1日20分の速歩き習慣で痩せ体質に!

ダイエットに効果的なウォーキング術とカロリー計算法

小林広和
監修者
株式会社アウトライン 代表 NSCA-CPT認定パーソナルトレーナー
小林広和

公開日:2021.09.30

更新日:2024.03.05

外出自粛による運動不足で、コロナ太りに悩む人も多いのでは。スペースなどの問題で自宅での運動が難しい場合も、外でのウォーキングなら手軽にダイエットに取り組めます。そこで今回は、ウォーキングで効果的に消費できるカロリーについて紹介します。

監修者プロフィール:株式会社アウトライン代表 小林広和さん

株式会社アウトライン代表小林広和さん

女性専用パーソナルジムOUTLINE(アウトライン)代表。東証マザーズ上場パーソナルジムで8店舗の立ち上げを担当後、現在女性専用パーソナルジムのアウトラインを全国26店舗経営、ダイエット特化チャンネルのYouTubeチャンネル「アウトラインジム」を運営中

ウォーキングがカロリー消費におすすめの理由

ウォーキングがカロリー消費におすすめの理由

ぽっこりお腹が気になってきた、今まで着ていた服が着られなくなったなど、運動不足を解消するなら、全身を使うウォーキングなどの有酸素運動がおすすめです。

ウォーキングは、効果的なペースや姿勢で一定時間と歩数を行うことで、血流が良くなり、脂肪燃焼率が上昇します。ジョギングよりも脂肪燃焼効率が高く、歩く時間を増やすほど体脂肪を減少させる効果が期待できると言われています。

毎日継続することで基礎代謝を高め、女性特有の悩みであるむくみや冷え、痩せやすい体質作りなど、さまざまな健康効果・ダイエット効果に期待が持てます。

さらに、ウォーキングは、高額な用具を買い揃える必要もなく誰でも手軽に始められるため、これまで運動をしていなかった人や、どんな運動から始めたら良いかわからないという初心者にも、おすすめしたい運動です。

コロナ禍でついつい自宅にこもりがちな今、ジムやフィットネスクラブなどに通うのは難しいですが、家の周りや公園など、外の空気を吸いながらのウォーキングなら、密を避けて運動できて、心身ともにリフレッシュできます。 

仕事や家事が忙しくて、運動習慣を身につけるのが大変という人でも、自宅周辺でいつでもできるウォーキングは、取り入れやすい運動の一つです。食後は、脂肪をもっとも溜め込みやすいと言われているので、夕食後の夜の時間をダイエットに活用するのもおすすめです。

ウォーキングの消費カロリーを計算してみよう

ウォーキングの消費カロリーを計算してみよう

ダイエットのために歩くと決めたものの、どのくらいの時間歩いたら良いのかわからないという人も多いはず。ウォーキングの歩数と消費カロリーをチェックしていきましょう。

脂肪を1kg減らすのに必要な消費カロリーは約7000kcal。1か月で1kg減らす場合、1日の必要消費カロリーは約233kcalとなります。

消費カロリーは、体重や歩くスピード、ウォーキング時間などによって人それぞれ異なってくるため、何分歩いたからこれだけ消費というのは言いにくいもの。そこで活用したいのが、「METs(メッツ)」を使用した消費カロリーの計算方法です。

METs(メッツ)とは?

消費カロリーの計算式に出てくるMETs(メッツ)はMetabolic Equivalentsの略で、1メッツが安静時の運動強度を表します。安静時の1メッツと比較して、どの運動が何倍のエネルギーを消費するかを表す基準となっており、運動量(消費エネルギー)が多いほど、メッツの数値は高くなります。

厚生労働省の、女性の年代別による全身持久力の基準は以下となります。
※全身持久力とは、できる限り長時間、一定の強度の身体活動・運動を維持できる能力のことを言います。

40歳~59歳……8.5 METs(メッツ)
60歳~69歳……7.5 METs(メッツ)
※70歳以上の高齢者においても、可能であれば、3メッツ以上の身体活動に取り組み、長く自立した生活を送るための健康な体作りを目指しましょう。

出典:「運動基準・運動指針の改定に関する検討会 報告書」(厚生労働省)

基準値となっている7.5~8.5メッツは、ジョギングなどの運動に匹敵する値となります。普段から運動習慣がない人や、体力に自信のない人、基礎疾患がある人などは体調を考慮し、基準値の半分の3~4メッツ前後の運動強度からスタートするのがおすすめです。

