巻き爪放置が腰痛・膝痛の原因になることも?

巻き爪最新治療!フットワークを軽くする治し方を紹介

原田 正則先生(そめのまち診療所 院長)
監修者
そめのまち診療所 院長
原田 正則

公開日:2021.09.30

更新日:2022.04.25

外出自粛で足のむくみ・だるさなどに悩む人が増えています。足のトラブルを放置すると、腰痛や膝の痛みなど不調の原因になることも。今回は、「巻き爪の治療法」をテーマに、セルフケアや基本的な治療法、そして痛くない最新治療法も紹介します。

巻き爪とは?引き起こす原因は?

巻き爪とは?引き起こす原因は?

そもそも、なぜ巻き爪になってしまうのでしょうか。予防するためにも、どんなことが巻き爪の原因になるのか、まずは知っておきましょう。

巻き爪と陥入爪の違いは?

足の爪が痛いからといって、必ず巻き爪ということではありません。よく似ている症状に「陥入爪(かんにゅうそう)」があります。

巻き爪とは、爪の端が内側に巻き、皮膚に食い込んでくる状態のことを指します。陥入爪は、爪の先端が皮膚に刺さって炎症を起こしている状態のこと。爪はまっすぐ伸びていても、周囲の皮膚に刺さって痛みを起こします。

見分け方は爪が内側に巻いているかどうかです。ただ巻き爪と陥入爪は同時に起こることも多く、その場合は強い痛みと、炎症による腫れや出血を伴うこともあります。

巻き爪と陥入爪の違い

誤った爪の切り方・正しい爪の切り方(スクエアカット)

巻き爪の原因で多いのが「誤った」爪切りです。誤った爪の切り方で特に多いのが、深爪です。しょっちゅう爪を切るのが面倒だからと、爪を短く切りすぎてしまうと深爪の状態になってしまいます。

深爪をしていると、足の指に力が加わるとき、爪の先の皮膚に力がかかって皮膚が盛り上がります。すると爪はまっすぐ伸びることができずに、皮膚に食い込んだ状態になってしまうのです。

かといって、爪を長いままにしておくのもよくありません。爪はもともと内側に巻く性質があり、爪が長いと、指が爪を広げる力よりも爪の巻く力の方が、強くなってしまうことがあります。

また、爪の裏は細菌がたまりやすく、巻き爪以外にも、痛みやかゆみの原因になることも。爪は長過ぎず短過ぎず、適切な長さに保つ必要があります。爪は指先と同じくらいの長さに切りましょう。爪の両端の角は指先のカーブに沿って丸めに整えるのが理想の形です。 

正しい爪の切り方(スクエアカット)

足に合わない靴と歩き方

自分の足に合わない靴を履いていると、巻き爪の原因になります。小さすぎる靴を長時間履いていると、爪が圧迫されて巻き爪になりやすくなります。では大きめの靴なら大丈夫かというと、それも危険です。

ぶかぶかの靴を履いて靴の中で指が浮いてしまうと、指に力が入らず、爪を広げる力が弱くなってしまいます。また、靴の中で足が動くことで、爪先が前方に寄って靴先に当たってしまい、かえって爪先を痛める原因になる可能性もあります。

歩き方も巻き爪の原因となり得ます。歩き方のバランスが悪く、特定の足の指に過剰な力がかかっていると、爪のまわりの皮膚に圧力がかかり、巻き爪になってしまうのです。特に親指や小指は偏った力がかかりやすく、巻き爪になりやすい箇所です。

正しい歩き方は、かかとから着地して、爪先でしっかり地面を蹴ること。自分の足にぴったり合った靴を履き、正しい歩き方を心掛けましょう。 

足指の打撲などの損傷

足の指をぶつけるなどケガをしてしまった場合も、巻き爪の原因になってしまいます。特に爪母基(そうぼき)と呼ばれる爪の根元付近が傷付いた場合、爪が変形する原因になってしまいます。

爪母基とは、新しい爪が軟らかい状態で形成される部位です。痛みが長引く場合などは放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。

足指が太り摩擦・圧迫・炎症を引き起こす

食べ過ぎなどにより体が太ると、指にも肉がつきます。指が太ることで、爪と皮膚との間に摩擦や圧迫が起き、炎症を引き起こしてしまいます。腫れてしまうと、爪が巻き込まれて強い痛みを感じる場合も。健康的な体型を保つことも、巻き爪の対処法になるのです。 

自己流セルフケアはNG?放置したらどうなるの?

自己流セルフケアはNG?放置したらどうなるの?

巻き爪でつらいけれど、病院に行く時間が中々取れないなどで放置している人もいるかもしれません。まずは、家庭でできるセルフケアをチェックしましょう。また、巻き爪を放置するとどんな問題が起こるのかも知っておきましょう。

通販やドラッグストアなどの巻き爪グッズ

巻き爪を矯正するアイデアグッズは、通販やドラッグストア、100円均一ショップなどで販売されており、手軽に購入できます。こういった巻き爪対策グッズは、効果は人それぞれですが、気に入ったものがあれば試してみるのも良いでしょう。

ただし、使用しても合わない場合や症状のひどい場合などは、それ以上爪を痛める前に使用を中止し、医療機関を受診してください。 

放置すると悪化や全身症状に影響も

巻き爪を放置すると、歩くたびに痛みを感じるため、庇おうとして歩き方や姿勢が歪んでしまいます。歩き方や姿勢が悪くなれば、膝の痛みや腰痛を引き起こす原因になることもあります。

