免疫力と脳の力を高める食事術#1

毎日の食事で免疫力アップ&脳の老化を食い止める!

公開日:2024.08.19

「免疫力」と「脳」の働きは年齢とともに低下する傾向にあります。加齢による変化を食い止め、免疫力と脳の力を高めるために最も重要なのが食事です。脳神経外科専門医と栄養学の専門家にその基本とコツを伺いました。

教えてくれたのは専門家の2人!

篠浦伸偵(しのうら・のぶさだ)さん

医師。医学博士。篠浦塾理事長。脳の覚醒下手術でトップクラスの実績。『脳の働きと免疫力 最強の食・体・脳の使い方』(国書刊行会刊)、『新 脳にいい5つの習慣』(YUKAZE刊)など著書多数。

川口美喜子(かわぐち・みきこ)さん

医学博士。管理栄養士。札幌保健医療大学大学院 教授。専門は病態栄養学。『認知症を予防する食事』(亜紀書房刊)、『老後と介護を劇的に変える食事術』(晶文社刊)など著書多数。

免疫力アップと脳の健康のカギを握る“視床下部”

免疫力アップと脳の健康のカギを握る“視床下部”

脳の専門医として、治療だけでなく、食事療法や健康法も研究してきた医師の篠浦伸偵さんによれば「免疫力と脳の健康を保つには、自律神経や血流などを司っている脳の“視床下部”を活性化する食事が大事」だそう。

全身の巡りを司る脳の“視床下部”を元気にすることは、生活習慣病や認知症の予防にもつながります。「そのためには、食事で脳や体の酸化を防ぎ、血管を若く保つ食材をとることや、血糖値の急上昇を避けることなどが鍵です」

一方、医学博士の川口美喜子さんは「制約だらけの食生活では続かないので手間をかけない工夫が大切。おいしいと感じる食事が脳の力や免疫力やアップにつながります」と言います。

視床下部にいい食生活で免疫力アップ&脳が活性化!

視床下部にいい食生活で免疫力アップ&脳が活性化!

1.まず視床下部に良い食事を心掛ける

血流、体温、睡眠、体の水分量などを調整する脳の極めて重要な部位「視床下部」(下図)を元気にする食事が、免疫力と脳の力のアップにつながります。

そのためには、抗酸化成分「ファイトケミカル」を多く含む食材や血管を若々しく保つ食材、また脳の活動や細胞に不可欠なたんぱく質をしっかりとることが大切です。

2.視床下部が刺激される

視床下部にいい食生活で免疫力アップ&脳が活性化!

脳の中央にある視床下部(上図)は、親指ほどの大きさの器官ながら、体の機能を正常に保つ司令塔の役割をしています。自律神経や血流を司る脳の中枢なのです。

さらに近くの海馬と連携して記憶や意識を調整する働きもあります。この視床下部を刺激して活性化するには、毎日の食事が有効です。

3.自律神経が整って血流がよくなる

いい食事によって視床下部が活性化すると、脳の働きがよくなり、自律神経が整います。

自律神経は、内臓や血管の働き、体温調節など、私たちの体を正常に維持する機能を調節しています。交感神経と副交感神経がそれぞれアクセルとブレーキの役割を担っており、両者が絶妙のバランスを保つことで健康が保たれます。

4.免疫力がアップし、脳が活性化する

病原体・ウイルス・細菌などの異物が体に入り込んだときにそれを攻撃し、自分の体を守る働きのことを免疫といいます。

いい食事や生活習慣で、自律神経を整えて体温を上げ、血流をよくすることが、免疫力アップにつながると同時に脳を活性化させるといわれています。

次回は、免疫力を高め脳を活性化する具体的な食事の取り方を紹介します。

取材・文=原田浩二、塚本由香(ともにハルメク編集部)、イラストレーション=髙橋マサエ

※この記事は、雑誌「ハルメク」2023年11月号を再編集しています

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