軽い散歩は3メッツ、速歩きのウォーキングは4.3メッツ程度なので、運動初心者におすすめの運動と言えます。

ウォーキングによる消費カロリー計算法

それでは、「METs(メッツ)」を使った、ウォーキングで消費するカロリーの計算法をご紹介します。

「METs(メッツ)×運動時間(h)×体重(kg)× 1.05=消費カロリー(kcal)」
※1.05は、安静時の消費カロリー

例えば体重60kgの人が、速歩きのウォーキングのみで1か月に1kgを減らしたい場合、1日1時間ウォーキングすると、1日の目標消費カロリー233kcalを上回る271kcal消費できます。
例:「4.3メッツ×1h×60kg×1.05=約271kcal」

体重がちょうど60kg・70kgの人を例にした、消費カロリーは以下のとおりです。また、「ウォーキングの消費カロリーの計算 - 高精度計算サイト」などを利用すると、実際の体重を入力することでメッツを使った消費カロリーを簡単に出すことができます。

<体重60kgの人が、軽い散歩(METs3.0)をした場合の消費カロリー>

  • 20分……63kcal
  • 30分……95kcal
  • 40分……126kcal
  • 50分……158kcal
  • 60分……189kcal

<体重60kgの人が、93m/分程度の速歩き(METs4.3)をした場合の消費カロリー>

  • 20分……90kcal
  • 30分……135kcal
  • 40分……181kcal
  • 50分……226kcal
  • 60分……271kcal

日常の身体活動とウォーキングを組み合わせよう

毎日1時間ウォーキングするのは難しくても、日常生活において意外とエネルギーを消費しているので、家事などとウォーキングを上手に組み合わせて、無理なくカロリーを消費していきましょう。

<日常生活におけるMETs(メッツ)の参考>

  • 皿洗いをする(1.8 メッツ)
  • 干す、取り込む、たたむ、しまうなど洗濯をする(2.0 メッツ)
  • フロアの掃き掃除(3.3メッツ)
  • 食事の支度をする(2.0 メッツ)
  • 買い物や散歩をする(2.0~3.0 メッツ)
  • ストレッチをする(2.3 メッツ)
  • ガーデニングや水やりをする(2.3 メッツ)
  • 動物の世話をする(2.3 メッツ)
  • ゆっくりと平地を歩く(2.8 メッツ)
  • 階段をゆっくり上る(4.0メッツ)

例:体重60kgの人が、速歩きのウォーキングを20分と家事などの身体活動を組み合わせて、1日の目標である233kcalを消費したい場合

  • 速歩きのウォーキング20分⇒「4.3メッツ×0.33h×60kg×1.05=約90kcal」
  • 皿洗い30分⇒「1.8メッツ×0.5h×60kg×1.05=約57kcal」
  • 食事の支度1時間⇒「2.0メッツ×1h×60kg×1.05=約126kcal」

90 kcal+57 kcal+126 kcal=トータル消費カロリーは約273kcal。

1日20分のウォーキング+日常の家事をこなすだけでも、十分に1か月で1kg減の場合の目標消費カロリーを達成できるのがわかります。日常生活で消費するカロリーと、ウォーキングによる消費カロリーを計算しながら、無理なく目標達成を目指しましょう。

時間に余裕がある方は歩数を意識してみてください。
例)1週間平均7000歩!など
※歩数管理アプリなどをお使いください

カロリー消費に効果的なウォーキングの距離と時間

カロリー消費に効果的なウォーキングの距離と時間

せっかくウォーキングをするなら、よりダイエット効果の高いウォーキングをしたいものです。ここでは、効果的なウォーキング時間や歩数を知り、ウォーキングへのモチベーションを高めていきましょう。

効果的なウォーキング時間とは?

一般に、初心者がウォーキングを始める場合、距離は3km程度、時間は20~30分程度を目安にするのがおすすめです。

ウォーキング(有酸素運動)は、歩き始めからすぐに脂肪が燃焼し始めるので、朝10分夜10分で行うのも効果があります。合計で長く歩けばその分脂肪が燃焼するので、無理のない範囲で多く歩くことが大切です。

長時間の有酸素運動は体内のグリコーゲン(体のガソリン)を使いますので、そのグリコーゲンが切れてきたときにはより多くの体脂肪をエネルギーとして使います。脂肪燃焼と代謝のバランスを保つためにも、ウォーキングは長くても60分程度までにしておきましょう。

また、前述の軽い散歩と速歩きウォーキングの比較でもわかる通り、カロリー消費には速歩きが効果的です。体温や脂肪燃焼効果が高い夜ウォーキングなら、ダイエット効果をより高めます。

1日で歩きたい効果的な歩数とは?

