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- おうち運動で免疫力アップ!手軽にできる温活習慣も
感染症や病気に負けない体のために欠かせない免疫力アップ。免疫機能を高める温活について専門家に聞く2回目です。免疫力アップには食事と運動で体温を高めることが大切。今回は、おうちで簡単に取り入れられる運動や習慣について聞きました。
教えてくれたのは……岡尾知子(おかお・ともこ)さん
鍼灸師、国際中医師、国際薬膳師。鍼灸師として臨床にあたりながら、薬膳教室を主宰。雑誌、新聞、WEBなどで健康に関する情報発信を積極的に行っている。本草薬膳学院講師、つぼみ堂はりきゅう院院長、ロータス薬膳教室主宰。著書に『はじめての薬膳生活』『野菜の事典と薬膳レシピ』(ともに法研)がある。
運動で深部体温を高める
本格的な感染症シーズンの到来。風邪やインフルエンザの予防のためにも、免疫力アップを心掛けたいですよね。
免疫機能は、体温を高めることで強くなります。前回は、「温活その1:食事編」として体温アップにつながる食べ物を紹介しましたが、体を温めるには運動も大切。運動には、血行を促して体の深部体温を上げる働きがあります。
とはいえ、寒い冬はただでさえ外に出るのが億劫なもの。運動も、家の中で気軽にできるものの方が続けやすいですよね。
そこで今回は、国際薬膳師で鍼灸師の岡尾さんに、家の中でできる体温アップにおすすめの運動と生活習慣を教えてもらいました。
家の中でできる温活ストレッチ
岡尾さんによると、体温を高めるには筋肉がたくさんついている部位をほぐすのが効果的なのだとか。
「肩甲骨や股関節のまわりはたくさん筋肉がついているので、ここを動かすと、四肢末端への血行がよくなり、全身がポカポカ温まってきます。手足の末端の冷えが気になる人にもおすすめですよ」(岡尾さん)
岡尾さんが教えてくれたおうち運動は次の3つ。体が目覚めた朝に行うと、全身の血流が促されて体温がより上がりやすくなるそうです。もちろん、スキマ時間に行ってもOKですよ!
■肩ぐるぐるストレッチ(肩甲骨はがし)
- 座って両手の指先を肩に置き、肘と床ができるだけ平行になるまで上げます。
- 左右の肩甲骨をはがすイメージで、円を描くように肩を前に10回ほど回します。
- 今度は、左右の肩甲骨を寄せるイメージで肩を後ろに10回ほど回します。これで1セット。朝はもちろん、家事やデスクワークの合間に行うのもおすすめです。
■背中の筋肉をほぐすストレッチ
- 両手を前にまっすぐ伸ばします。手のひらが外を向くように腕をねじり、背中を丸めます。
- 空手の「押忍!」のイメージで両方の肘を後ろに引き、3~5秒キープします。これが1セット。1日5セットを目安に行いましょう。
■股関節をほぐすストレッチ
- 脚を前後に開き、片膝立ちになります。
- 立てた膝に両手を置き、股関節の前側を伸ばすイメージで膝を押し、10秒キープ。上半身が前に倒れないようにしましょう。これを左右2回ずつ行います。
また、こうした運動の他に、朝にラジオ体操をするのも体温アップにおすすめなのだとか。
「ラジオ体操は体の隅々まで動かせる運動です。これを朝日を浴びながら行うと、自律神経が活動モードに切り替わり、1日の体温調整機能が整いやすくなります。毎朝の習慣に取り入れると、冷えの予防にもつながりますよ」(岡尾さん)
温活の運動効果を高める3つの習慣
さらに、こうした運動の前後にちょっとした習慣を取り入れると、温活効果がパワーアップするのだそう。岡尾さんに、運動の温活効果を高める3つの習慣も教えてもらいました!
習慣1:白湯を飲む
運動の前後や運動中にこまめに白湯を飲むと、血流アップ効果が期待できます。また、血の巡りがよくなることで老廃物が排出されやすくなるので、冬場のむくみ対策にも有効。白湯の温度は50℃~60℃くらいが目安です。
「白湯には、血流を促して内臓機能を活性化する作用があります。適度な水分補給にもつながるので、冷えで足がつりやすい人にもおすすめですよ」(岡尾さん)
習慣2:運動の後に深呼吸
体温調整は自律神経によって行われます。深呼吸には自律神経を整える働きがあるので、運動が終わったら深い呼吸をする習慣をつけましょう。
「ゆっくりとした深い腹式呼吸で、特に息をしっかりと吐き切るようにしましょう。息を吐くことを意識すれば、吐き切った後に自然と新しい空気を吸い込むことができます。腹式呼吸が難しい場合は、あお向けに寝た状態で呼吸すると自然と腹式呼吸になります」(岡尾さん)
習慣3:手足末端の体操
手足を動かすことで末端の細かい血管が刺激され、運動による温活効果がさらに高まります。手軽にできるのは、手をグーパーさせて末端の血流を促す運動。また、爪の生え際には〝気が湧き出でる所〟とされる「井穴(せいけつ)」があり、ここを刺激するのもおすすめです。爪を両側から指で挟み、少し圧をかけてもみもみするのがよいでしょう。
どの習慣も、すぐに取り入れられそうな簡単なものばかり。運動による温め効果をさらにアップさせるために、できそうなものからチャレンジしてみてくださいね。
更年期以降は夜の過ごし方も大切!
40代、50代の女性は、更年期の影響で自律神経が乱れやすいため、冷えや低体温の悩みが増えてきます。特に手足が冷たいと、夜に布団に入っても、冷えが気になってなかなか眠れなくなります。
岡尾さんによると、冷えが気になる女性は夜の過ごし方も大切なのだそう。
「睡眠中に体が冷えないように、ポカポカが続く入浴法や、冷えやすいお腹のケアを取り入れてみてください。ポイントは、体の末端よりも中心部を温めること。冷えが改善されて睡眠の質がアップすれば、おのずと自律神経が整いやすくなり、体温調整機能も高まります」
■夜の温活1:芯まで温まる入浴法
40度くらいのぬるめのお湯に10分~15分浸かると、体が芯まで温まります。ポイントは、冷えやすい肩や首までしっかりと湯船に浸かること。
「背中の上の方には、「肺兪(はいゆ)」や「風門(ふうもん)」など呼吸器につながるツボもあるので、ここを温めると風邪の予防にも一役買ってくれるでしょう」(岡尾さん)
■夜の温活2:睡眠前にお腹を温める
多くの内臓が集まるお腹が冷えると、血液が体幹部に集まり末端への血流が不足しやすくなります。お腹が十分に温まれば、冷えが気になる手足も温まってきます。寝る前に湯たんぽや腹巻を使ってお腹を温めるようにすれば、全身がポカポカ温まって心地よい眠りにつきやすくなりますよ。
冷えから体温が下がりやすい冬は、免疫力も下がりがちになります。体を温める食事や運動、習慣などを取り入れて、寒い季節もハツラツと過ごせる体を目指しましょう!
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