「しわ取り」だけじゃないボトックス
「美容」と「治療」でどう違う?脇汗・手汗、体質で済ませないボトックスという選択肢
「美容」と「治療」でどう違う?脇汗・手汗、体質で済ませないボトックスという選択肢
公開日:2026年03月21日
ボトックス=美容医療と思っていませんか?
「ボトックス」と聞くと、しわ取りや美容医療のイメージを持つ人が多いかもしれません。テレビや雑誌でも、表情じわやたるみのケアとして紹介されることが多いため、「美容のための治療」という印象が強く残っているのではないでしょうか。
ところが実は、医療の現場では多汗症の治療としても使われている方法です。脇汗だけでなく、手のひらや足の裏など、汗の悩みが出やすい部位の治療としても用いられています。
医療法人社団鉄結会が多汗症の悩みを持つ人を対象に行った調査(※)では、手汗・足汗・脇汗に悩む人の89.7%が、多汗症治療としてのボトックス注射を知らなかったという結果も出ています。
美容の世界ではよく知られている言葉でも、医療としての使い方はまだ広く知られていない――そんな実態が見えてきました。
以前から手汗・足汗・脇汗にも使われていた治療法
汗は、汗腺に対して神経から送られる指令によって分泌されます。ボトックス注射は、この神経の働きを一時的に抑えることで、発汗を抑制する治療です。
対応できる部位は主に次の通りです。
- 脇
- 手のひら
- 足の裏
- 顔
効果は注射後2〜3日ほどで現れ始め、1〜2週間で最大になり、およそ4〜6か月ほど持続するとされています。
ボトックスは最近登場した新しい治療というわけではなく、医療の現場では以前から行われてきた治療の一つです。
汗治療としてのボトックス。美容医療との違い、費用
同じ「ボトックス」という方法でも、美容目的と汗の治療では考え方が少し違います。
美容医療の場合は、見た目の変化を目的とすることが多く、自由診療で定期的に行うケアとして考えられることが一般的です。一方、汗の治療としてのボトックスは、生活の困りごとを減らすための医療という位置づけになります。
費用についても少し特徴があります。
- 脇の多汗症:重症度評価(HDSS)などの条件を満たす場合、保険適用になる可能性がある
- 手のひらや足の裏:自由診療
一例として、費用の目安は1回3~8万円。治療時間は15~30分程度です(※)。調査では、脇汗のボトックス治療に保険適用の可能性があることを知っていた人は5.3%にとどまりました。「美容医療」という印象が強いことで、医療としての情報が十分に知られていない面もありそうです。
※医療法人社団鉄結会が運営するアイシークリニック監修医師の2000件以上の腋臭症・多汗症治療実績に基づく数値です。効果には個人差があります。
我慢してきた汗の悩みに医療という選択肢
手汗や足汗の悩みは、長く「体質だから仕方ない」と思われてきました。しかし実際には、多汗症は医学的に診療ガイドラインがある疾患とされています。
書類やメモが湿ってしまう、スマートフォンが操作しづらい、靴の中の汗が気になる、人前で手を出すのをためらう――。そんな日常の小さな不便を感じている人も少なくありません。調査では、汗によって日常生活に支障を感じている人が78.3%という結果も出ています。
多汗症は「原発性局所多汗症」と呼ばれる疾患の一つで、日本皮膚科学会の診療ガイドラインもある医学的な病気とされています。
「体質だから仕方ない」と思い込まず、まずは皮膚科で相談してみるという選択肢があることを知っておくことも大切です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を代替するものではありません。気になる症状がある場合は医療機関にご相談ください。