また、足を庇って歩くことで足の指に加わるはずの力が、他の部位に集中してしまい、タコやウオノメができたり、足首を痛めたりする可能性も。たかが巻き爪と軽く思って放置せず、早めに治しましょう。

皮膚科やフットケア外来の治療法

皮膚科やフットケア外来の治療法

巻き爪で受診する場合、痛い治療法でないのかが心配なところ。どのような治療法があるのでしょうか。今回は医学の観点から、「巻き爪」に関わるいくつかの治療法について見ていきましょう。

ワイヤー法

ワイヤー法

ワイヤー法は、20年以上も前に開発された、巻き爪治療の代表的な治療法です。爪の伸びたところに2か所の穴を開けて、特殊合金製の弾性ワイヤーを通し、そのワイヤーが元に戻ろうとする力を利用して、巻き爪を矯正します。

また、爪の両端にワイヤーを引っ掛けて締め、上にひっぱる方法もあります。完治までは2か月程度かかります。ワイヤー法は、痛みもなく安価のため、国内では広く普及している治療法です。

クリップ法

クリップ法は、爪の先端部分に弾性のある板を、数本のフックで取り付ける方法です。外科的処置がなく、比較的簡単に取り付けられるのが魅力です。

ただし、爪先をかなり長く伸ばさなければならないのと、爪が柔らかかったり薄かったりする場合、耐え切れずに爪が折れてしまうことがあるので、硬い爪で強度がある人におすすめの方法です。

ガター法

ガター法

ガター法は別名「チューブスプリント」ともいいます。細いチューブを小さく切り、縦に切れ目を入れたものを、爪のサイドに取り付ける方法です。チューブが食い込んでいた爪と皮膚の緩衝材になり、巻き爪が改善されていきます。

患部に負担も少なく、短時間で行えるので、痛みや炎症が強い場合に適していると言われます。チューブは1~2か月間付けていますが、つけた数日で痛みや炎症が消えることもあります。ただ、外れやすいことがあるので、注意は必要です。 

プレート法

プレート法は爪の表面に、弾性のプレートを貼り付ける方法です。ワイヤー法の穴が開けられない場合や、痛みがひどい場合に使われる方法です。プレートは安全な医療用の接着剤で貼り付けます。爪表面だけに触れるので、安全性が高いのも特徴で、国内のみならず海外でも普及している方法です。

巻き爪の専門医ってある?痛くない治療法とは?

巻き爪の専門医ってある?痛くない治療法とは?

巻き爪の治療は何科を受診すればいいのか、迷いますよね。「巻き爪専門医」はいるのでしょうか。実は、巻き爪の専門医という資格はありません。病院によって違いはありますが、一般的には皮膚科や整形外科で診てもらえることが多いようです。

爪は皮膚の一部なので、巻き爪も皮膚科で診てもらえることが多いですが、化膿して症状がひどい場合などは形成外科や整形外科など、爪治療の知識がある外科の先生が診てくれることもあります。病院や症状によってかかる科が変わるので、あらかじめ問い合わせてから行くと良いでしょう。

最近では、痛くない巻き爪治療法を実施する病院・クリニックなども増えています。最新の痛くない治療法もチェックしておきましょう。

手順1:フットバスで角質をふやかす

フットバスで角質をふやかします。足をお湯で温めることで、血行を良くして、皮膚を清潔で潤いのある状態にします。薬剤により爪を柔らかくしてから矯正をするので、痛みがなく、短時間で治療も終了します。 

手順2:爪を柔らかくする薬剤湿布

薬剤湿布は、生えてくる前の爪は柔らかい状態であることに着目した最新の治療法です。爪の主な成分はたんぱく質です。このたんぱく質の結合をゆるめる薬剤の湿布を貼り、生えてくる前の柔らかい爪の状態に近づけてから補助具を取り付ける方法です。

これはストレートパーマの原理を爪の治療に応用した技術といえます。従来の治療法では、数か月以上かかって巻き爪を矯正していましたが、この方法であればわずか30分。たった一度の通院で巻き爪を改善できます。 

手順3:湿潤療法

爪に傷や炎症がある場合は、絆創膏による治療法も使用されます。専用の絆創膏が、傷から出る体液を閉じ込めて、自己治癒により傷を治す方法です。

巻き爪用の絆創膏を利用することで、爪が皮膚に食い込んでできてしまった、出血しやすい肉芽(にくげ)の治療も可能です。

巻き爪というと、ワイヤー法が一般的ですが、完治まで数か月かかります。ワイヤー法ではストッキングが破れたり、毎日爪の消毒をしたりが面倒で、続けられずに元に戻ってしまうことも。

しかし、最新の治療法では、痛みもなく約一週間から10日以内の短期間で完治します。従来の巻き爪治療を挫折した人も、最新の治療法を試してみてはいかがでしょうか。

監修者プロフィール:そめのまち診療所院長  原田 正則先生

2011年から新宿区中井、文京区本郷の本郷三丁目駅が最寄の「そめのまち診療所」で、巻き爪の診療を積極的に行っている。整形外科一般、リハビリテーション科、とりわけ肩痛や巻き爪治療、外反母趾治療などを中心としたクリニック。地域に根ざした医療を目指し、健康維持・増進のお手伝いができるよう尽力している。

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