アマニ油の魅力とは?効果・使用方法・よくある質問【医師監修】
アマニ油の魅力とは?効果・使用方法・よくある質問【医師監修】
公開日:2025年09月09日
この記事3行まとめ
✔ アマニ油は亜麻の種子から抽出される健康オイルで、必須脂肪酸のα-リノレン酸(オメガ3)を豊富に含有
✔ コレステロール改善、血圧安定、便秘解消、アレルギー症状緩和など多方面での健康効果が期待される
✔ 熱に弱い性質のため加熱調理は避け、サラダやヨーグルトに混ぜて生のまま摂取し、冷蔵保存が重要
アマニ油とは?
アマニ油は、成熟した亜麻(あま)の種子から抽出される油のことです。「飲む美容液」や「健康オイル」として、美容や健康に関心の高い方の間で話題になっています。
特に、アマニ油に豊富に含まれる「オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)」は、私たちの体内で作ることができない必須脂肪酸です。そのため、食事から積極的に取り入れる必要があります。
アマニ油の効果
アマニ油を摂取することで、以下のようなお悩みへの効果が期待されています。
- コレステロール値の改善:悪玉(LDL)コレステロールを下げ、善玉(HDL)コレステロールを維持する働きが報告されています。
- 血圧の安定:高めの血圧を穏やかにする効果が期待できます。
- 便秘の解消:アマニ油に含まれる成分が、お通じをスムーズにする手助けをします。
- アレルギー症状の緩和:アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を和らげる可能性が研究で示されていますが、効果は個人差があります。
心理的な変化
気分の落ち込み予防:オメガ3脂肪酸は、脳の働きにも関与しており、心の健康維持のサポートにも役立つと言われています。
厚生労働省の調査(2016年度)によると、日本人女性のオメガ3脂肪酸の摂取量は、推奨される量に比べて不足している傾向にあります。特に、食生活が乱れがちな方や、魚を食べる機会が少ない方は、意識して摂取することが大切です。
不調の原因とリスク要因
主な原因
アマニ油が注目される背景には、現代人の食生活の変化があります。外食や加工食品の利用が増え、オメガ6脂肪酸(サラダ油やごま油など)の摂取量が増える一方で、オメガ3脂肪酸が不足しがちです。この脂肪酸のバランスの乱れが、さまざまな体調不良の一因と考えられています。
リスク要因
- 魚をあまり食べない
- 外食やコンビニ食が多い
- コレステロール値や血圧が気になる
- 生活習慣の乱れ
アマニ油の働き
アマニ油に含まれるα-リノレン酸は、体内でEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)に変換されます。これらの成分は、血液をサラサラにしたり、炎症を抑えたり、アレルギー反応を抑制したりする働きがあります。
受診が必要な場合について
どのような時に受診すべきか
アマニ油は食品ですが、健康上の悩みや特定の症状(高いコレステロール値、高血圧など)がある場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。自己判断で摂取を始める前に、専門家の意見を聞くことが大切です。
受診時の準備
健康診断の結果や、普段の食生活のメモ、気になる症状などを記録しておくと、医師への相談がスムーズになります。
受診すべき診療科
まずは、かかりつけの内科医に相談するのが一般的です。必要に応じて、内科や循環器内科などの専門医を紹介してもらうこともできます。なかなか受診が難しい場合には、健康診断で相談されても良いと思います。
アマニ油の効果的な取り入れ方
アマニ油は医薬品ではありませんが、日々の食生活に取り入れることで、健康維持や生活習慣病の予防に役立ちます。
摂取方法と管理
- 1日の摂取目安:小さじ1杯程度(約4g)が目安です。
- 効果的な食べ方:熱に弱い性質があるため、加熱調理は避けましょう。サラダのドレッシングや、ヨーグルト、納豆、スムージーなどに混ぜて摂るのがおすすめです。
- 保存方法:光や熱、空気に触れると酸化しやすいため、開封後は冷蔵庫で保存し、1か月程度で使い切るようにしましょう。
予防法と日常生活での注意点
日常生活の工夫
- 毎日続ける:毎日少量でも続けることが大切です。
- 加熱しない:加熱すると栄養素が壊れてしまうため、生のまま使いましょう。
- バランスの良い食事:アマニ油だけに頼らず、野菜や魚、大豆製品など、バランスの取れた食事を心がけましょう。
家族・周囲のサポート
ご家族で一緒にアマニ油を食生活に取り入れるのも良いでしょう。お互いの健康を気遣い、励まし合うことができます。
よくある質問(FAQ)
Q1: アマニ油とは何ですか?
