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2018年11月07日
菅沼薫さんに聞く、今の自分に合う美容法(14)
最近よく聞き、見かける「年齢化粧品」。他の化粧品と何が違うの? やっぱり、40代、50代、60代……ある程度の年齢になったら使うべき? 第14回は、年齢化粧品について菅沼薫さんに教えてもらいました。
年齢肌とは、一体何歳くらいの肌なのかと聞かれたことがありますが、何歳から何歳までといった境目はありません。もともとは更年期前後の不安定な肌のことを指していましたが、現在は、50代より上の年齢の肌を総じて「年齢肌」ということが多いようです。
更年期前後の肌は、乾燥しているのに汗をかいてベタベタするなど、コントロールが難しくなります。また、健やかだった肌は年齢を重ね、紫外線や摩擦などを刺激を受け続けたことで変化します。その変化の表れが、シワやシミ、たるみなどです。こういった肌悩みを感じるようになると、いわゆるエイジングケアを意識するようになり、自分は年齢肌だと思う人が多いようです。
ですが、肌は人それぞれ。もともとの肌質もありますが、環境や生活習慣でも肌の変化の具合は変わってきます。たとえば40代でシミやシワが目立つ肌の人もいれば、50代でもシミやシワのほとんどない肌の人もいます。このため、こういう肌が年齢肌、何歳の肌が年齢肌、とは一概に言い切れないのです。
コントロールが難しくなった肌や、年齢による肌トラブル用につくられたのが、年齢化粧品です。以前は、ミセス用とかマダム用などといわれていましたが、今はエイジングコスメなどといわれています。
つまり年齢化粧品に、特定の成分が配合されているもの、何歳以上に向けてつくられたもの、などの明確な定義はありません。化粧品会社やメディアが、年齢による肌トラブル用の化粧品の分かりやすい総称として「年齢化粧品」と表現したのが、一般的に使われるようになりました。
年齢化粧品には、高い保湿力や肌トラブルに応じた有効成分を潤沢に配合されているものが多くあります。また、肌にやさしい商品も多いので、年齢による肌の変化を感じたり、今使っている化粧品に違和感や物足りなさを感じるようになったら、ぜひ試してみてください。
ところで、年齢肌のスキンケアというと、肌を修復するお手入れになると勘違いしている人がいるようですが、残念ながら化粧品で肌の修復はできません。
歳を重ねたり、体の変化や環境による刺激などのさまざまな要因によって乱れてしまった肌を、健やかな状態に戻すと考えてください。
香りにこだわっている商品が多いのも、年齢化粧品の特徴の一つです。香りってあまり意識していない人もいるかもしれませんが、その効用は大きいんですよ。化粧品をつけたとき、ふわっとした幸福感で満たされると感じたことはありませんか? 肌だけでなく心も健やかにしてくれる、これも化粧品の魅力の一つなのです。
年齢化粧品の香りは強くなく、肌をベールのように覆うやさしい香りのものがほとんど。更年期前後のゆらぎがちな心と肌を穏やかにする工夫がされています。良質な香料は高価なものも多く、それをぜいたくに配合している商品も多くあります。香り好きの人は、そういった視点で年齢化粧品を見てみるのも面白いかもしれませんね。
化粧品は、肌に直接まとうものだから、効果はもちろん心地よいと思えることが大事。年齢化粧品は効果、香りのほかにも触感や使用感で充足感を得られる商品が多いので、自分は年齢化粧品を使うべきなのかな? と躊躇している人や、なんとなく抵抗があるという人も、是非試してみてください。
取材・文=田中優子
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