1日の歩数の目安は約8000歩(5.6km程度)とされています。
出典:スポーツ庁「歩くときの目標値は?」

これを歩くとなると、ちょっと気後れしてしまいますが、1日のトータルが8000歩になれば良いので、5.6km連続して歩く必要はありません。

8000歩の内、ウォーキングなどの中強度の運動は20分程行うのが理想的とされています。20分のウォーキング歩数の目安は、約2000歩(歩いた時間×100)です。

残りの約6000歩は、家事や日常生活で確保するのが良いでしょう。歩数を多くすることに着目するよりも、まずは運動習慣を身につけ無理なく継続することを意識するのがおすすめです。

<日常生活における歩数の目安>

  • 料理……1400歩
  • 洗濯(干す、取り込む)……1000歩
  • 掃除機……1000歩
  • 窓ふき……1200歩
  • 買い物……1200歩
  • ウインドーショッピング(60分)……5000歩
  • 階段を3階分上る……560歩

ウォーキングや運動を継続することにより筋肉量が上がれば、基礎代謝の向上やダイエット効果も自然と上がっていくので、焦らず自分のペースで目標を設定したいですね。

50代以上の女性が意識したいウォーキングを継続するポイント

50代以上の女性が意識したいウォーキングを継続するポイント

ダイエット習慣や運動習慣を作るには、まずはウォーキング自体を楽しむことが大切。無理なく楽しんでウォーキングを続けるために、意識しておきたいポイントを紹介します。

無理をしない目標設定が大切

ダイエットの成功の鍵は、楽しく毎日継続すること。特に、50代以上の運動では、「無理をしない」「自分に合ったペース」を守ることも心がけましょう。

歩く距離や時間には囚われ過ぎず、自身が無理なく継続できる目標を決め、慣れてきたら少しずつ時間や距離を伸ばしていくことが大切です。

無理な運動のし過ぎは、ストレスホルモンのコルチゾールが出て逆に健康被害を及ぼす危険性もあります。自分が無理をしているか気が付かないケースもあるので、そんな時は朝一番の心拍数を基準にするのも良いですね。

体にどの程度の負荷がかかっているかを確認する「運動強度」は、次のような方法で計算できます。

「220-年齢×0.6~0.75=持久運動時の目標心拍数」

<持久運動時の目標心拍数>

  • 50代……102~128
  • 60代……96~120
  • 70代……90~113

スマホやスマートウォッチ、携帯血圧計などを活用し、心拍数を確認しながら運動してみましょう。

カロリー消費を促す正しいフォームを意識する

間違ったフォームでのウォーキングは、体への負担を増やし、本来消費できるはずの消費カロリーの減少にもつながってしまいます。ウォーキング継続へのモチベーションを高めるためにも、効果的にカロリー消費ができる正しいフォームを意識してみましょう。

効果的にカロリーを消費したいときに意識したい「歩く姿勢」のポイントは3つ。

  1. 下腹に力を入れ、おへそを意識して姿勢を正す
  2. 腕を後ろ方向に大きく振る
  3. 歩く方向は一直線を意識する

このポイントを押さえて、正しいウォーキングフォームを心がけましょう。かかとから着地する⇒つま先で踏み込む姿勢のウォーキングは、軸が安定し転倒しにくくなります。また、カロリー消費の効果を高めるために、速歩きになる歩幅も意識しましょう。

ウォーキング自体を楽しむ

ウォーキングは、ダイエット効果が期待できて心身の健康を保てるおすすめの運動ですが、普段から運動習慣がない人にとっては、ウォーキングをするということに負担を感じてしまう場合もあります。前向きに習慣化できるよう工夫も必要です。

もっとも効果的なのは、ウォーキング自体を楽しむこと。

毎日のお楽しみとして継続できるよう、いくつかのお気に入りルートを見つけておくのも良いですね。夕方にウォーキングをするなら夕日がきれいなルート設定、夜なら安全性を重視したルート設定、日中なら景色を楽しめるルート設定などがおすすめ。

定期的にルートを変えることで、飽きが来ず、季節ごとに景色を楽しみながら歩くことができます。

ルートの最後には、ご褒美ポイントを用意しておくのも良いですね。お気に入りの花屋さんで室内に飾る花を調達したり、オシャレなカフェでヘルシードリンクを購入したり、雑貨屋さんでバスタイムやリラックスタイムに使えるアイテムを購入してみてはいかがでしょうか。

自分なりに、達成感を味わいながら、ウォーキングを楽しんで継続できる方法を見つけましょう。

コロナ禍で外出自粛が求められ、コロナ太りによって体型維持が難しい昨今、密を避けてできるウォーキングは、習慣化したいおすすめの運動です。

カロリー消費の仕組みを知り、効果的な時間や正しいフォームでのウォーキングを続けられれば、体の代謝が高まり痩せ体質を手に入れることができるのではないでしょうか。自身の体力やスケジュールと相談しながら、毎日の目標消費カロリーや歩数を設定し、無理なくウォーキングを楽しみましょう。

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