「英会話カフェ」で英語力を磨く!

2019年10月31日

今日から始める50の手習い(1)

「英会話カフェ」で英語力を磨く!

知的好奇心にあふれる大人女性が、50代の今から始めてみたいこと、いろいろありますよね。そんなあれこれに、コラムニストの柚原路子さんがトライします。初回は「英会話カフェ」。2020年東京オリンピックに向けて、英語力をブラッシュアップ!

英会話力を上げて、世界の人たちと語り合いたい!

英会話力をあげよう

長年の間、埃をかぶっていた英語力をブラッシュアップしよう! 私がそんなことを考え始めたのは、大学を卒業して20年近くが過ぎた頃のこと。

以来、「英語学校に行く」「テレビ/ラジオ番組を視聴する」「インターネットを利用する」「個人レッスンを受ける」などさまざまな学習方法にチャレンジしてきたものの、いずれも続けているうちにマンネリ化してきたり、壁に突き当たったり……。

また、当初は文法やリーディング、ライティングに力を入れていましたが、数年が経過してこれらが一段落すると、苦手な会話力を向上して世界各国の人たちと語り合いたいと思うようになりました。

今回のお題である「英会話カフェ」とは、外国人講師や他の利用者と飲み物を片手に気軽に英会話を楽しめるスポット。私自身、その存在は以前から知っていましたが、実際に体験してみようと思ったのは、たまたまある店の前を通りがかったのがきっかけでした。

その店の入り口には“体験無料”と記されたチラシが置かれていたのですが、その場ですぐに体験する勇気はなかったので、ひとまずは持ち帰って検討することに。

家に帰って「英会話 カフェ」「英会話 喫茶」「英語 チャット」などでネット検索してみると、私の自宅や職場の近くにはほかにもいくつかの「英会話カフェ」があることがわかりました。

それぞれのWebサイトに目を通してみると、一口に「英会話カフェ」と言っても、これを本業としているところもあれば、英語学校に併設されているところ、英語に限らず複数の外国語のサービスを展開しているところなど、さまざまなタイプがあることが判明。

私の場合、英語学校はすでに通った経験があったので、あくまでも「英会話カフェ」を本業としているところをピックアップ。あとは自宅や職場からのアクセスを考えて、東京都内の「LanCul(ランカル)」と「Micky House(ミッキーハウス)」の2か所を体験してみることにしました。

“おしゃれなカフェ”で外国人と気軽にトーク

LanCul自由が丘店
こちらはLanCul下北沢店

「LanCul」は冒頭で触れた、私がたまたま前を通りがかり、無料体験チラシをもらったところ。無料体験から3か月以内に入会すると、先着200名に限り特別価格で利用できるキャンペーンを展開(2019年9月時点)していたので、これが終了しないうちにとすかさず予約。10日と空けずに同店のサービスを無料体験することになりました。

私が訪れたのは、小田急&京王井の頭線下北沢駅から徒歩2~3分のビルの地下にある店舗。「英会話カフェ」を体験するのは初めてだけに、ドキドキしながらドアを開けると、オープンな空間の奥の方で講師役の外国人と数人の利用者が会話を繰り広げている様子が見て取れました。

受付の女性に用件を伝えると、まずはこれまでの英語学習の経験や、今回、無料体験を希望するに至った動機などを聞かれた上で、曜日・時間帯や利用頻度に応じて設けられたプラン、飲み物は一部を除いて1杯/日までは無料であることなど、サービスについて一通り説明を受けることに。最後に「ビギナーズ・テーブル」と「アドバンスト・テーブル」から体験希望のテーブルを選ぶと、いよいよ無料体験がスタートしました。

私が選んだ「ビギナーズ・テーブル」では、講師役と6人ほどの利用者が、飲み物を片手におしゃべりを展開中。平日の日中とあって、利用者は40~50代の女性が中心で、英語のレベル感は、話すのがやっとの初級者から、それなりにしゃべれる中級者までさまざま。まずは講師役に促されるままに簡単な自己紹介を行い、その後は旅行や映画などその場の会話の流れに適宜、入っていく格好になりました。

講師と生徒との会話シーン
LanCulの講師陣は英語圏はもちろん、英語圏以外の国からワーキングホリディや就労目的で来日した若者たちが中心

「英会話カフェ」初体験の私は、最初は不安でいっぱいでしたが、とにかく必死で会話に参加したことに加え、講師役が「あなたはどう思う?」と私の発言を促したり、私の話に相槌を打ったりしてくれたことで、気付いたときにはこれらの不安は頭の中から一掃されていました。

約30分の無料体験終了後、せっかくの機会なので、気が変わらないうちに申し込んでしまおうかとも思いましたが、そこははやる心を抑え、いったん頭を冷やして検討することにし、その場を後にしました。

エスニックタウン高田馬場で世界各国の旅人に出会う

英会話カフェ
Micky Houseの上級者向けの部屋は講師役に加えて世界各国からの旅人たちでにぎわう​​​

「英会話カフェ」体験の2つ目は、この道30年超の歴史を誇る「Micky House」。同店は、近頃エスニックタウン化が進む高田馬場にある雑居ビルに店を構えており、恐る恐る店内に入ると、“ウナギの寝床”のようなカフェ空間で、数人の外国人が談笑していました。

