歯磨き剤が効果がない”と感じる方は、弱点に合っていない可能性があります。

「もし歯医者さんで『ケアがとても上手ですね』って言われたら、歯磨きのやり方も歯磨き粉も合っているということ。自信を持っていいですよ」と宝田さん。

特に歯のトラブルが増える50代からは、年齢に合った歯磨き剤を選ぶことがとても重要です。50代からの歯磨き剤選びのポイントをご紹介します。

歯科医に聞いた!50代以降の歯磨き剤選びのポイント

歯磨き粉以外にも、歯磨きジェルやマウスウォッシュなど、最近はさまざまなタイプの歯磨き剤が販売されています。ぜひ自分の歯の状態に合う歯磨き剤を選んで、健康な歯をキープしていきましょう。

  1. 研磨剤不使用のもの
    歯の黄ばみが気になる方は研磨剤不使用の歯磨き剤を基本に。年を重ねて薄くなったエナメル層表面の結晶をしっかり守れます。研磨剤入りのものは週1回取り入れるなど、メインのものと使い分けるといいですね。
  2. 広がる歯間に浸透しやすいもの
    ペースト状の歯磨き粉に比べて、さらっとしたジェルタイプは、すき間まで薬用成分が届きやすいのが特徴。ただし歯に触れただけで満足せず、歯の隅々まで浸透するように、ていねいに磨くことが大切です。
  3. 歯のトラブルを予防する効能があるもの
    歯周病、虫歯、口臭、歯石、黄ばみなど、ご自身の歯のトラブルの原因が何かを把握し、ケアする成分が入っているか、確認しましょう。

以上、歯科医・宝田恭子さんに学ぶ「50代以降の歯磨き剤選びのポイント」でした。定期的に歯科医でチェックしてもらうのとあわせて、年齢に合わせた歯磨き剤&正しい歯磨きで、歯の黄ばみや歯周病などのトラブルを防ぎたいものですね。


編集部おすすめ!50代からの歯と歯茎のための歯磨き剤

ここからは、ハルメクが50代からの歯と歯茎のために特別に開発した歯磨き剤や洗口液をご紹介します。ぜひチェックしてみてくださいね。

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取材・文=水野 愛(ハルメク 健康と暮らし編集部) 撮影=渡辺裕之 ヘアメイク=AKANE

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水野 愛

2019年12月より「ハルメク 健康と暮らし」食品記事編集に携わる。好きなものは漫画・歴史・音楽・一人旅。特技は赤ちゃんをあやすこと。今の夢は、習い始めた三線で、沖縄のおばあ・おじいたちとセッションすること!

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