今こそ知りたい50代からのデリケートゾーンの話#3

閉経後に必要!デリケートゾーンの保湿方法を覚えよう

公開日:2023.11.05

女性ホルモン分泌が減る閉経後に多い、デリケートゾーンゾーンの悩みを解消する連載です。前回は吉川千明さんに、デリケートゾーンの正しい洗浄方法を教えていただきました。引き続き吉川さんに、デリケートゾーンの「保湿」の仕方を教えていただきます。

教えてくれる人:吉川千明(よしかわ・ちあき)さん
 

吉川千明(よしかわ・ちあき)さん

美容家・オーガニックスペシャリスト・認定メノポーズ(更年期)カウンセラー。コスメのみならず、食や植物療法などナチュラルでヘルシーな女性のライフスタイルを提案。近年は更年期ケアの専門家として、女性の健康啓発を行う。

更年期以降のフェムケア! デリケートゾーンの保湿法

更年期以降のフェムケア! デリケートゾーンの保湿法

前回、専用アイテムで毎日正しく洗浄することが大切というお話をしました。正しく洗浄してキレイになっても、乾燥してしまったらしょうがない。お風呂上がりに、化粧水を肌に塗るのと同じで、デリケートゾーンも保湿ケアをしましょう。

洗濯ものが乾くとパリパリになるように、老いると、肌と同じでデリケートゾーンは乾燥してきて、やがて硬くなってしまいます。その結果、肌が敏感になって、かゆくなります。マイナートラブルを防ぐためにも、しっかりと保湿することが大切です。

膣の中が本当に乾いてきてしまうと、指1本も入らないようになってしまって内診もできない、エコーで使う器具が入らないという人も、実はいっぱいいるんです。そうなると怖いですし、体がかわいそう。しっかり、そして大切に保湿を習慣にしましょう。

デリケートゾーンの保湿用アイテムの選び方

デリケートゾーンの保湿用アイテムの選び方

今はデリケートゾーン専用のアイテムがいろいろとありますが、一つ気を付けていただきたいのは、成分のこと。粘膜である膣の経皮吸収率は腕の皮膚の42倍で、とても繊細です。しかしキャリーオーバーといって、ごく微量のため表記されない成分もあり注意が必要なことも。

また「セラム」と書かれていて一見「オイル」と思いますが、石油由来のシリコンやポリマーだったりするものがあります。すべりがよくなる半面、角質層や肌表面を溶かすので、肌にある水分を奪って乾燥しやすくなります。

クリームや乳液タイプもありますが、オイルがシンプルでいいと思います。例えばホホバオイルなど植物油のいいものを使ってください。そこにはビタミン類だとか油溶性のいい成分が入っているので、保湿できるのはもちろん1種類の植物油でもいろいろな恩恵を受けることができます。

オイルは腐らないのですが、どんなよいオイルも酸化してしまうので、2か月くらいで使い切るようにしましょう。それに、オイルならスッと伸びるからラクです。マッサージにも使えます。かなり乾燥が気になる状態なら洗浄用として使うことをおすすめします。入浴前に、外陰部に塗ってからシャワーで流すだけでOKです。

自分のデリケートゾーンに合うオイルを一つ持っているといいと思います。使い始めてすぐに、ムズムズ感が変わってくるはずです。

保湿方法とマッサージ方法

保湿方法とマッサージ方法

保湿は、お風呂あがりにタオルでふいた後に塗りましょう。腟の中に入れず、外陰部に塗ってから、その周りと会陰(肛門と膣の入り口の間)を指でやさしくマッサージします。血行をよくして硬くなるのをほぐします。

オススメの保湿アイテム

オススメの保湿アイテム

明日 わたしは柿の木にのぼる フェミニンオイル

高い美肌効果のある柿の皮エキスに着目し、厳選した植物由来成分を配合した、天然由来100%のオイル。さらっとした使い心地で、天然由来の自然な香り。「安心して使えます」と吉川さん。

明日 わたしは柿の木にのぼる
フェミニンオイル 30mL 4400円、大容量60mL 7150円(ともに税込)

YES インティメイト・オイルローションOB 

YES インティメイト・オイルローションOB 

イギリスで人気の高いデリケートゾーン専用アイテム。さらりとしたテクスチャーでオーガニックのヒマワリ種子油、シア脂、アーモンド油、ミツロウなどを配合。99.8%オーガニック成分。グリセリン、パラベン、香料フリー。

40mL 2530円、80mL  4070円(ともに税込)

デリケートゾーンの悩みはもっとオープンにしていこう

デリケートゾーンの悩みはもっとオープンにしていこう

デリケートゾーンの話やアイテムなどは、ここ十数年で広がりました。それまでは、自分のデリケートゾーンなんて見たことも触ったこともないし、「大陰唇」「小陰唇」「腟」なんて、言葉にしたことがない人も多いと思うんです。みだらで触っちゃいけないという教育をされてきたせいか、かゆみや痛み、まして、子宮脱になろうが、我慢する人をたくさん見てきました。

誰もが当たり前に悩むことだからこそ、もっとオープンに言葉にしていきませんか? だって、100年人生なんですもの。自分の悩みを放置しないで、本当に質のいいアイテムを選んで、いいコンディションで100年人生を過ごしたいですね。

次回からは、吉川千明さんと産婦人科医の石山尚子さんがデリケートゾーンのよくあるお悩みにQ&A形式で回答していきます。

■もっと知りたい■

中尾 慧里

なかお・えり 1966(昭和◎41)生まれ。ビューティライター。チャイルドボディセラピスト1級取得。女性誌、WEBにて美容に関する記事執筆、コスメ開発のコンサルティングなども手掛ける。インスタグラム@erierikisekiをゆっくり更新中。

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