外国の血が混じっているとおぼしき受け付けの女性に、日本語で利用方法を尋ねると、同店には無料体験はなく、入場料2000円(2019年10月現在)を支払って利用する形であること。自分のレベルに合わせて、上級者向けと初心者向けのいずれかの部屋に参加する仕組みで、部屋間は自由に移動できること。コーヒーと紅茶は飲み放題だが、その他は別料金であることなどを説明してくれました。

仕組みがわかったところで入場料を支払い、初心者向けの部屋に入ると、そこには英語のテーブルに加えて、フランス語など他言語のテーブルも設置されており、各テーブルでは講師役の外国人と5~8人程度の利用者が会話を繰り広げていました。

英語のテーブルの講師役は30歳前後のアメリカ人女性で、利用者の側は女性が私を含めて4人、男性が1名。私が参加すると、まずは講師役に促される形で、全員が英語で自己紹介することになりました。

平日の夜ということもあり、利用者には会社員が多く、英語教材の出版社に勤めている人もいれば、転職に備えて自身の英語力をブラッシュアップしているといういかにも初心者とおぼしき20代女性の姿も……。

英会話カフェ
初心者向けの部屋では、講師役を中心に数名の参加者がテーブルを囲む

初心者向けの部屋で30分ほど会話に参加した後、せっかくの機会なので上級者向けの部屋に移動。初心者向けの部屋が会議用のテーブルを椅子で囲むスタイルなのに対して、上級向けの部屋は、壁に沿うように設置されたソファーの前に、いくつかのセンターテーブルとスツールを無造作に置いたようなスタイルでした。

怖々、スツールの1つに座った私の周囲には、フランス人、スペイン人、イタリア人などが入れ替わり立ち替わりやってきて、彼ら同士で話したり、日本人利用者に話しかけたり……。webサイトによると、英語が堪能な外国人は低価格で同店が利用できるそうなので、スタッフに加えて一般の旅行客も混在しているのかもしれません。

初心者向けのテーブルでは講師役のスタッフが会話をリードしていたのに対し、上級者向けは参加者が自由に会話するスタイル。旅行ガイドブックには記されていない、講師役の出身国にかかわる生の情報が聞けるのはもちろん、彼らが日本に興味を持ったきっかけや、日本で何をしているのかなどを聞くことで、異文化に触れたり、日本との違いについて語り合ったり……。

英語が母国語の講師ばかりではないため、さまざまな英語に触れることができるのも大きなメリットといえそうです。

ほんのちょっとの勇気で、世界の国々を体感できる!

世界の国々を体感

そもそも私が「英会話カフェ」に興味を持ったのは、会話力を向上し、さまざまな国の人々と語り合えるようになりたいと思ったため。実際に体験してみると、「英会話カフェ」が、私たちが外国人との会話に慣れ、苦手とする英語を聴く力、話す力を鍛えるのに役立つであろうことを実感することができました。

しかし、今回の体験を通じて私が痛感したのは、「英会話カフェ」は単に英語を聴く力、話す力を鍛えるだけではなく、日本に居ながらにして世界の国々を知り、その文化を体感できる場でもあるということ。対人コミュニケーションにおいて、相手の置かれた立場や環境を踏まえることが重要なのは、何も英語に限ったことではないでしょう。

もしもあなたが、英語の文法やリーディング、ライティング力を極めたいと思うなら、「英会話カフェ」はオススメしません。なぜならば「英会話カフェ」の講師役はネイティブの講師ばかりではなく、必ずしも日本のような英文法の教育を受けていなかったり、ボキャブラリーに限界が感じられたりすることも少なくないからです。

一方、もしもあなたが世界の人々と語り合いたいと思うならば、「英会話カフェ」はまさに最適な学習方法の一つといえるでしょう。

そこで大切なのはほんのちょっとの勇気。「恥ずかしい」なんて言っていないで、積極的に会話に挑んでこそ、多くのモノを得ることができるのです。

 

<今回、訪ねた場所>

LanCul
「言葉と文化の壁を無くしたい」をコンセプトに2013年に設立。今回、体験した「英会話カフェ」は、既存の飲食店との提携等により東京を中心に20か所あり、会員になればすべての店舗を自由に行き来することができます。また、メンバーになれば1ドリンクが無料になる仕組み。店舗によってはビールも無料なので、お酒で胸の高鳴りを押さえて英会話に挑むこともできます。

Micky House
東京・高田馬場に店舗を構える「英会話カフェ」の先駆けで、35年前にオープン。英語に加えてフランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、スウェーデン語、ロシア語、ポーランド語、中国語、韓国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語などのカフェを展開しています。ドリンクはコーヒー・紅茶は料金に含まれていますが、これ以外のビールなどは別途、料金が発生します。


LanCul

Micky House

柚原路子
柚原路子

ハルメク世代のコラムニスト。マーケティング・リサーチ会社勤務、フリーのプランナー&ライターを経て、マーケティング・エージェンシーを立ち上げ。最近ではコラムニストとして「異文化コミュニケーション」「トレンド」「メディア」「顧客接点」「終活」などの領域で取材・執筆も行う。

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