A: 亜麻という植物の種から採れる油で、健康維持に役立つオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)を豊富に含んでいます。
Q2: どんな栄養素が含まれていますか?
A: 体内で作ることができない必須脂肪酸である「α-リノレン酸」が主成分です。これが体内でEPAやDHAに変換されます。
Q3: α-リノレン酸とは何ですか?
A: オメガ3系の必須脂肪酸の一種で、血液を健康に保ったり、炎症を抑えたりする働きが期待されています。
Q4: えごま油との違いは何ですか?
A: どちらもα-リノレン酸を豊富に含みますが、原料となる植物が異なります。アマニ油は亜麻の種、えごま油はえごまの種から作られます。風味や香りに若干の違いがありますので、お好みで選ぶと良いでしょう。
Q5: どうやって摂取する?
A: 熱に弱いので、サラダにかけたり、ヨーグルトや納豆に混ぜたりして、生のままお召し上がりください。
Q6: 加熱調理に使える?
A: 加熱には向いていません。高温になると栄養素が失われ、風味が落ちてしまいます。
Q7: 1日の摂取量は?
A: 小さじ1杯程度が目安です。商品によって推奨量が異なる場合があるので、パッケージをご確認ください。
Q8: いつ食べるのが良い?
A: 食品ですので、決まった時間はありません。続けやすいタイミングで毎日の食事に取り入れてみてください。
Q9: 保存方法は?
A: 非常に酸化しやすい油です。光や空気に触れるのを避け、開封後は必ず冷蔵庫で保存し、1か月~1か月半を目安に使い切りましょう。
Q10: 副作用はある?
A: 適量を守っていれば基本的に安全ですが、体質によっては摂りすぎるとお腹がゆるくなることがあります。また、血液をサラサラにする薬を服用中の方は、かかりつけ医にご相談ください。
まとめ
アマニ油は、50代・60代の女性が抱えやすい高コレステロールや高血圧、便秘といった悩みに寄り添ってくれる健康オイルです。
大切なポイント
- オメガ3を補給:不足しがちな必須脂肪酸を手軽に摂れる
- 加熱はNG:生のままサラダやヨーグルトにかけるのがおすすめ
- 毎日コツコツ:少量でも毎日続けることが健康への近道
- 酸化に注意:開封後は冷蔵庫で保存し、早めに使い切る
これからの人生をより健やかに、いきいきと過ごすために、毎日の食生活にスプーン1杯の「アマニ油」習慣を始めてみませんか。
健康に関するご相談は最寄りのかかりつけ医へ
この記事の健康情報は一般的な内容です。ご自身の症状や体調について心配なことがある場合は、必ずかかりつけ医にご相談ください。
適切な診断・治療には専門医による個別の判断が不可欠です。自己判断せず、まずは信頼できる医師にお話しすることをおすすめします。
監修者プロフィール:阿部一也さん

IMSグループ医療法人社団明芳会 板橋中央総合病院 勤務。日本産科婦人科学会専門医。東京慈恵会医科大学卒業。都内総合病院産婦人科医長として妊婦健診はもちろん、分娩の対応や新生児の対応、切迫流早産の管理などにも従事。婦人科では子宮筋腫、卵巣嚢腫、内膜症、骨盤内感染症などの良性疾患から、子宮癌や卵巣癌の手術や化学療法(抗癌剤治療)も行っている。PMS(月経前症候群)や更年期障害などのホルモン系の診療なども幅広く診療している。




