美容家・川邉サチコさん 自分を律するおしゃれと習慣
2022.12.062019年11月04日
川邉サチコさんに聞くカッコよく年を取るセオリー
美容歴60年川邉サチコさんが語る、口紅選びの大切さ
川邉サチコさんは、パリコレや日本の広告業界等で活躍してきた81歳の現役美容家です。現在は自身のサロンで一般人女性の美をトータルアドバイスするサチコさんに、大人メイクのポイントを聞きました。
大人メイク、実は”唇”がポイント
昔、外国映画のヒロインに憧れて、オードリー・ヘップバーンやカトリーヌ・ドヌーヴなどのファッションやヘア・メイクをまねたおしゃれが、はやった時代がありました。
簡単にまねできるのはヘアスタイルですが、メイクアップのポイントをキャッチすれば、それらしい雰囲気は簡単につくれます。
一般的に、顔の印象を左右するのはアイ・メイクと思われていますが、実はリップ・メイクの方が重要です。唇のラインで、クールにもセクシーにも変えられ、口紅の色や素材で華やかさなどの印象を自在にコントロールできるからです。
年を重ねると、目力が弱くなるのは仕方ないことですが、おしゃべりをする口元は、変わらずよく目立つ部位です。目元は眼鏡やサングラスで上手にカバーし、その分、リップ・メイクにポイントを置きましょう。
唇の形や厚みを整え、美しい色を重ねれば、表情はパッと明るくなるはずです。
口紅の色選びと塗り方は、気分とシーンに合わせて
中でもインパクトのある自分をつくることができるのは、赤系の口紅。私は、仕事など、ちょっとがんばらなければならない場面ではいつも赤系の口紅を選びます。
赤を加えると自然と心もシャキッとし、仕事モードになれるからです。
また、おしゃれして出掛けるときはローズ系、家でのんびりと過ごすときはオレンジ系と、3色をベースに、着るものや行く場所に応じてリップラインや塗り方にも変化をつけて使い分け、楽しんでいます。
グレイヘアにしてから、口紅をしっかりつけるように
実は若い頃は、口紅をつけるのが好きではありませんでした。
でも、髪の色をグレイヘアにしてから口紅をきっちりつけるようになり、なりたい雰囲気を簡単につくれる口紅の効果を改めて実感しています。
あるとき、スポーツクラブの更衣室で印象的なおばあさんに出会いました。プールから上がって帰り支度をしていたその人は、とてもかわいいニットを着ていらしてノーメイクでした。そこへきれいなローズ系の口紅をササッと塗ったら、見事に“完成”したのです。
思わず「すごくおしゃれ! カッコいいですね」と声を掛けてしまったほど。1本の口紅で変わるリップ・メイクのマジックを目の当たりにして、私の気持ちまで楽しくなりました。
人から見られるときの印象だけでなく、気分も変えることができる口紅は、私たち世代の強い味方、必ず力をくれる大事なお友達なのです。
最後に、色選びは食わず嫌いをしないこと。私はピンク系が似合わないとか、絶対オレンジ系じゃなきゃダメとか、自分で枠を狭めてしまう人がいますが、ピンク系一つとってもグラデーションで何色もあるわけですし、本来どの系統の色も似合うのです。
どんどん試して、洋服に合わせて口紅を選んで、楽しんでほしいと思います。
サチコ流の口紅の塗り方
年齢を重ねるとともに唇はやせてきて、縦ジワに口紅がにじんでしまいがちです。
唇をふっくら見せながら、きれいに描くために重要なのが、ライン。ラインはリップペンシルを使いましょう。口紅より油分の少ないペンシルを使うと、にじみが出ません。
ラインは、上唇と下唇を1~2ミリ、オーバー気味に描きます。ほんの1ミリ程度でも、印象が全然違います。
口角から真ん中に向かって描き、また、口角が少し上がって見えるように、上唇の端を少し上がり目に描くのがポイントです。 ラインが描けたら、唇全体に口紅を塗って、最後にティッシュで軽く押さえます。
唇を立体的に見せたいときはグロスをのせると華やかに仕上がりますよ。
※この記事は、川邉サチコ著『カッコよく年をとりなさい グレイヘアマダムが教える30のセオリー』(ハルメク刊)より一部抜粋して構成しています。
川邉サチコ著『カッコよく年をとりなさい グレイヘアマダムが教える30のセオリー』発売中
川邉サチコ流の生き方のセオリーを、「グレイヘア」「美容」「ファッション」「暮らし方」「生き方」の5つのテーマで、披露します。
「美容」の章では、大人のスキンケアに必要な化粧品とは/川邉家に伝わる美容マッサージ等を、わかりやすく解説。すべての年齢の日本人女性がカッコよく生きるためのヒントが、詰まった一冊です。
■関連記事