“骨卒中”リスクに備える3
骨を強くする4大栄養素とは?骨粗鬆症の最新検査・治療法も
骨を強くする4大栄養素とは?骨粗鬆症の最新検査・治療法も
更新日:2025年02月25日
公開日:2025年02月06日
教えてくれた人:猪瀬弘之(いのせ・ひろゆき)さん
獨協医科大学埼玉医療センター整形外科准教授。医学博士。東京医科歯科大学医学部医学科卒業後、同大学院医歯学総合研究科修了。米国コロンビア大学医学部博士研究員等を経て現職。主著は『80歳の壁を超える 骨がみるみる強まる骨粗鬆症の治し方大全』『首がみるみる強まる頚椎症の治し方大全』(ともに文響社刊)。
大事なのは骨の“4大栄養素”。骨質を低下させる食事には要注意
※【骨卒中って何?】詳しくはこちらの記事をチェック!
前回は、全身の骨密度をアップする簡単エクササイズを紹介しました。シリーズ最終回は、骨を強くするための食生活に関するアドバイスをお届けします。
骨密度を保つ基本は、特に以下の4つの栄養素を毎日バランスよくとることです。
【カルシウム】
骨の主要成分。牛乳やチーズ、小魚、大豆製品、野菜なら小松菜に多く含まれます。特に乳製品のカルシウムは吸収率がよく、一度にとれる量も多いので◎。
【ビタミンD】
カルシウムの吸収を助ける働きがあり、カルシウムの多い食品と一緒にとるのがおすすめ。鮭やサバなどの魚類、天日干しのシイタケやマイタケ等に豊富です。
【たんぱく質】
カルシウムとともに骨を構成する物質で、筋肉や血液などを作る栄養素でもあります。特に痩せ型で筋肉量の少ない人は、意識的に肉や魚、乳製品や豆類をとること。
【マグネシウム】
骨の形成を助けつつ、折れにくくする働きがあります。のりやワカメなどの海藻類や、ゴマ、ナッツ類などに多く含まれ、料理にトッピングするなど小まめにとる工夫を。
一方、骨の構造を崩して骨質を下げる危険があるのが 「終末糖化産物(AGEs)」という物質。糖質とたんぱく質を一緒に高温で調理したものに多く、例えばフライドポテトやトンカツ、餃子などは控えめにしましょう。
“とり過ぎ”の健康被害も!サプリとの付き合い方

手軽に栄養を補えるサプリですが、とり過ぎには要注意。例えばカルシウムのとり過ぎは「高カルシウム血症」を引き起こすため、倦怠感やイライラ、食欲減退などの症状が出たらすぐに医療機関を受診しましょう。
体質や持病等にもよりますが、サプリで1日に補う量は、カルシウムは200~300mg、ビタミンDは10ug、マグネシウムは100mg程度に抑えて。
正しく検査&早めの治療で骨折を食い止める
骨粗鬆症自体は自覚症状がなく、気付かないうちに進行していることも。前回のチェックで高リスクだった方や、65歳以上の方は、一度医療機関で骨密度の検査を受け、必要に応じて治療を受けましょう。
また骨密度が低い方や、若い頃より身長が4cm以上減っている方は、背骨の“いつの間にか骨折”を起こしているケースも多いため、背骨のX線検査もおすすめします。
骨粗鬆症の検査は…… 高精度の「DXA法」対応の医療機関を受診しましょう

骨密度の検査の精度が低いと、骨粗鬆症が発見しにくいだけでなく、先々治療を受けることになった際、その効果も正確に測れません。DXA(デキサ)法など、高精度の検査ができる医療機関かを確認して受診しましょう。
骨粗鬆症の治療は…… 生活改善に加え、投薬が柱になります

今は効果的な骨粗鬆症の治療薬があります。
上は猪瀬さんの女性患者のX線写真。80代の頃、骨粗鬆症で第3腰椎を圧迫骨折しながら(左写真)、対策1、2で紹介した生活改善と、骨吸収抑制薬の投薬などを行った結果、骨密度が10%アップ。93歳の今もきれいな姿勢を保てています(右写真)
主治医に費用や副作用を確認し、納得の上で治療を受けることが肝心です。
取材・文=新井理紗(ハルメク編集部)、イラストレーション=太田裕子
※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年7月号を再編集しています。




