ムズムズ悩みを防ぐデリケートゾーンの正しい洗い方
2023.10.192024年06月20日
今こそ知りたい50代からのデリケートゾーンの話#7
フェムケアQ&A|デリケートゾーンの臭いが強くて…
50代からのデリケートゾーンに関するお悩みに、対馬ルリ子 女性ライフクリニック銀座院長の石山尚子さんと、認定メノポーズ(更年期)カウンセラーとして活動中の吉川千明さんが回答します。今回は「デリケートゾーンの臭い」に関するお悩みです。
教えてくれた人のプロフィール
石山尚子(いしやま・なおこ)さん。日本産婦人科学会専門医。富山大学附属病院および関連病院勤務を経て2007年より女性医師・スタッフによる女性のためのクリニック、対馬ルリ子 女性ライフクリニック 銀座に勤務。21年より院長に。
吉川千明(よしかわ・ちあき)さん
美容家・オーガニックスペシャリスト・認定メノポーズ(更年期)カウンセラー。コスメのみならず、食や植物療法などナチュラルでヘルシーな女性のライフスタイルを提案。近年は更年期ケアの専門家として、女性の健康啓発を行う。
石山尚子さんの回答:腟内の潤いが不足し、菌が増殖するせい。デリケートゾーンのケアが大切です
更年期以降、女性ホルモンの分泌が低下すると、膣内の潤いが低下します。すると膣内の自浄作用が低下し、菌のバランスが悪くなります。デリケートゾーンは常に温かく多湿な上に、下着やナプキン、尿パッドなどなどで蒸れやすく、菌が増殖しやすい環境です。そのため、他の場所よりニオイが発生しやすいのです。
ニオイを防ぐためには、菌の増殖を防ぐことが大切です。まずは通気性のよい下着を使用し、おりものシートや尿パッドはこまめに替えましょう。おりもの用の布ナプキンもおすすめです。そしてデリケートゾーン専用の洗浄剤を使ってやさしく丁寧に洗いましょう。
その後、デリケートゾーンのバリア機能を高めるため、デリケートゾーン専用のローションやオイルなどでしっかり保湿を行いましょう。その際、膣まわりをマッサージすると血行が良くなり潤いを保つ効果が高まります。
病気の可能性もあるので注意
おりもの量や色、においが気になる場合、かゆみや不正出血がある場合などは、膣炎や子宮の病気の可能性もあるので、気になる症状がある場合は早めに婦人科を受診してください。
また、日常のケアのみでは十分でない場合、女性ホルモン補充療法(HRT)やデリケートゾーンの脱毛、デリケートゾーンの皮膚や粘膜を若返らせるレーザー治療などが有効な場合もありますので、気軽に婦人科医に相談してください。
吉川千明さんの回答:心身ともに、とにかく潤いを!
デリケートゾーンの臭いに関しては、みんな悩んでますよね。そのために、香水をつけている人もいるくらい。
膣からの分泌物は、やや酸っぱいヨーグルトのような香りがするのなら正常ですが、生臭い匂いやきつい匂いがするなら、細菌性の膣炎や性感染症のこともあります。一度産婦人科医で調べてみる必要があります。
しかし、加齢とともに誰にでも当てはまってくるのが、膣の乾燥と環境変化。膣に潤いがあれば、潤いが雑菌を押し流してくれていましたが、乾燥するようになるので、臭いが出やすくなってしまいます。口も同じで、唾液が減って乾燥してくると臭うでしょう。だから、膣も常に潤いを与えておくといいんです。
デリケートゾーン専用の洗浄剤で外陰部を丁寧に洗い、膣の中は専用ジェルで保湿、マッサージをして血行を促して。
それと、腸を腸内細菌が守っているように、膣は膣内細菌が守っています。この膣内フローラのバランスが崩れると匂いの元となります。膣にいい乳酸菌を配合しているサプリメントを試してみてもいいでしょう。帝人から発売されている「ミライト」など、最近さまざまなものが発売されて注目を集めています。腸内にも腟内にも働く乳酸菌で、臭いケアもできるそうです。
下着を通気性の良い天然素材のものにし、おりものシートはこまめに替えるようにしてください。
また、韓流ドラマでもいいですし、セクシーな人や作品を鑑賞したり、エッチなことや楽しいことを考えたり……体も心も乾かないようにしてくださいね。
■もっと知りたい■
美容家・吉川千明さんが教える!お悩み解消のデリケートゾーンケア